【e絵本】同音異義語で「はるがくる」…旅立ちと出会いの季節に

 季節柄、旅立ちと新たな出会いを経験する子どもたちもたくさんいるはず。今回は、これからへの期待を込めて、こちらの作品をご紹介します。「はるがくる」。

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 季節柄、旅立ちと新たな出会いを経験する子どもたちもたくさんいるはず。今回は、これからへの期待を込めて、こちらの作品をご紹介します。

 「はるがくる」。文/寺崎好美、絵/佐々木美保。iPhone/iPad対応、北海道アルバイト情報社より170円にて配信中。

 主人公の「ぼく」が語る、日常の風景で物語が進みます。おつかいの帰りにパパとアイスを買ったり、庭にならんだ洗濯物を見上げたり。どこにでもある、だけどちょっと嬉しくなる光景に、大人の顔もほころびます。

 一方で、ストーリーの中でキーとなるのが同音異義語。たとえば「かった」という動詞では、アイスを「かった」(買った)と勝負に「かった」(勝った)の2つが、文章の流れの中でうまくお話になるよう配置されます。そんな言葉の組が、ひとつの場面にひと組ずつ用意されているので、言葉の勉強にもなるのではないでしょうか。

 さて、前半で語られる「ぼく」のほのぼのした日々ですが、ある晩の「じけん」で急に空気が一変します。彼には無事、「はる」が来るのでしょうか…。このアプリには、英語バージョンも3月初めに追加されています。日本語バージョンで同音異義語だった部分が、こちらでは韻の表現に変化。ぜひ、親子でトライしてみてください。

 大人と子どものコミュニケーションツールとして、大きな広がりを見せるデジタルえほんの世界。紙の絵本とはまた違った魅力に、筆者はもはや、一瞬たりとも目が離せません。

 70作ほどのデジタルえほんを紹介してきた「e絵本」。約1年半に渡った本連載も、今回で最後を迎えることとなりました。いままで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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