放課後を安心・安全そして有意義に…東急の学童保育KBC(前編)

 ワーキングマザーに支持されている学童保育「キッズベースキャンプ」のサービスやプログラムについて、代表取締役社長、島根太郎氏に話を聞いた。

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キッズベースキャンプ 代表取締役社長 島根太郎氏
  • キッズベースキャンプ 代表取締役社長 島根太郎氏
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 学童保育機能を備えたアフタースクール「キッズベースキャンプ(KBC)」は、エムアウトの新規事業として、2006年9月に東京・世田谷の桜新町に1号店をオープン。その後、2008年12月に東京急行電鉄の完全子会社となり、現在は東急沿線を中心に15店舗を展開している。

 従来の学童に比べて利用料金が高いにもかかわらず、ホームページの「新規出店リクエスト」ページには出店要請があとを絶たず、また未就学児童の事前登録にも多くの申し込みがあるという。ワーキングマザーに支持されているサービスやプログラムについて、キッズベースキャンプの代表取締役社長、島根太郎氏に話を聞いた。

Q.設立の経緯について教えてください。

 私自身も共働き家庭の父親でして、学童保育に通っていた小1の息子が「行きたくない」と言い出したことがきっかけでした。民間企業が学童保育に参入して15年ほど経っていましたが、公的な支援を受けているため運営に制約が大きく、イノベーション(変革)の余地がある分野だと確信しました。

 当時保育業界への新規事業参入を模索していた私は、“小学生の放課後”にフォーカスして調査を進め、30人のワーキングマザーへのインタビューを行いました。そこでわかったのが、放課後の安心・安全に対する高いニーズと、子どもをただ単に預けるだけではなく、放課後を有意義に過ごしてもらいたいという教育的なニーズでした。

 「小1の壁」にぶつかって仕事を続けられない女性がいるという実情を解決し、子どもたち自身が本当に楽しめて成長につながる、新しい学童保育を創りたいという思いから、このキッズベースキャンプを立ち上げました。

Q.保育サービスの特徴を教えてください。

 22時までの延長保育とそれに伴う食事の提供を行っています。勤務時間や勤務日が毎月変わったり、急な仕事で残業になったりする場合も柔軟に対応しますので、ワーキングマザーの方々にも安心してお子様を預けていただけます。また、保育園ではお子様が発熱するとお迎えが必要ですが、キッズベースキャンプでは保護者の方と連絡をとりながら、キッズコーチ(指導員)が付き添って近隣の医療機関へお連れします。

 送迎サービスも行っていまして、学校からキッズベースキャンプまで、キッズベースキャンプから駅または自宅までの間は、専用の送迎車または徒歩等でキッズコーチが引率します。学校は公立が対象ですが、私立へのお迎えや、習い事等で中抜けする際の送迎も、ご希望によってオプションで対応しています。さらに、入退室時刻を保護者にEメールでお知らせする「入退室管理システム」も導入し、子どもたちの安全を確保しています。

Q.プログラムにはどのようなものがありますか?

 キッズベースキャンプでは、将来子どもが社会に出て行くときに必要となる、自発性やコミュニケーション力等を備えた人間力の育成に主眼を置いています。

 プログラムは「日常プログラム」と「イベントプログラム」で構成され、日常プログラムでは、集団生活をしながら、礼儀・道徳・規律を育成します。また、キッズベースキャンプでは塾や学校と違って、知識教育は行いませんが、高学年になった時の学習エンジンとして重要な“学習習慣”については、生活習慣の一環として低学年のうちにしっかりと身につくようコーチが指導します。

 イベントプログラムは、自然や環境について考えたり、知的好奇心を伸ばすイベントを2日に1回くらいのペースで開催しています。ネイティブ講師との遊びを通じて異文化に触れる「KBCイングリッシュ」、地域のごみ清掃活動や廃材利用で環境への理解を深める「エコラボキッズ研究所」、「化学実験教室」や「クッキング」、さらにキッズコーチの個性を生かした店舗オリジナルイベント等があります。そのほかにも、長期休みを利用して、アスレチック冒険やテレビ局見学などの「お出かけイベント」、川遊びや虫取り、キャンプファイヤーなどを楽しむ「アウトドア&ツアー」等も開催しています。

 また、キャリア教育・経済教育にも力を入れており、紙芝居やビンゴ等のゲームを通して自分と社会の距離を近づける「キッズMBA」を年間を通じて行います。そしてそのゴールとなるのが、全店舗合同で開催する、「KBCタウン」です。店舗ごとにブースを出店し、子どもたちは、売り方や価格設定、宣伝方法といったマーケティングも含め、すべて自分たちでアイデアを出し合います。

 後編(4月22日公開)に続く。
《柏木由美子》

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