往年の名作映画を学生はどう観た…東大・藝大・日芸・横国 etc.

映画の黄金時代に生まれた名作25作品を、1年間にわたり高品質のデジタルシステム(DCP)で連続上映する「 新・午前十時の映画祭…

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「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」/『細雪』-(C)1983 東宝、『幸福の黄色いハンカチ』「幸福の黄色いハンカチ」 監督/山田洋次(C)1977松竹株式会社、『仁義なき戦い』(C)東映
  • 「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」/『細雪』-(C)1983 東宝、『幸福の黄色いハンカチ』「幸福の黄色いハンカチ」 監督/山田洋次(C)1977松竹株式会社、『仁義なき戦い』(C)東映
  • 「第二回 新・午前十時の映画祭」上映作『オズの魔法使』 The Wizard of Oz (C) 1939 Turner Entertainment Co. A Time Warner Company. All Rights Reserved.
映画の黄金時代に生まれた名作25作品を、1年間にわたり高品質のデジタルシステム(DCP)で連続上映する「新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」。2010年のスタートから4年目、リニューアル後は第2回目となる今年から、若い世代にもっと劇場で映画に触れてもらおうと、公式学生レポーターを募集。若い世代が初めて触れた往年の名作に、続々と感動と興奮の声が集まっている。

今回、要望の多かった日本映画も初めて登場する「午前十時の映画祭」。主な客層は“リアル”世代の40~60代だが、昨年から1作品を2週間上映に延長したことから若い学生客が増加したことを受け、今年は全25作品をグループ内で鑑賞・レポートする学生レポーターを全国より大募集。当初は6グループの予定が、熱心な応募が多く、高校1校を含む12チームが参加することとなった(下記参照)。

4月10日(木)に公式サイトにアップされた4月4日~4月18日上映作品は、『オズの魔法使』(GROUP A)、『さらば、わが愛/覇王別姫』(GROUP B)、『ブラック・レイン』(GROUP C)の3作品。特に『オズの魔法使』は物心ついたときから最新VFXに親しんでいた世代には新鮮に映ったらしく、

<東京大学>
■現在上映される映画のCGや技術には敵わないが、セット、特殊メイク、特撮技術どれをとっても、私の祖母が生まれた頃のものと知って驚くべきクオリティだった。

<東京藝術大学>
■見どころは、まず、徹底した手仕事による舞台美術にある。ひとときの幻想に遊ぶ楽しみが凝縮されている。

<大阪大学>
■初めて観る方は1939年に作られたという事実に驚くであろう。

<日本大学/芸術学部>
■『オズの魔法使い』は“現実の中で夢を信じるということ”をやさしく肯定してくれる75年の時を超えてなお、ドロシーは私たちに歌いかけるのだ。

といった、CGがない時代のファンタジーに感嘆の声があがっていた。

また、チェン・カイコー監督、レスリー・チャンのカンヌ「パルムドール」受賞作『さらば、わが愛/覇王別姫』には。

<横浜国立大学>
■微妙な仕草や表情の変化でそれとなく伝える演出は、大きな画面で観てからこそ伝わるものです。色彩設計や美術も見事で視覚芸術としての映画の楽しさが十分に味わえる作品です。

<城西国際大学>
■運命に身を委ねる精神は自ら運命を切り開く西洋的な精神とは違うアジア特性の物だ。

<関西医科大学>
■悲観的な物語なのだが、それを映画館の迫力で3時間集中して向き合うからこそ、その悲劇は鑑賞し終えたときに大きな感動に代わる。東洋の神秘的で美しくも儚い世界を全身で感じてほしい。

<北海道尚志学園高校>
■後半1時間はずっと心を動かされる展開だった。

と、その高い芸術性やメッセージ性に圧倒されたよう。

そして、リドリー・スコット監督作に高倉健や松田優作ら日本人豪華キャストが参戦した『ブラック・レイン』にも。

<茨城大学映画愛好会>
■ハリウッド映画ではあるが、見どころはなんといっても日本俳優の活躍であろう。

<清泉女学院大学>
日本の映画が静だとしたら、アメリカの映画は動といえるだろう。本作はその静と動の比較も見ることができ、面白い。

<静岡大学>
■この映画を観ることは“日本人の本質”と向き合うことであると言っても過言ではないのかもしれない。今日の日本社会を生きる我々に必要なものを教えられた気分である。

と、真摯にハリウッドの中の日本を分析する。

こうした学生たちのレポートを受け、映画祭事務局は「どのチームも非常にまじめに取り組んでいて、レベルが高い。チームごとに着眼点が異なり、劇場内の様子などリポートするなど臨場感もあったりと、レビューを読むのが楽しみです」と彼らの熱意を頼もしく感じている様子だ。

学生レポートは公式サイトでも見ることができ、4月24日(木)には、4月19日~5月2日上映となる、『細雪』(GROUP A)、『仁義なき戦い』(GROUP B)、『幸福の黄色いハンカチ』(GROUP C)の日本映画3本のレポートもアップされる。

古くて新しいものに出会い、心を震わせる学生レポーターたちの感性に、あなたもぜひ触れてみて。

「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」は全国の劇場にて開催中。
<公式学生レポーター/一覧>

【GROUP A】5チーム
・ブリュクミュラー・レポート(東京藝術大学院)
・東京STEMS(東京大学)
・大阪大学映画愛好クラブ(大阪大学)
・日芸映画学科理論専攻2年有志(日本大学芸術学部)
・ヒヨシバイヤーズクラブ(慶応義塾大学)

【GROUP B】 4チーム
・Classic Cinema Paradise(関西医科大学)
・雑多庵の住人(横浜国立大学、専修大学、日本大学)
・Ass-Kicked(北海道尚志学園高等学校)
・ムービーバックパッカーズ(城西国際大学)

【GROUP C】3チーム 
・茨城大学映画愛好会(茨城大学)
・浜松映画好き小編成(静岡大学)
・現代コミュニケーションコース(清泉女学院大学) …計12チーム

東大に横国…現代の学生は“往年の名作”をどう観た? 「午前十時の映画祭」レポート

《text:cinemacafe.net》

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