ノーベル賞に値する研究、国内2人認定…クラリベイト引用栄誉賞

 英情報調査企業クラリベイトは2023年9月19日、ノーベル賞級の研究成果を表彰する「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」の受賞者23人を発表した。日本からは化学分野と生理学・医学分野でそれぞれ1名の研究者が選ばれた。

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柳沢正史教授(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)
  • 柳沢正史教授(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)
  • 片岡一則 (東京大学名誉教授/ナノ医療イノベーションセンター長)

 英情報調査企業クラリベイトは2023年9月19日、ノーベル賞級の研究成果を表彰する「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」の受賞者23人を発表した。日本からは化学分野と生理学・医学分野でそれぞれ1名の研究者が選ばれた。

 「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」は、世界の研究者の学術論文の被引用数の多さや「研究への貢献度」「他の賞の受賞歴」「過去のノーベル賞から予想される注目領域」などの要素を勘案し、医学・生理学、物理学、化学、経済学の4分野で評価。賞ができた2002年以降、引用栄誉賞受賞者のうち71人が、その後にノーベル賞を受賞している。

 2023年は、5か国の研究機関に所属する世界的な研究者23人が受賞。日本からは、生理学・医学分野で筑波大国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史氏、化学分野で東大名誉教授で川崎市産業振興財団副理事長・ナノ医療イノベーションセンター長の片岡一則氏がそれぞれ選ばれた。

 柳沢氏は、睡眠/覚醒の遺伝学的・生理学的研究、および重要な睡眠制御因子としてナルコレプシーの病因にも関与する「オレキシン」を発見し、「睡眠科学の幅広い分野に影響を与えていて、ナレコレプシー関連研究で大きな存在感を発揮している」と評価。片岡氏は、高分子ナノ構造体を用いる「薬物送達システム (DDS) 」を開発。現在、世界各国の研究グループへと広がりをみせており、さまざまな薬剤、タンパク質、核酸医薬、mRNA、遺伝子を体内に運び、適切に機能させるシステムへと展開されているという。

 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を過去に受賞した日本人のうち、山中伸弥氏は2012年ノーベル生理学・医学賞、中村修二氏は2014年ノーベル物理学賞、大隅良典氏は2016年ノーベル生理学・医学賞、本庶佑氏は2018年ノーベル生理学・医学賞をそれぞれ受賞している。

《川端珠紀》

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