高校生も激闘、いす-1グランプリ埼玉羽生大会に密着

 2018年5月に開幕した「いす-1グランプリ」2018-19シーズンの第3戦、埼玉羽生大会が2018年6月10日に開催されました。埼玉県では初の開催でした。コクヨからは2チームが参戦した熱い1日を密着取材してきました!

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熱いヤツ集まれ!/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 熱いヤツ集まれ!/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 朝一番からチームの熱い1日を記録していた黒田さん/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 嵐の前の静けさ…/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • のぼり旗の前で気合い充分のinspi北編集長/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 選手到着!Tシャツの肩にはinspiロゴも!/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 大会の拠点「羽生市民プラザ」は市民の憩いの場/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • 「羽生市民プラザ」前のステージにて オープニングセレモニーのようす/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
  • シンガーソングライター石田洋介さんが熱唱するいす-1テーマソング「Cheers! Chairs」/「いす-1グランプリ」埼玉羽生大会(2018-19シーズン 第3戦)
 事務用の椅子と己を一体化して2時間走り続ける話題のレース「いす-1グランプリ」をご存知ですか?想像しているより速い、キツい、そして熱い「いす-1グランプリ」が誕生したのは2010年、京都府京田辺市のキララ商店街でした。

 先生にも親にも誰にも怒られることなく、廊下よりも長い商店街で声援を浴びながら本気でキャスター付きの「イス」で走る…。わかりやすくてキャッチーなこの競技は瞬く間に話題となり、開催地は年々増え、2017年には年間18か所にまで開催地が拡大しました。今では台湾やマレーシア、シンガポールにまで輸出?されている日本発祥の競技です。いえ!実は世界中のあちらこちらで、職員室や保健室のあの「先生の椅子」をいつかシャーっと廊下で走らせてみたい…!と機会を狙っていた子どもたちの夢から生まれたレースかもしれません。

◆初参戦の2013年は12位…社長の「勝たなあかんで」で奮起

 「いす-1グランプリ」にコクヨが初めて参戦したのは2013年。参戦の理由にはさまざまな想いが込められています。いす-1参戦の軌跡を、コクヨ ファニチャー事業部/日本事務いすレース協会 理事 黒田真吾さんに聞きました。

 「何時間も座って仕事をする椅子の大切さや魅力をもっと知ってもらうために、下北沢で椅子の座り心地を試していただくイベントを行ったんです。『これなら疲れない』『こんなに違いがあるんだ』など、コクヨの椅子の良さを知っていただくことができて大好評だったんですが、なかなか日本各地へ広がっていかない…という悩みを抱えていました。そんなときに知ったのが2010年に京田辺市で初戦が開催された『いす-1グランプリ』だったんです。」(黒田さん)

 「椅子の魅力も伝えられるし、地域の人たちと交流もできる!これだ!と思い立ち参加を決めたものの、会社としてこういったイベントに出場した経験がなかったのでコクヨの社名を隠しながら3人集めて「チーム594」(隠れてない…?)として出場したのが2013年でした。」(黒田さん)

埼玉羽生大会で朝一番からチームの熱い1日を記録していた黒田さん

 しかし、現地に行ったところコクヨだということはすっかりバレていたそうです。ショールームにあった使っていない椅子を車に積んでレジャー気分で東京を出発して参戦したものの、3人交代で2時間走り続けるというレースはとても過酷。結果は12位と苦いデビュー戦となりました。

 「初戦の結果と面白さを伝えようと社長に報告に行ったんですが『面白いけれど、コクヨがやるなら勝たなあかんで…』と(笑)。これはやるぞ!次は勝ちに行きます!となって、社内で体力に自信のあるメンバーを探しました。」(黒田さん)

 社内で体力に自信のある人を探し、意を決してあらためて参戦した2014年、徳島の鳴門大会で見事に初優勝しました!ニュースにも取り上げられて話題になって以降、各地のメンバーを巻き込みながら継続して参戦して今に至ります。

