東京都、子どもを受動喫煙から守る条例成立…H30年4月施行

 東京都議会は10月5日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」の原案を可決した。都の受動喫煙防止条例の施行は平成30年4月1日から。家庭内外において、子どもに受動喫煙をさせないよう努めなければいけない範囲や場所を定めた。

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  • 議員提出議案第17号 平成29年第3回定例会「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」(画像は一部)
 東京都議会は10月5日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」の原案を可決した。都の受動喫煙防止条例の施行は平成30年4月1日から。保護者は家庭外において受動喫煙を防止する措置が講じられていない施設などに子どもを立ち入らせないようにすることや、喫煙者が子どもの受動喫煙防止に努めなければいけない範囲や場所を定めた。

 都の受動喫煙防止条例の目的は、「子どもの生命及び健康を受動喫煙の悪影響から保護するための措置を講ずることにより、子どもの心身の健やかな成長に寄与するとともに、現在及び将来の都民の健康で快適な生活の維持を図ること」。自らの意思で受動喫煙を避けることが困難な子どもを保護するため、都民の理解関心を深めるためとしている。

 条例では、都民はまず、家庭内外のいかなる場所においても子どもに受動喫煙をさせることのないよう努めることが責務として定められた。喫煙者については、家庭内の同室だけでなく、子どもが同乗する自動車内でも喫煙しないよう努めなければならない。公共の施設だけでなく、分煙が十分でない飲食店などには、立ち入らせないことも盛り込まれた。

 ネットユーザーや各報道では、「喫煙者だけど特に反対意見はなし」「どうやって家庭内の喫煙を取り締まるの?」「ホタル族が増えるのでしょうか?東京では、子供のいる家庭での受動喫煙に対する圧力が強まりそうです(日本経済新聞 電子版 Twitter公式アカウント)」「努力義務止まりだし、店舗や公共空間での禁煙徹底が先だろうとも思う」「罰則もない、監視もできないという内容で条例にしても(意味はない)」など、東京都のみならず、全国各地から反応が寄せられている。

 なお、日本たばこ産業(JT)は9月8日、東京都子どもを受動喫煙から守る条例案に対して意見を表明している。JT意見では、子どもの定義について特定の年齢により一律に線を引くことは適当ではないことや、受動喫煙の定義から「残留するたばこの臭気その他の排泄物」の記述を削除することなどを求めた。ただし、同社も子どもを受動喫煙から守るための取組みを推進していることから、「当社といたしましても、条例案の趣旨及び目的について賛同することから、普及啓発等の施策について東京都に積極的な協力を行ってまいりたいと考えております」と述べている。
《佐藤亜希》

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