大阪駅からも京都駅からも約20分という好立地の立命館大学「大阪いばらきキャンパス(OIC)」。A棟からH棟まである広大なキャンパスでは、「アジアのゲートウェイ」「都市共創」「地域・社会連携」の3つの教学コンセプトのもと、経営学部、政策科学部、総合心理学部、グローバル教養学部、映像学部、情報理工学部の6学部と、大学院である7つの研究科で学生が学んでいる。
キャンパスには門や塀がなく、文字どおり地域や社会とシームレスにつながるOICに2024年度、新棟(H棟)が完成し、「TRY FIELD」の運用が開始された。「訪れるすべての人がTRYできる場所」をコンセプトに、多様な人々とつながりあうことで、安心して挑戦と失敗を繰り返しながら、未来を自由に創り出していける環境の中で、学生たちが学び成長していくことを目指している。
「TRY FIELD」を、政策科学部4回生のマサオカさん、経営学部2回生のイトウさん、映像学部2回生のワダさんのガイドで巡った。
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コンセプトは「訪れるすべての人がTRYできる場所」
はみ出しOKの開かれた研究室
デモストリート
H棟の9階から5階までは、まっすぐ伸びた廊下に情報理工学部・研究科の研究室が並ぶ。研究室というと閉じられた空間というイメージがあるが、廊下側も大きなガラス窓で開放的だ。
さらに、「デモストリート」とよばれる、広い廊下と壁沿いの展示物や実験装置が目を引く。研究室壁面から約1メートルのエリアは、室内からはみだし出しOKというルールで、各研究室が取り組んでいる内容を知ることができる。デモストリートは、学生であれば誰でも通ることができ、3回生の秋学期より所属する研究室について、新入生のころから考えられる環境が整う。
さらに、異なる研究室の学生が、お互いの研究を理解することで、イノベーションの促進にも期待がもてる。
なお、高い天井はむき出しになっており、今後、各研究室がセンサー等を設置するなど、デモストリート自体を実験の場として活用することも予定されている。
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社会と繋がり課題を解決
Co-Creation Hub with Ritsumeikan
地域、企業、自治体などの共創パートナーと、学生や教職員がともに社会課題の解決に取り組む拠点「Co-Creation Hub with Ritsumeikan」は、共創パートナーが入居するプロジェクトルームや、フリーアドレスエリアなどからなる広々とした空間だ。学生が多様な共創パートナーと連携し、プロジェクトを立ち上げることも期待されている。
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多様な自習スペース
Connected Learning Commons
「Connected Learning Commons(CLC)」には、集中して自学自習したり、グループワークやディスカッションをしたりと目的にあわせて選べる3パターンの自習スペースが約500席用意されている。電源も設置されていて、多くの学生がパソコンを利用していた。CLCは教室に囲われるように設置されており、教室で授業を受けた後に、CLCでオンライン授業を受けるといった利用も可能だ。
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誰でも自由に使えるプロ仕様の映像スタジオ
LIVE STREAMING STUDIO
大きなグリーンバックが一際目を引く「LIVE STREAMING STUDIO(LIST)」では、映像コンテンツの制作や配信を行うことができる。施設内にはグリーンバック以外にも、カメラ、照明、スイッチャーなどプロ仕様の機材が整備されており、本格的な映像制作が行えそうだ。
デジタルネイティブな学生にとって非常に魅力的な施設だが、予約すれば、誰でも自由に利用できる。また、利用法がわからない場合は、学生同士で教えあえる仕組みがあるのだという。
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国内教育機関で唯一
Microsoft Base Ritsumeikan
「Microsoft Base」は、マイクロソフトがデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援するために全国で展開する新たな取組みで、教育機関内では唯一、立命館大学大阪いばらきキャンパスに設置されている。
