多摩美術大学・八王子キャンパスで6月30日、かつて同校を卒業したベテランカーデザイナーの作品展「Three~多摩美プロダクトから世界へ羽ばたいた3人展~」がスタートした。通称は「3人展」。この作品展は多摩美術大学生産デザイン学科・プロダクト研究室が主催。3人とは児玉英雄、青戸務、河岡徳彦。3人は同校の立体科(現・プロダクトデザイン専攻)を1966年に卒業した同期生。それぞれ異なった自動車メーカーに就職したが、1970年から7年間は全員がオペルのデザイン部に所属していたという仲でもある。展示の中心は、各氏がオペル在籍時に描いたスケッチやレンダリング。それ以外にも学生時代に描いたものや現在の作品などがある。また会期中は青戸・河岡の両氏が会場に滞在。思い出話だけでなく、カーデザインやプロダクトデザインについての話を聞くこともできる。初日は3人のカーデザイナー仲間や関係者が駆けつけたため、さながら同窓会のような雰囲気。しかし若手デザイナーや「デザイナーの卵」に見てもらうということが、大きな目的のひとつであることは言うまでもない。40年前のデザイン資料を見られることは、とくにプロダクトデザインを学ぶ人にとって貴重な機会といえるだろう。この作品展は八王子キャンパス(東京・八王子)の図書館アーケードギャラリーが会場で、7月4日まで開催されている。