◆朝の商店街の静けさが一変!イスとレーサーとゆるキャラが集結

 2018年のシーズンは5月に開幕したばかり。2018-19シーズン第1戦は、岡山県「岡山水島GP」で5月12日、第2戦は山形県「山形米沢GP」で5月27日に開催されました。気になるレース結果は…

第1戦「いす-1GP 岡山水島GP」結果
優勝 木津川運輸/京都府/115周(23km)
2位  日東物流/倉敷市/100周(20km)
3位  三福FC・A/倉敷市/99周(19.8km)

第2戦「いす-1GP 山形米沢大会」結果
優勝 NACいす部2軍 X/東京都/133周(26.6km)
2位  特攻野郎 Dチーム/山形県新庄市/126周(25.2km)
3位  グローバル/山形市/120周(24.0km)

 2戦終えて3位内にコクヨの名前がまだありません…!今回の埼玉羽生大会はシーズン3戦目で埼玉県では初開催。気合い充分で朝9時に到着した羽生市の中央商店街につくられたコースは、嵐の前の静けさのように黙々と準備が進んでいました。

嵐の前の静けさ…

 レーサーたちの待機場所となっている「羽生市民プラザ」に一歩足を踏み入れると、大勢のレーサーたちが順番にマシンの「車検」を行っていました。お揃いのTシャツやコスチュームに身を包み、準備運動をしながら士気を高めているようすもあちらこちらで見られました。

 レーサーの他にも可愛くて大きなゆるキャラたちも大勢集まっていました。この「羽生市民プラザ」の中には「キャラクターミュージアム」があり、「世界キャラクターサミットin羽生」も開催されていることから「いす-1グランプリ」と「ゆるキャラグランプリ」のスペシャルコラボが実現。予選前のオープニングステージでは、ゆるキャラたちと羽生市のダンスチーム「ムジナキッズ」が所狭しとひしめき合いながら「いす-1グランプリ」のテーマソング「Cheers! Chairs」に合わせて踊り、パワフルに開幕しました!羽生市長は「町が誇れる大会にしたい」と意気込みを語り、デモ走行では自ら椅子を走らせ、雨が降りそうで冷え込む商店街の空気、タイヤとコースも、ゆるキャラと一緒に温めてくれました!

「羽生市民プラザ」前のステージにて オープニングセレモニー/石田洋介さんの歌ういす-1GPテーマソング「Cheers! Chairs」に合わせて踊るムジナキッズとゆるキャラたち


羽生市の 河田晃明 市長と主催者の細谷氏がデモ走行


「いす-1グランプリ」発祥の地、京都府京田辺市キララ商店街のキャラクターキララちゃん、京都府福知山市のゴーヤ先生と羽生市の河田市長


京都府福知山市から駆け付けたゴーヤ先生もシャー!

 「いす-1グランプリ」のテーマソング「Cheers! Chairs」をオープニングセレモニーで熱唱し、圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで盛り上げるシンガーソングライターの石田洋介さんはご当地キャラソングの帝王とも呼ばれています。3年前の京田辺市のレースでこの曲をお披露目して以来参加しています。

 「この曲の振り付けは京田辺市の方々がつくってくれたんです。今回の埼玉羽生大会では地元羽生のダンスチーム『ムジナキッズ』たちが踊りたい!と言ってくれて、いっしょにパフォーマンスできました。最初に曲を作るお話をいただいた時は「いす-1」はお笑いなのかな…と想像していたんですが、実際に観戦したら本気で、クラッシュも危険で。レースの面白さもあるけれど、椅子メーカーの人から地元の消防団、高校生…いろいろな立場の人がレースに参加しているので、勝手に脳内でストーリーを考えて楽しんでいます。そういう楽しみ方ができることも魅力ですし、初めて行く場所で地元の人や食に触れ合うことも楽しみ方のひとつですね。」(石田洋介さん)

圧倒的な歌唱力でテーマソング「Cheers! Chairs」を熱唱する石田洋介さん

◆いす-1グランプリ羽生大会のルール

 「いす-1グランプリ」は、商店街に隣接する舗装された道路があれば原則としては開催可能。老若男女問わずだれでも参加できます。今回取材した埼玉羽生大会には61チームが参加。そのうち33チームは羽生市から、9チームは埼玉県内から、19チームは県外からエントリー。北は山形から南は京都まで全国各地から「熱い」チームが集まりました。大会のルールは以下の通り。

