ICU「ウクライナ学生」受入れ…国立大協・私大連は声明公表

 国際基督教大学(ICU)は2022年3月8日、ロシアの軍事侵攻を逃れるために日本へ入国し、教育の継続を希望するウクライナの大学生の受入れを行う予定であることを公表した。また、国立大学協会や日本私立大学連盟は、平和的解決が早く行われるよう声明を出した。

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 国際基督教大学(ICU)は2022年3月8日、ロシアの軍事侵攻を逃れるために日本へ入国し、教育の継続を希望するウクライナの大学生の受入れを行う予定であることを公表した。また、国立大学協会や日本私立大学連盟は、平和的解決が早く行われるよう声明を出した。

 ICUは、日本国際基督教大学財団(JICUF・在ニューヨーク)と共同して、ロシアの軍事侵攻を逃れるために日本へ入国し、教育の継続を希望するウクライナの大学生を受け入れる。ICUとJICUFは、2017年よりシリア内戦を逃れたシリア学生を支援してきた。今回も、同様の人道的精神に基づいて、ウクライナ人学生を受け入れる意志を表明。ICUでの学びを希望する学生の特定や、ICUが提供できる具体的な支援については、公的機関および民間の関連諸機関と相談のうえ行うという。

 また、東京外国語大学は3月11日、Webサイトにロシア語科・ロシア語専攻卒業生へのメッセージを掲載した。人生の一時期にロシア語を学び、ロシアの人々や文化に親しんだ経験をもつ者にとって、ロシア軍によるウクライナ侵攻は悲痛極まりない惨事であり、決して他人事ではない。卒業生にはこの戦争で傷ついた人々の苦しみに寄り添い、憎しみの連鎖を少しでも止めるために、それぞれの立場において理性と誠意をもって行動することを求めている。

 開学以来ロシア学科を設置している神戸市外国語大学は、学長メッセージを公開。ロシアおよびウクライナをはじめとする東欧諸国の大学との学生交流・研究者交流を積極的に進めていることから、武力によらない早期の平和的解決と国際交流活動の正常化を強く要請している。

 国立大学協会は、ロシア軍侵攻の即時停止と、平和的な解決を強く望む声明を公表。何よりもウクライナにおける、未来を担う子供たちをはじめとした人々の安全が確保される必要があるとしている。また、日本国内のウクライナおよびロシアからの留学生、研究者およびその家族には、今回の事態にともなうトラブルや不利益が生じないよう、心のケアも含め、適切に対応していく。

 日本私立大学連盟も、国際社会の協力によって1日も早くこの戦闘状態が終結し、人々に平穏な日常が戻ることを願う声明を公表している。さらに、ウクライナやロシアからの学生や教員への影響を大変心配すると同時に、断じてロシアの学生等に対する差別やヘイトがあってはならない。ウクライナやロシアからの学生や教員が、安心して教育研究を継続できるよう全力で努力していくという。
《田中志実》

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