「Microsoft Base Ritsumeikan」は、「イベント・セミナー」「個別相談/技術者相談」「コワーク/自学自習」などのための施設で、スタートアップを目指す学生向けのセミナーも開催されている。「個別相談」では、パソコンやアプリの使い方からキャリアに関する内容までさまざまな相談に対応し、たとえば「起業するためのアイデア出しや壁打ちがしたい」「資格の種類と取得のためのロードマップが知りたい」などといった相談が寄せられているという。
ここでは、「マイクロソフト認定資格」のトレーニングも行っていおり、将来役に立つ、マイクロソフト製品に対する知識や技術をもつ個人を認定する世界共通のプログラムに挑戦することもできる。
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5つの店舗が入る
OIC Food Park
大型モニターとカラフルな椅子が特徴的なOIC Food Parkには、5つの店舗が入っていて、カレーやオムライス、パスタ、クレープなど多様なメニューから選ぶことができる。注文方法は「学食アプリ」からのモバイルオーダーで、キャッシュレスに対応、仕送り機能もついているという。ワダさんはキーマカレー、イトウさんはカオマンガイ、マサオカさんは生麺のパスタ系がお勧めとのこと。OIC Food Parkは、貸切で学会発表などに使うことも可能だ。
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OICでは新棟以外にも、OIC Cafeteria、みなめんcafe、スターバックスコーヒーなどのレストランやカフェがある。ちなみに、みなめんcafeのラーメンは、ガイドの学生3人とも美味しいと話していた。
社会に広がる教室
Learning Infinity Hall
オンライン会議システムのようなブースが多数並ぶようすが圧巻の「Learning Infinity Hall」は、新棟「TRY FIELD」のなかでもっともユニークな教室と言えそうだ。ここでは、キャンパスにいながらにして、場所を問わず、企業、自治体、専門家といったさまざまな接続先の方々と、対話型の授業を行うことができる。もちろん、海外と繋ぐことも可能だ。
単にオンラインミーティングをするだけでなく、教室内の各ブースを繋ぎ、協働的な学びを行うこともできる。たとえば、行政の課題解決をテーマに、ブースごとに異なる市の職員の方と対話を行い、その後、各ブースを繋ぎ、ディスカッションして学びを深めるような授業が行える。
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固定観念に縛られず進化を続ける立命館大学
キャンパスツアーでは、学生たちが恵まれた環境を理解し、充実した施設を最大限に活用しようとするようすが伺えた。ガイドの3名の学生に、なぜ立命館に進学したのか、そしてOICでどのように学んでいるのか、話を聞いた。
学生の皆さん
マサオカさん 政策科学部4回生
イトウさん 経営学部2回生
ワダさん 映像学部2回生
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--キャンパスツアーありがとうございました。まず、立命館大学に進学した理由を教えてください。
マサオカさん:私は、政策科学部という学部があったことが決め手です。高校生のときから環境問題に興味があり、研究したいと思っていました。政治や政策、法律など多角的な視点で環境問題を解決できたら良いと考えていたときに、立命館大学に政策科学部という面白い学部があることを知って、志望しました。
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イトウさん:自分は、高校生のときに特別聴講生として地元の大学のゼミに入らせていただきました。そのときにお世話になった教授から「立命館大学には挑戦する場がある」という話を伺い、立命館大学を志望しました。また、自分は関東出身なのですが、大学の学び以外にも、親元を離れ生活面や人間性の部分でも成長したいと考え、関西の大学を選びました。
ワダさん:私は、映像関係の仕事につきたいというのがいちばんの動機です。立命館大学の映像学部では、「映像芸術」「ゲーム・エンターテインメント」「クリエイティブテクノロジー」「映像マネジメント」「社会映像」といった5つの学びのゾーンを満遍なく学べることが魅力です。また、高校で吹奏楽をやっていましたが、強豪である立命館大学の吹奏楽部で続けられるということも志望理由のひとつです。