商店街に作られた200mのコースを周回
予選    …参加の61チームから代表者1名選出。30mのタイムを競う
いす-2GP …予選の下位30チームが1時間走行し周回数を競う
いす-1GP …予選の上位31チームが2時間走行し周回数を競う
※1チームは3人一組で交代可能

 ここまで読んで「わが町で開催したい!」「チームをつくって参戦したい!」と思い立った方はぜひこちらをご覧ください!

コクヨの2018年新入社員もぜひ参戦したい!と立候補!

◆30mのタイムを競う予選は圧倒的なスピード!

 予選では全61チームの代表者が30m走のタイムを競います。「いす-1」に進めるのか?「いす-2」までか…?本選出場をかけた大切なレースとあって気合十分。雨の予報も忘れて沿道には大勢の方たちが観戦していました。

車検が終了するとちゃんとシールが貼られます!カメラも取り付けているコクヨマシン

 コクヨは2チーム参加!ピンクのユニフォームが「コクヨマーケティング埼玉」、ライムグリーンのユニフォームが「チームコクヨ東京」です。

予選スタート!30mのタイムを競います!

 若さと速さを発揮したコクヨチームは「いす-1」確実!と思ったところ…記録が取れていなかったことが発覚!急いでスタート地点に戻ります!

タイムを記録できなかったというトラブルで再度走ることに!急いで戻ります!

 他のチームより1本多く走ったコクヨチームでしたが、好タイムに変化なし!なんと、コクヨマーケティング埼玉は予選一位でポールポジションを獲得しました。

速い!予選の結果コクヨの2チームの「いす-1」参戦が決定!コクヨマーケティング埼玉は1位でした。

◆雨を心配しながら「いす-2」スタート!

 地元を盛り上げるためには、若い人たちの力は必須。出場したい!という高校生チームには、コクヨでは椅子やヘルメット、サポーターなど必要なものを一式貸し出しています。今大会では、地元の羽生実業高校の生徒さんが3チームエントリー!

羽生実業高校からは3チームが参戦!


コクヨは高校生チームにはイスからヘルメットまで一式を貸し出しています!頑張れ高校生!

レース参加だけではなく、「いす-2」「いす-1」ともに周回の計測を行ってくれたのは地元の高校生ボランティアの皆さんでした。

周回計測ボランティアも地元の高校生!ジモト愛を感じます!


 羽生実業高校のチーム「Team Takeda」が「いす-2グランプリ」見事に優勝しました!(コクヨの椅子で!)

初出場で「いす-2」を制覇した羽生実業高校チーム「Team Takeda」

◆雨天決行「いす-1」熱き勝負の行方は?

 「いす-2」の1時間は観戦しながらも屈伸、アキレス腱伸ばし…しっかり調整をしていたコクヨチーム。いよいよ今シーズン初の首位とオフィス家具メーカーの意地をかけて「いす-1」に挑みます!永遠のライバル木津川運輸チームも気合い十分、準備万端です。

「いす-1」上位の常連チーム「木津川運輸」さんはコクヨの永遠のライバル!今回も京都から参戦!


2013年の初参戦からチームを牽引する黒田さんを囲み作戦会議


いくぞ!コクヨ!

◆ついに「いす-1」スタート!雨を味方に?手に汗握る熱い2時間

 ついに「いす-1」出場チーム集合のアナウンスが流れ、スタートラインに熱い31チームのトップ走者が並びました。

ポールポジションに並ぶのはコクヨと木津川運輸さん!黒田さんは撮影しながらエールをこめてハイタッチ!

 「いす-2も速かったのですがいす-1はもっと速いです!これからに2時間の熱戦がスタートします。冷えた体を羽生名物を食べて温めながら観戦してください。」という熱いようなゆるいようなアナウンスで開始されたメインレース「いす-1グランプリ」。コクヨの2チームは永遠のライバル「木津川運輸」を倒すために最初からクライマックス。飛ばしていきました!

