高2の進路選択、保護者「アドバイス難しい」7割

 高校生の保護者の約7割は、進路選択のアドバイスを「難しい」と感じていることが、「高校生と保護者の進路に関する意識調査2017」からわかった。また、高校生も約7割が、進路選択を考えるときの気持ちを「不安」と答えている。

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 高校生の保護者の約7割は、進路選択のアドバイスを「難しい」と感じていることが、「高校生と保護者の進路に関する意識調査2017」からわかった。また、高校生も約7割が、進路選択を考えるときの気持ちを「不安」と答えている。

 第8回「高校生と保護者の進路に関する意識調査2017」は、リクルートマーケティングパートナーズと全国高等学校PTA連合会が行った合同調査。11都道府県の公立高校27校の2年生とその保護者を対象に、全国高等学校PTA連合会が調査を依頼した。2017年9月15日~10月26日の調査期間で、高校生1,987名、保護者1,722名から回答を得た。

 子どもに進路選択のアドバイスをすることについて、保護者の19.6%が「非常に難しい」、51.9%が「やや難しい」と回答し、全体の約7割を占めた。難しいと感じた理由は、「入試制度をはじめ最新の進路情報を知らない」45.5%、「社会がどのようになっていくのか予測がつかない」43.7%が上位だった。進学にあたって保護者がもっとも重要だと思う情報は、「進学費用」55.3%、「現在の入試制度の仕組み」50.3%、「将来の職業との関連」43.8%の順に多い。

 子どもの進路選択において、保護者が行ったことがあるものでは、「将来の職業をアドバイス」60.4%、「子どもに合う分野をアドバイス」60.2%、「就職か進学かを選ぶ際にアドバイス」59.1%などがあった。

 一方、高校生に進路選択を考えるときの気持ちを尋ねると、30.4%が「不安」、41.4%が「どちらかというと不安」と回答。進路選択で保護者にやめてほしいことは「望みを高く持ちすぎないでほしい」30.7%、「勉強や成績の話ばかりするのはやめてほしい」30.0%などが多い。保護者にしてほしいことでは、「私の考えを尊重する」34.8%がもっとも多かった。

 保護者に就いてほしいと思う職業を質問すると、男子の保護者は「公務員」、女子の保護者は「看護師」が1位だった。「公務員」は女子でも2位のため、男女合計では保護者がもっとも望む職業となっている。なお、ここでの「公務員」は、国家・地方公務員や警察・消防・自衛官の合計を示す。

 保護者が公務員を回答した理由では、「安定した職業であり、国や地方が潰れることは滅多にないので」「給料や休暇が安定しているから」などがあった。看護師を回答した理由では「女性に強い職種でやりがいもあるので」などがあがっていた。

 高校生が就きたい職業を質問すると、男子は「公務員」、女子は「看護師」が1位。保護者の回答と同じ結果となった。ただし、2位からの順位は異なり、男子は保護者回答で5位だった「製造業(自動車・造船など)」が、女子は保護者回答で6位と7位だった「教師」「保育士・幼稚園教諭・幼児保育関連」が2位。男女合計では保護者回答で5位だった「教師」が、2位の「公務員」を僅差で上回り1位になっている。

 その理由では、「多くの先生を見てきて、教師という職業に興味を持つようになり、また、生徒に教えることは大変でも、やりがいのあることに思えたから」「安定した職につきたいから。憧れがあるから」などがあった。

 このほか、将来必要な力と現在持っている力のギャップ、将来のAIの影響などについても質問を実施。また、2013年調査・2015年調査と比較している項目もある。調査結果は、リクルートマーケティングパートナーズのWebサイトに掲載されている。
《黄金崎綾乃》

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