広島市立広島特別支援学校の「ものづくり」がルワンダ、カンボジアへ――なかよし学園「世界とつながる学び」3R-Forum講演会を開催

“支援される側から支援する側へ”を体感。特別支援学校の質の高い教育実践を、世界とつながる学びとして国内外へ発信



 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、2026年2月26日、広島市立広島特別支援学校において「世界とつながる学び」3R-Forum講演会を実施しました。
 本講演会では、同校の生徒たちが制作した教材や作品が、ルワンダおよびカンボジアの子どもたち・難民支援の現場へと届けられ、現地で実際に活用された様子を紹介しました。生徒たちは、自分たちの学びやものづくりが、世界のどこかで誰かの笑顔や希望につながっていることを知り、「支援される側から支援する側へ」という学びの転換を、実感をもって受け止めました。
 今回の講演会は、なかよし学園が推進する循環型学習モデル「CoRe Loop(Create/Return/Redesign)」の実践報告の場でもあります。生徒たちが制作した教材が海外の教育・支援現場で使われ、その反応や学びが日本の教室へと“環ってくる”。この双方向の学びの循環こそが、同校が取り組む「世界とつながる学び」の核となっています。なお、この実践は、UNESCO Inclusive Education in Action のケーススタディとしても紹介されており、広島市立広島特別支援学校となかよし学園の協働モデルは、国際的にも注目される実践となっています。
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世界各国を教材で応援する広島特別支援学校の生徒たち

ルワンダで学んだ「平和をつくる責任」
 広島市立広島特別支援学校では、2025年8月に実施したルワンダプロジェクトにおいて、生徒たちが平和のポスターを制作し、なかよし学園を通じて現地の学校へ届けました。そのうちの1枚は、ルワンダの学校との共作を経て再び広島へ戻り、生徒たちは自らの表現が国境を越えてつながり、循環する体験を得ました。
 ルワンダで学びの舞台となったキガリ・ジェノサイド・メモリアルは、1994年のジェノサイドの記憶を伝える「追悼と学びの場」であり、平和教育と和解教育の拠点として位置づけられています。また、同メモリアルが所在するギソジを含む4つの虐殺記念施設は、2023年にユネスコ世界遺産に登録されました。
 31年前のジェノサイドの記憶を継承しながら、なお地方部では貧困や教育格差が残るルワンダの現実に触れたことで、生徒たちは「学びたくても学べない子どもたちが世界にいる」という事実を、自分事として受け止めました。そして、自分たちがつくったポスターや教材が、平和を願うだけでなく、誰かの学びや希望を支える具体的な行動になっていることを、大きな喜びとともに確かめました。
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ルワンダの子どもたちと共作し、広島に還ってきた平和のポスター

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ポスターを共作するルワンダの子どもたち
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思いをつなげるなかよし学園の活動
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キガリのジェノサイドメモリアルにも送られた平和のポスター

カンボジア難民支援へ――福富茂樹先生が現地に届けた「生きる希望」
 ルワンダに続く今回の取り組みでは、広島市立広島特別支援学校教諭の福富茂樹先生が、なかよし学園メンバーとしてカンボジアの難民支援活動に参加。生徒たちが制作した福笑い、けん玉、お手紙、版画などを、自らの手で現地の子どもたちへ届けました。
 2025年のカンボジアでは、タイとの国境地帯をめぐる緊張が5月以降に高まり、7月には子どもの犠牲や多数の学校閉鎖が報告されました。その後12月には戦闘が再び激化し、重火器や空爆を伴う衝突によって大規模な避難が発生、教育の継続も深刻に脅かされました。WHOや国連カンボジアの報告でも、2025年末の国境紛争は民間人の避難、学校閉鎖、子どもの学習機会の喪失をもたらした深刻な危機として記録されています。
 そうした状況の中で、広島特別支援学校の生徒たちが日々の授業で培ってきた「ものづくり」が、現地の子どもたちにとって遊びであり、学びであり、心の安定を取り戻すきっかけにもなりました。今回の3R-Forum講演会では、その現地での様子が紹介され、生徒たちはルワンダと同様に、カンボジアでも自分たちの作品が誰かの希望になっていることを知りました。
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戦地となったカンボジアで難民キャンプを中心に活動を行う

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特支の作成した「福笑い」で授業を行う
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日本からの教材が多くの難民の子どもたちを笑顔に
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地雷除去方法を説明する福富先生

