テクノロジー分野のジェンダーギャップ「D&I推進レポート」

 みんなのコードは2024年3月8日、テクノロジー分野のジェンダーギャップ解消に向けた課題と、これまでの実践内容などをまとめた「D&I推進レポート」を公開した。

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D&I推進レポート~テクノロジー分野のジェンダーギャップとその取組みについて~
  • D&I推進レポート~テクノロジー分野のジェンダーギャップとその取組みについて~
  • テクノロジー分野における日本の状況
  • 国内の大学における情報系学部・学科の実態調査」(2022)
  • 2022年度 プログラミング教育・高校「情報I(」実態調査

 みんなのコードは2024年3月8日、テクノロジー分野のジェンダーギャップ解消に向けた課題と、これまでの実践内容などをまとめた「D&I推進レポート」を公開した。

 みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに2015年の設立以来、小中高校や地域において、プログラミング教育を起点に情報教育の発展に向け活動。情報教育の中でも、特にテクノロジー分野に大きなジェンダーギャップが認められるため、格差を埋める取組みを重点事項に置いている。

 世界経済フォーラムが発表した「Global Gender Gap Report 2023」によると、日本のジェンダーギャップ指数は125位と著しく低い。また内閣府の発表した「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」で、STEM分野入学者女性比率がOECD加盟国中、最下位であることが明らかとなっている。

 さらに、高等教育機関の理・工学分野においては、過去10年間で、理学部や工学部への進学を希望する女子学生比率は微増している一方で、情報系分野に関心をもつ女子学生の比率は微減。理・工学分野における女子比率にも偏りがあることがわかった。

 みんなのコードが実施した、2022年度プログラミング教育・高校「情報I」実態調査では、プログラミングの学習を継続したいかどうかという設問に、「これ以上に学びたいとは思わない」との回答が、小中高すべての学校種において女子の方が高い結果となった。特に、高校生女子は「これ以上に学びたいとは思わない」が全体の半数を超えたという。

 また、将来プログラミング関連の職に就くことを想定しているかという設問には、「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と答えた割合も、すべての学校種において女子生徒が上回った。

 みんなのコードでは調査結果を受け、小学校女性教員向けプログラミング教育の養成プログラムや、ガールズデーの開催などによる子供の居場所利用者における女子比率の改善などの事業活動を展開するとともに、組織づくりにおけるアクションを実施。組織内でビジョン・バリューのアップデートを行い、違和感をもつ・議論できる組織文化を耕し、全職員に占める女性の割合が21%(2019年)から57%(2024年)へ向上したという。

 みんなのコード代表理事の利根川裕太氏は、「子供たちが見る景色は、私たち一社だけで変えることはできません。同じビジョンを共有する教育現場、行政、学術機関、企業と連携し、その輪を広げていくことが必要であると強く感じています。ぜひ、私たちの仲間になっていただけると嬉しいです」とのコメントを寄せている。

《川端珠紀》

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