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ICT活用進むが授業研究の課題も…デジタル教科書の討論会議

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「学びのイノベーション事業」実証研究報告
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  • 広島市立藤の木小学校の報告
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  • デジタル教科書の現状と課題
 文部科学省は6月30日、第2回「デジタル教科書」の位置づけに関する検討会議を開催した。配布資料では、総務省と連携し、1人1台の情報端末などを整備した「学びのイノベーション事業」の実証研究報告のほか、デジタル教科書の現状と課題についての資料が配布された。

 同会議は、デジタル教科書の教育的効果と制度的な位置付け、費用負担のあり方などを検討していくことを目的に設置。平成27年5月12日から平成28年12月31日まで開催される。第2回は「学びのイノベーション事業」実証研究報告、ヒアリング、自由討議などが行われた。

 会議では、平成23年~平成25年度に実施された「学びのイノベーション事業」の実証研究報告の概要についての資料が配布された。同事業は、文部科学省が総務省と連携し、1人1台の情報端末、電子黒板、無線LAN等が整備された環境で、ICTを効果的に活用し、子どもたちが主体的に学習する「新たな学び」を実証する研究を実施している。実証校は全国の小学校10校、中学校8校、特別支援学校2校の計20校。

 概要では、ICTを活用した指導方法の開発について記載されている。学習場面ごとにICT活用の類型を「一斉学習」「個別学習」「協働学習」など10通りに分類。類型を教科ごとに組み合わせ、授業展開していった事例を収録している。また、「学びのイノベーション事業」を実施した広島市立藤の木小学校の報告では、全教室に電子黒板を設置し、児童1人1人にタブレットパソコンを整備。デジタル教材(フラッシュ型教材・教師用デジタル教科書・写真等)と実物投影機との併用や、児童のタブレットパソコンの画面を電子黒板に映し、児童が書き込みながら説明するなどの連動授業も行っている。

 日常の実践として、2年生の引き算の「ひっ算」では、児童のタブレットパソコンに配布されたデジタルワークシートで計算の仕方を考える(個別学習の充実)、電子黒板を使用して自分の考えを説明する(協働学習の充実)といったデジタル学習材の作成・活用が進んでいる。今後、指導者の授業におけるICT活用指導力の向上のための研修を実施。児童には、効果のある単元のデジタル教科書を作成してカリキュラムとして位置づけるなど、デジタル学習材の系統性のある整備を行っていく。

 そのほか、検定教科書の質的向上に関する調査研究などを行う「教科書協会」が作成した資料「デジタル教科書の現状と課題」では、指導者用の活用効果として、教科書を文や問題、絵、写真、図表に分けて活用し、自由度の高い授業ができるとしている。ただし、学習者用デジタル教科書の現状として、教科書の一部であったり、教材であったりとさまざまなスタイルが混在。十分な授業研究がなされていないため、当面はトライアルな状況が続くものと記されている。

 第3回の検討会議は7月21日に開催され、関係団体等のヒアリング、自由討論が行われ、その後も月1回程度の頻度で開催される予定。
《田中志実》

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