企業が求める学生の資質、1位は「主体性」経団連調査

 日本経済団体連合会(経団連)は2018年4月17日、「高等教育に関するアンケート結果」を公表。企業が学生に求める資質・能力などは、文系・理系学生ともに「主体性」「実行力」「課題設定・解決能力」が上位となった。

教育・受験 その他
学生に求める資質、能力、知識(文系/理系)
  • 学生に求める資質、能力、知識(文系/理系)
  • 大学などの教育改革のうち、優先的に推進すべきと思うもの
  • 「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の認知度や評価
  • これからの大学のあり方、適正規模(賛成する施策/反対する施策)
  • 専門職大学に対する企業の期待ともっとも期待する分野
  • 高等教育費は誰が負担すべきか
  • アクセス改善を優先すべき対象者
  • アクセス改善について、産業界として主張すべき点
 日本経済団体連合会(経団連)は2018年4月17日、「高等教育に関するアンケート結果」を公表。企業が学生に求める資質・能力などは、文系・理系学生ともに「主体性」「実行力」「課題設定・解決能力」が上位となった。

 「高等教育に関するアンケート」は、経団連が今後の高等教育のあり方について提言を取りまとめるために実施されたもの。2017年12月8日~2018年2月8日の実施期間で、経団連会員企業258社、地方別経済団体に加盟する経団連非会員企業185社の計443社から回答を得た。

 「学生に求める資質、能力、知識」について、企業が「主体性」「実行力」「課題設定・解決能力」「チームワーク・協調性」「社会性」「論理的思考能力」「外国語能力」など複数項目のうちから上位5つを選択・回答したところ、文系学生・理系学生ともに「主体性」が1位となった。2位には「実行力」、3位には「課題設定・解決能力」が続いた。文理別に見ると、文系は4位「チームワーク・協調性」、5位「社会性」。理系は4位「創造力」、5位「チームワーク・協調性」が上位に入った。

 大学などの教育改革のうち、優先的に推進すべきと思うものでは、「イノベーションを起こすことができるリーダー人材育成への取組み」がもっとも多く、ついで「学力の3要素を多面的・総合的に評価できる入試の導入」、「企業と連携した実践的な教育プログラムの推進」だった。また、経団連会員企業は「日本人学生の海外留学の奨励」、非会員企業は「地域活性化を担う中核的人材を育成するための地域の大学などと地域企業との連携強化」をあげる企業が多かった。

 官民協働「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を知っている企業は37%と、6割以上の企業が認知していなかった。ただし、認知している企業160社のうち133社は、プログラムを「大いに評価する」または「評価する」と回答。「経済的な理由で留学を諦める学生を支援し、人材育成に貢献している」などの理由があがっていた。

 これからの大学のあり方、適正規模については、賛成する施策に「国立大学における機能分化を進め、大学ごとの特色を打ち出すべき」をあげる企業(243社)が多く、反対する施策には「地方大学の活性化をはかるために、都市部の大学の定員規制などを行うべき」をあげる企業(95社)が多かった。

 2019年4月より開校を予定している専門職大学には、回答企業437社のうち258社が「大いに期待する」「期待する」と回答。もっとも期待する分野は「システム・エンジニア、プログラマーなどの育成」、「情報セキュリティ人材の育成」などがあがっていた。なお、2019年開校に向けて申請が行われている専門職大学は医療・保健、介護関連が多く、経団連は企業ニーズとのミスマッチを指摘している。

 大学などへのアクセス改善についても質問。高等教育費は誰が負担すべきか尋ねると、「親など学生の保護者」41%、「国や地方自治体」31%が多い。アクセス改善を優先すべき対象者では、「学修意欲が高く、かつ能力のある人に限定して、重点的に支援すべき」が63%を占め、「学習意欲が高いすべての人を支援すべき」35%を大きく上回った。

 大学などへのアクセス改善について、産業界として主張すべき点では「成績要件をより重視すべき(奨学金・授業料減免)」がもっとも多く、236社が主張すべきとしている。非会員企業では「地方にUターン就職した場合は返済を軽減・免除するなど政策課題に対応させた補助を拡充すべき(奨学金)」といった地方創生に資する施策を求める意見が多かった。
《黄金崎綾乃》

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