90分、聴き続けた生徒たち――“本物”が心を動かした講演会
 今回の講演会では、これまで90分の講演や授業を通して集中して聴き続けることは難しいのではないかと感じていた先生方の予想を、良い意味で裏切る時間となりました。生徒たちは熱い眼差しで話に耳を傾け、ルワンダやカンボジアの現実、そして自分たちの活動の意味を真剣に受け止めていました。
「自分たちの作ったものが、世界の誰かの役に立つ」。その実感は、単なる国際理解教育にとどまらず、自己有用感、自己効力感、そして平和を自らつくる主体としての意識を育てる機会となっています。
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なかよし学園の講演会は小学校低学年からシニアまで、あっという間の時間だったという評価をいただいている

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福笑いで笑顔を生み出した福富先生

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特支の生徒たちがつくったけん玉で遊ぶ子どもたち
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大人も一緒になって遊びを「学ぶ」

4月からの新年度へ――3回目となる挑戦で、より質の高い教材づくりへ
 4月からの新年度に向けて、生徒たちは新たなポスターや工芸作品の制作に着手します。今回で3回目となる「世界とつながる学び」により、生徒たちは単に作品をつくるだけでなく、「どうすれば相手に伝わるか」「どうすればもっと喜んでもらえるか」を探究しながら、より質の高い教材制作へと歩みを進めています。
 なかよし学園は、この実践を通して、日本国内ではまだ十分に知られていない特別支援学校の「質の高い教育」を、世界からの評価も踏まえながら国内外へ発信していきます。支援を受ける存在としてではなく、世界に学びと希望を届ける存在として生徒たちを位置づけるこの教育実践は、インクルーシブ教育の新しい可能性を示すものです。
 この取り組みは2026年2月10日にUNESCO IEAに先端事例として採択されホームページに掲載されています。
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UNESCO IEAのホームページに掲載されたなかよし学園の活動

広島市立広島特別支援学校 西山美香校長 コメント
「世界とつながる学びプロジェクトの一員に加えていただいたことに感謝申し上げます。今回のご講演では、本校の福富先生が私たちの作ったものを直接、カンボジアの子どもたちに届けている様子を見たり聞いたりすることができて、世界をより身近に感じることができたと思います。また、届けたい、もっと届けたいと気持ちも高まったようです。
自分たちの作ったもので、楽しんでいるカンボジアの子どもたちの様子を見て、自分たちも嬉しくなる、笑顔になる、この気持ちのつながりこそが平和をつなぐことなのだと感じました。
長い時間にもかかわらず、子どもたちは中村先生の言葉に耳を傾け、友達と語り合っていました。やはり、本物の持つ力は、人の心を動かすんだと改めて感じました。ありがとうございました。また、本校に帰って来てください。」
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なかよし学園は、共に支え合う社会をつくる人材を、グローバル規模で特別支援学校と共に育てていく

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト 代表・中村雄一 コメント
 平和は、ただ願うだけでは届きません。

誰かを思って“つくる”こと。手渡すために“届ける”こと。届いた先の声を“受け取り”、胸の奥に刻んで、
次の行動へ“つなげる”こと。――その循環の中ではじめて、平和はスローガンではなく、人生を動かす「行動」になります。

 広島市立広島特別支援学校の生徒たちは、自分たちのものづくりが、ルワンダやカンボジアで誰かの笑顔や学びを生み出し、そしてその反応が日本に戻ってくる“里帰り”を通して、世界をぐっと近くに感じています。支援される側でも、支援する側でもない。同じ地球に生きる学び手として、対等に関わり合う――その経験が、子どもたちの眼差しを変え、言葉を変え、行動を変えていきます。これは単なる支援活動ではなく、子どもたち自身が世界と関わり、社会を変える当事者になっていく教育です。

そして、この取り組みが UNESCO IEA(Inclusive Education in Action) の国際リソースベースで評価されたことは、生徒たちにとって大きな転機になりました。自分たちの歩みが、世界の教育実践として認められた――その事実が、胸を張っていい理由になり、「自分たちのやってきたことは本物なんだ」という確かな自信に変わっていったのです。綺麗事ではなく、現実の痛みや違いに触れたうえで、それでもなお、“共に支え合う”を実現できる。生徒たちは、その希望そのものになっています。

なかよし学園はこれからも、祈る平和から行動する平和へ――。

 学校現場とともに、その一歩を形にし、循環を育て、子どもたちの「できる」を世界の力へ変えてまいります。
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国際評価実績を受け、なかよし学園の活動はこれからも続く

団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
所在地:千葉県松戸市(定型表記)
代表者:中村 雄一
事業内容:教育支援・平和/防災教育、探究学習の設計運用、海外(アフリカ・中東・アジア)での教育協働

本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
Email:peace.office@nakayoshigakuen.org

プレスリリース提供:PR TIMES
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