国土交通省は9日、上り線の天井板崩落事故で下り線のみの仮復旧となっている中央道笹子トンネルについて、2月下旬を目標に全面復旧をめざすと発表した。上り線の緊急点検が終了し、天井板撤去作業に11日から着手できることになったためで、覆工コンクリートコア抜き試験やジェットファンの設置、コンクリート剥落対策などを順次行い、2月下旬を目標に全面開通させる。上り線の緊急点検では、崩落事故が起きた約130mの区間を除いた区間を点検した結果、天井板をつり下げるアンカーボルト計1万1613ヵ所中欠落など不具合が1028ヵ所で見つかったほか、吊り金具ボルト計1万4238ヵ所中6ヵ所で欠落などの不具合があった。崩落区間も加味すると、670ヵ所の不具合があった下り線を大幅に上回る不具合が見つかったことになる。覆工コンクリートのアンカーを跨ぐひび割れも125ヵ所で確認した。点検は、国土交通省の支持を受けて中日本高速道路が近接目視と打音、触診により行った。