東京大学、日本電気、NECエンジニアリング、セルクロス、帝人の研究グループは2日、電子機器の無線LAN通信と電力供給を、一枚のシート上で実現する技術を開発したことを発表した。 この技術は、伝送シート近傍に閉じ込められた電磁波を、電子機器に装着した専用の部品(カプラ)で受けて、通信と給電を実現するもの。伝送シート上の場所を選ばすに、電子機器にマイクロ波帯の電磁波を使った高速通信と、伝送効率25%以上の給電が実現できるという。 開発した伝送シートを机の表面に設置することで、会議やオフィスにおいて、パソコンなどの機器へのコードレス給電と、他の無線LANなどとの干渉がない安定した通信を行える見込みだ。あるいは、手元照明や扇風機などをコードレスで利用しながら、複数のディスプレイとパソコンをワイヤレスで通信するといったこともできる。 なお60cm四方の伝送シートを試作し、無線LANの周波数である5GHz帯で高速通信を行いながら、2.4GHz帯で4W以上かつ伝送効率25%以上の給電が可能なことが、すでに実証されたとしている。 研究グループは今後も開発を進め、本技術の早期実用化を目指すとのこと。なお本研究グループは幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2012」において展示中だ。