「いす-2」よりも本当に速い「いす-1」のスタートダッシュは迫力満点!

このコーナーをいかに効率よく回るかがポイント!

 華麗な走りに惚れ惚れするほどの迫力のレース。手に汗握る最後の15分…。ついに最後の1分のカウントダウンが始まると最後の力を振り絞ってコーナーを曲がるマシンの傾きに釘付け。チェッカーフラッグが振られ、レースの終わりが告げられました。開始前は長いと思っていた2時間でしたが、あと1時間、あと30分、15分、10分と終了時間が迫ってくるにつれて応援にも熱が入り、雨も全く気になりませんでした。あまりのカッコよさと熱さに感動感涙でした!

ピット前での交代時のタッチの瞬間!


残り1分!沿道の声援もアナウンスも熱くなります!


チェッカーフラッグが振られ続々ゴール!2時間お疲れ様でした!


2時間走り切った直後、余裕の笑顔です!


終了直後のチームコクヨ東京メンバー、おつかれさまです!


 さあ…気になる結果は?

第3戦「いす-1GP 埼玉羽生大会」結果
優勝 木津川運輸/京都府/115周(23.0km)
2位  NACいす部2軍 彩/東京都/114周(22.8km)
3位  コクヨマーケティング埼玉/埼玉県/112周(22.4km)

優勝は木津川運輸さんでした!おめでとうございます!

 今回から変更したという木津川運輸さんの優勝マシン…実はコクヨでした!トップ5チーム中、4チームがコクヨのイスを使用し、速さに定評があります。

初参戦のカゴメの皆さんは、トマトの仮装と熱い走りで観客の目を釘付けに!!


2位は NACいす部2軍 彩さんでした!おめでとうございます!


3位は「コクヨマーケティング埼玉」がGET!今シーズン初の上位3位にランクイン!おめでとうございます!


レースと言えばシャンパンファイト!ならぬ“炭酸”ファイト!!


2時間走り切った「コクヨマーケティング埼玉」の皆さん、お疲れ様でした!


2時間走り切った「チームコクヨ東京」は4位入賞!

◆もっともっと開催場所を増やして日本各地を盛り上げていきたい

 京都府京田辺市から駆け付け、羽生大会を見守っていた日本事務いすレース協会の代表理事の田原剛氏に総評を聞いたところ「大成功、素晴らしい大会でした。商店街の人たち、地域の人たち、地元の高校生たちが自主的に動いて『いす-1グランプリ』がこんなに盛り上がりました。2020年には東京オリンピックもあるので、東京でも開催したいですね。」と、総評のみならず、オリンピックイヤーに向けての意気込みも聞かせてくれました。

「2020年オリンピックイヤーは東京で」日本事務いすレース協会の代表理事の田原剛さん

 「さっきピットで首を冷やしてくれたのは地元の事務機器の販売店の〇〇さんの奥さんなの?インドネシアから来ている研修生がいっしょにピットで頑張ってくれたの?とか、参戦する度にその場所の一体感に感動するんです。開催日まで何度も訪れる商店街が、当日は大勢の人が集まってくれて、応援して、お店のシャッターも開いていて、風景がまるで変わる。こういった地域の人たちのと交流や地元愛を一緒に盛り上げる機会をもっと増やしていきたい」という黒田さん。

「見慣れた商店街の風景が変わる」コクヨ ファニチャー事業部・日本事務いすレース協会 理事 黒田真吾さん

 レースの記録や成績も気になりますが、皆さんの言葉のとおり、人と人のつながりこそ「いす-1グランプリ」の魅力、熱くなる理由なのですね!2018-2019シーズンはまだ始まったばかりです!「熱いヤツ、集まれ!」 コクヨいす-1レーシング公式

主催者、羽生市長、出場レーサー、観客、ボランティア…最後は大会を盛り上げたみんなで記念撮影!

いす-1GP埼玉羽生大会に密着「イス愛・地元愛・ゆるキャラ愛」あふれる愛と情熱の1日

《田口さとみ》

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