映画『アンネ・フランクと旅する日記』(原題:Where Is Anne Frank)が、3月11日よりTOHO シネマズ シャンテほかにて全国公開される。このたび、アニメーションだからこそ可能にした新たなアプローチで青春を鮮やかに駆け抜けたふたりの少女を描く、本作の場面写真が一挙に公開された。
『アンネの日記』とは、第二次世界大戦下を生きたユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクが、“空想の友達”キティー宛に綴っていた日記を指す。1947年、アウシュヴィッツを生き延びたアンネの父によって初出版され、2009年にはユネスコの「世界記憶遺産」に登録。「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊に挙げられた。
これまで幾度となく映像、舞台化されてきたが、『アンネ・フランクと旅する日記』はアニメーションでしか表現し得ないアプローチで、アンネ・フランクの生涯を“空想の友達”キティーの視点でたどっていく映画となる。
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このたび公開された場面写真は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下の中を生きるアンネ・フランクと、時空を超えて現代のアムステルダムにやってきたアンネの“空想の友達”キティーが、それぞれの時代の中で映し出されるもの。
現代のキティーは、ライダースジャケットにキャップと今風の服を身にまとい、凍った川をスケートで走り滑る。学校で人気者のアンネは、大勢のクラスメイトを引き連れて、まるでパレードのように街を歩く。
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アリ・フォルマン監督は「現代のアムステルダムをモノクロームの色調で、アンネの目を通して見た過去は豊かでビビッド、そしてカラフルに描くこと。それがこの映画のガイドラインになった」とコメント。多くの戦争映画が用いる色彩設計とは、真逆のことを試みたことを語っている。そんな本作の世界観は「僕らは制限することなく、色をたくさん使用した。とりわけ、アンネの空想や夢を表現するシーンはね」との想いで構築したそうだ。
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そのほかにも、アンネが初恋の相手のペーターと隠れ家で過ごす様子や、ペーターと同じ名前を持つ少年と出会ったキティーが一緒に旅をする様子などが切り取られ、対照的に描かれる。
また、ナチスが支配するおどろおどろしい街の様子も、アニメーションだからこそできる表現手法だろう。鎧をまとった悪の権化「SS装甲集団」の威圧感などは、当時の人々の恐怖をそのまま体感させられるようなものとなった。
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映画『アンネ・フランクと旅する日記』は、2022年3月11日(金)より TOHO シネマズ シャンテ他全国公開される。
原案:「アンネの日記」(ユネスコ「世界記憶遺産」2009 年登録)
協力:アンネ・フランク基金
監督・脚本:アリ・フォルマン(『戦場でワルツを』)
声の出演:ルビー・ストークス/エミリー・キャリー
2021 年/ベルギー・フランス・ルクセンブルク・オランダ・イスラエル/英語/99 分/ビスタサイズ/5.1ch
原題:Where Is Anne Frank/日本語字幕:松浦美奈/映倫:G
後援:オランダ王国大使館/イスラエル大使館
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND