【e絵本】“わたしのお話”作っちゃおう! 絵巻物えほんアプリ

 図書館や書店の絵本コーナーをのぞくと、字のまだ読めない子どもが、絵本を開いてなにやら一人、お話をしている場面に出くわすことがある。うーん、ほほえましい。

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えまきもん!びっくりたまご之巻
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 図書館や書店の絵本コーナーをのぞくと、字のまだ読めない子どもが、絵本を開いてなにやら一人、お話をしている場面に出くわすことがある。うーん、ほほえましい。

 が、本人の頭の中ではこの瞬間、かなりのクリエイティビティが発揮されているはずだと、筆者は思う。子どもは大人よりもずっと“絵を読む”ことに敏感だ。全神経を見開きに集中させて、この場面で何が起こっているかを感覚で瞬時に捉え、自分なりの解釈をつないで物語にする。頭の中がスパークするような、私的な快感……というと大げさだが、それに近い創造の喜びが溢れているのではなかろうか。

 前置きが長くなった。今回紹介するのは、そんな至福を味わえる絵本アプリ「えまきもん!びっくりたまご之巻」。iPhone/iPad対応、500円。デジタルえほんより配信中。

 「えまきもん」の名前は、“絵巻物”から。つまり、ページとページの境目がなく、スクロールして読み進めるタイプの絵本アプリである。文字はない。

 読者は、主役である「たまご」を、画面を傾けたりタップしたりして道を進ませていく。ゴールを目指すゲーム性がまず魅力だが、途中のたくさんのしかけにも注目したいところ。花に触れるとビヨーンと背伸びをしたり、土の中の恐竜の骨が音をたてたりと、細かな工夫が満載である。

 決まったストーリーがないということは、そんなディテールから、読者それぞれの物語を自由に生み出せるということ。嬉しい“スキ”を存分に準備して、この作品は私たちの頭の中の遊びを待ち構えているのだ。

 親子で読むのもいいけれど、あえて子どもだけの時に与えてみてもいいかもしれない。想像世界を駆け巡る爽快さに、小さな人たちが目覚めてくれたらと思う。
《編集部》

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