進学費用捻出のポイント3…返済も視野に賢く利用、奨学金を知ろう

 どの奨学金を、どのように使うか。そして、貸与型は返済プランを考慮したうえで賢く利用したい。アローコーポレーション企画・編集・発行「大学選びの新常識 2019年度版」より、高校生・受験生の親に役立つ「進学費用捻出のポイント」を紹介する。

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進学費用捻出のポイント3…返済も視野に賢く利用、奨学金を知ろう
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 受験生をもつ親にとって、進学費用捻出は悩みの種のひとつ。「大学進学にかかるお金」は初年度納入金だけではない。それ以外にも予備校や模試受験料、オープンキャンパスの見学費用など、細々とした費用が意外にかかるもの。どの奨学金を、どのように使うか。そして、貸与型は返済プランを考慮したうえで賢く利用したい。

 アローコーポレーション企画・編集・発行「大学選びの新常識 2019年度版」より、高校生・受験生の親に役立つ「進学費用捻出のポイント」を紹介する。



返済プランを練って賢く利用したい「貸与型」



 大学進学費用は奨学金制度を利用するという家庭も増えています。大学にかかる費用はなるべく奨学金でまかない、卒業後、自分で返していくという方法は、今の時代の理にかなっているともいえるでしょう。

  奨学金には「貸与型」と「給付型」の2種類があります。貸与型のなかでも人気なのが、低利で借りられる日本学生支援機構の奨学金です(図1)。「第一種」は無利息で借りられ、「第二種」は年3%を上限として利息が発生します。いずれも高校時代の成績や家計の所得に関する条件があり、審査を通過しなければ利用できません。ただし、第一種の審査に落ちても、第二種を受けられるということもありますから、申し込みの際は「併用」にしておくといいでしょう。

 申し込み方法には「予約採用」と「在学採用」があります。「予約採用」は高校3年の4~6月末までに、在学する高校を通じて申請を行います。初回の受け取りは大学入学後の6月になります(4・5月分を含む)。また、第二種に限り、10月と12月にも募集が行われます。ただし、毎年制度内容は変わるので、日本学生支援機構のホームページをチェックして、在学する高校に相談してください。一方、「在学採用」は入学した大学で申請し、初回の振り込みは7月頃になります。いずれの方法で申し込んだとしても受け取りは入学後となりますから、初年度納付金としては利用できないことに注意が必要です。

 さらに、日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」を利用するという選択肢もあります。一人につき最大350万円の融資が受けられ、100万、200万といった金額を一括で受け取ることができます(図2)。奨学金と異なり、入学前の受け取りが可能ですから、初年度納付金にも充てられます。ただし、審査に10日程度、振り込みまでにさらに10日ほどかかります。申請が相次ぐ受験シーズンには時間がかかる傾向にありますから、余裕を持って申請しましょう。申し込みは全国152の支店のほか、最寄りの銀行や信用金庫でも行えます。

  奨学金を利用する際のポイントは、想定外の出費で足りなくなるという事態を避けるためにも、多めに借りること。余剰分は貯金をして、2年目に減額申請をすればいいでしょう。

 ただし、「貸与型」の奨学金はいわゆる借金です。例えば、月額10万円の有利子奨学金を4年間借りた場合、総額480万円の借金になります。卒業後20年に渡り、毎月2万円ほどを返済し続けることになります。さらに滞納すれば延滞金が加算され、未納が続くとローンやクレジットカードの審査で不利にもなります。そういった事情も考えて、毎月しっかり返済できるよう、子どもと一緒に返済プランを練っておきましょう。

大学独自の「給付型」 奨学金がオススメ



 大学や自治体が独自に提供する奨学金もあります(図3・4)。受験生確保を狙って、返済の必要がない給付型の奨学金を整備する大学も増えています。代表的なものが、入学試験での成績上位者に対して入学金や授業料の一部または全額を免除、給付する「特待生制度」でしょう。他にも、家計の困窮を支援するものや、スポーツ、音楽・芸術活動を特技とする学生向けのものなど、多彩な奨学金制度が用意されています。上手に使えば国立大並の学費になる場合もありますから見逃せません。

  また、オープンキャンパスでは大学案内に記載されていない奨学金の条件や選考基準といった情報も得られますから、気になる大学には足を運んでみるといいでしょう

高校生・受験生のお母さんお助けBOOK 大学選びの新常識 2019年度版 (講談社 Mook(J))

発行:講談社
編集:アローコーポレーション
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<協力:アローコーポレーション>
《編集部》

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