全国医学部長病院長会議、東北地方の医学部新設に「反対」の姿勢

 医学部を持つ80大学から構成される全国医学部長病院長会議は2日、先月発表された東北地方における医学部新設について「遺憾」と述べた。同会議はこれまでも、医療の質の低下をきたし、将来的に医師過剰を招来させるなどを理由に医学部新設に反対してきた。

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 医学部を持つ80大学から構成される全国医学部長病院長会議は12月2日、先月発表された東北地方における医学部新設について「遺憾」と述べた。同会議はこれまでも、医療の質の低下をきたし、将来的に医師過剰を招来させるなどを理由に医学部新設に反対してきた。

 「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」は、11月29日の文部科学大臣定例記者会見において発表されたもの。震災からの復興・東北地方の医師不足・原子力事故からの再生といった要請を受け、特例として東北地方に1校に限り医学部新設を可能にする所要の手続きを進め、2015年4月の開学を目指すとしている。

 同会議は11月28日の時点でも医学部新設に反対の声明を発表していた。医学部の新設には多くの臨床医が必要であり、地域医療に影響する可能性があること、2025年には医師数が世界基準に達するため、2019年には医学部定員削減にかじを切る必要があること、過剰な医師数が医療レベルを下げることなどを理由にあげている。医師不足といわれているが、6年前から1,416人の医学部入学定員増を行っており、その効果が来年から始まる。多額の投資を行って新設しても卒業生が医師として一人前になる頃には過剰時代になるという。

 今回の「基本方針」では、同会議が主張してきた医学部新設に伴い懸念される事項に対応するため、「教員や医師、看護師の確保の際、引き抜きなどで地域医療に支障を来さない方策を講じる」「卒業生が東北地方に残り地域の医師不足解消に寄与する方策を講じる」などの4つの留意点を示している。同会議は、医学部新設構想を審査する際に確実かつ実行ある「方策」が講じられているか、厳格にチェックすることを求めるとともに、今回の「基本方針」が引き金となって、医学部新設が次々と派生してくることのないよう、関係省庁に強く要望している。
《黄金崎綾乃》

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