--大阪いばらきキャンパス、そして「TRY FIELD」のお勧めポイントを教えてください。
ワダさん:なんといっても綺麗なところです。新棟(H棟)はガラス張りの教室が多く、たとえばデモストリートでは研究室のようすも見られるため、専門的に学んでいる方たちから刺激を受けながら学べることも良い点です。地域と連携していて、塀もなく隣接している岩倉公園に地域の方がいらっしゃる環境も気に入っています。
イトウさん:門や塀がなく、地域に馴染みながら大学として機能している点は本当に良いと思います。地域の方々と交流する機会もあり、社会との境界線のない大学というところも魅力です。
マサオカさん:言われてしまいましたが(笑)とにかく新しくて綺麗。地域と関わって学ぶことができるキャンパスで、たいへん環境が整っています。新しい学びを創出していることはもちろんですが、シンプルに新しく充実した施設が整い、学生が学びやすいと思います。
立地的にも、梅田に近くて便利です。そのうえ、便利なシャトルバスが運行していて、大阪いばらきキャンパス(OIC)、衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス(BKC)の3つのキャンパス間を結んでいます。片道150円で利用でき、シャトルバスを利用して他学部の授業を受けることもできます。
ワダさん:1回生のときは吹奏楽部の練習で、毎日シャトルバスを利用して、衣笠キャンパスからOICに通っていました。とても便利でした。
--立命館大学の印象で、入学前後で変わったことはありますか。
イトウさん:大阪にキャンパスがあるので、キラキラして大学生活を謳歌している方が多いのではと思っていましたが、良い意味で裏切られました(笑)。入学してみると、目標をもって学んでいる学生が多いという印象です。
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ワダさん:高校での勉強とはまったく違って、大学ではどのように学べば良いのか不安でした。でも、立命館大学は、入学時に明確な目標がなくても、さまざまなことを体験しながら、自分のやりたいことを見つけていける環境だと思います。
マサオカさん:立命館大学は格式と伝統があり保守的な大学だと思っていたのですが、実際は「挑戦」を学園ビジョンに掲げ、実現している大学です。学生への支援、起業支援が充実していて、たとえば、海外留学に行かなくても学内で留学生と繋げてくれるプログラムがあります。学生の挑戦を支えてくれる仕組みが充実していて、良い意味で印象が変わりました。時代にあわせて、固定観念に縛られず進化している大学だと思います。
また、新入生の大学生活をさまざまな面からサポートする、2回生以上の学生で組織されている「オリター(エンター)」などの学生団体もあり、大学のみならず、学生が学生を支える制度があるのも立命館の良さだと思います。
--最後に、未来の後輩たちにメッセージをお願いします。
マサオカさん:立命館大学を検討されている皆さん、受験勉強は大変だと思います。大学入学はゴールでなくスタートだと思います。なので、大学生活や大学生になった自分をイメージしながら受験勉強をすると良いと思います。その中で立命館大学が志望校になったら嬉しいです。頑張ってください。
イトウさん:大学入学前に将来やりたいことが明確に決まっている人は少ないと思いますが、立命館大学には多くの学部があるので、興味のもてる学部が見つかると思います。特にこの大阪いばらきキャンパスでは先進的な取組みを進めているので、やりたいことがなくても、この環境に身を置きながら目標を見つけることもできると思います。立命館大学を目指してもらえたら嬉しいです。
ワダさん:私が中高生のときは、大学での学びが想像できず不安でしたが、入学してみると、学べる環境が整っていて、充実した生活が送れています。入学後の成長や楽しいことを想像しながら、勉強を頑張ってください。ぜひ、立命館大学で一緒に学びましょう。
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全員: 立命館大学で待っています!
--ありがとうございました。
マサオカさん、イトウさん、ワダさんが口を揃えて言うように、OIC「TRY FIELD」の施設の充実ぶりには目を見張るものがある。そして、キャンパスには、この恵まれた環境をぞんぶんに活用している多くの学生の姿があった。立命館という伝統校で、挑戦と失敗を繰り返しながら成長していく学生たちの将来が楽しみな、そんな取材だった。社会に開かれているOIC、高校生や保護者は、大学の日常を見学に訪れてみてはいかがだろうか。
立命館大学Webサイト