日本女子大学は、ニュージーランドの国立5大学との派遣留学に関する大学間協定を締結する。協定締結時期は、2025年3月から4月を予定。締結時期は大学により異なる。
ニュージーランドは、女性の社会進出が進み、多様性に富んだ社会が形成されている国であり、治安が良く、費用面でも留学しやすい環境が整っている。同協定により、特色ある専門分野を有するニュージーランドの国立5大学への留学が可能となる。また、今回の協定では語学留学から学部留学へ移行できるブリッジ型プログラムを同大学の協定大学留学として初めて導入し、語学力に不安のある学生も安心して留学に挑戦できる環境を整えた。
同協定は、学生が自然豊かな環境、歴史ある街並み、先住民の文化が息づく多様な地域で、自らが学びたい場所、学びたい分野を選び、語学の壁を乗り越えて挑戦できる機会を提供する。日本女子大学は、グローバルな視野を持ち国際社会で活躍できる学生の育成を目指す。
ニュージーランドは、女性の社会進出が進み、ウェルビーイング(心身の健康と充実)を重視する文化があり、幸福度の高い国の1つとして知られている。女性の大学進学率が90%を超え、過去にはジャシンダ・アーダーン氏をはじめ、複数の女性が首相を務めるなど、ジェンダー平等の意識が高い社会だ。コロナ禍を経て海外留学の道が再び開かれた一方で、円安や物価高の影響により、アメリカやイギリスなどへの留学費用は高騰し、多くの学生にとって負担が大きくなっている。その中で、ニュージーランドは比較的その影響が少なく、費用を抑えながら質の高い教育が受けられる留学先として魅力が高まっている。
今回協定を締結する個性豊かな5つの国立大学は、オークランド大学、オタゴ大学、マッセイ大学、リンカーン大学、ワイカト大学である。オークランド大学は、ニュージーランドの経済と文化の中心地であるオークランドにキャンパスを持ち、幅広い専門分野と大規模な研究所を擁している。オタゴ大学は、ニュージーランドでもっとも歴史のある大学で、環境保護、ジェンダー平等、多様性への取組みでも国際的に高い評価を得ている。マッセイ大学は、ニュージーランド北島に3つのキャンパスを有し、芸術とデザイン、農学、獣医学、開発学、コミュニケーション学、メディア学に強みを持つ。リンカーン大学は、農業や土地資源に関する分野の実績が高く評価されており、食やワイン、ビールの醸造学や経営学、観光学など9つの専門分野を学ぶことができる。ワイカト大学は、環境科学、持続可能な開発、先住民研究などに強みを持ち、少人数制クラスで協力し合いながら学ぶ環境が整っている。
今回の協定では、ニュージーランドの5大学が持つ多様な専門分野から自分に合ったコースを選択できるようになる。さらに同大学の協定大学留学では初となる語学留学を経て学部留学へ移行できるブリッジ型プログラムを導入することにより、語学に不安のある学生も現地で語学力を強化した後、安心して学部留学へと進み専門分野を学ぶことが可能となり、留学の選択肢が広がる。
日本女子大学の篠原聡子学長は、「日本女子大学では、国際的な舞台で活躍するための大きな一歩となり、グローバルな視野を養う機会をさまざまに提供し、学生が世界に羽ばたくための第一歩を踏み出して、国際的社会でリーダーシップを発揮できる人材として成長していくよう努めています。今回のニュージーランドの国立5大学との派遣留学協定により、学生たちにとっては語学力や経済的な面でのハードルが軽減され、留学に挑戦しやすくなることを期待します」と述べている。
協定締結時期は2025年3月から4月を予定しており、締結時期は大学により異なる。
ニュージーランドの5大学との協定締結を記念して、特別イベント「New Zealand Day」を実施する。在学生、附属校園生だけでなく、保護者などだれでも参加できるイベント。エデュケーション・ニュージーランドとニュージーランド航空にも協力を得て、5大学への留学に関する情報共有や、ニュージーランドとの縁が深いアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里氏のトークショーを予定している。開催日は5月29日、開催時間は午後1時30分から4時、場所は日本女子大学目白キャンパス。詳細は決まり次第、Webページで案内される。
日本女子大学では、学部生を対象に在学中に1学年相当まで留学ができる「協定大学留学」と「認定大学留学」の2種類の留学制度を設けている。アメリカのセブンシスターズと呼ばれる名門女子大学のウェルズリー・カレッジやマウント・ホリヨーク・カレッジを始め、世界的にも教育・研究活動で評価の高い大学と締結している。
同大学が認める留学は、大学の学修の延長として専門科目の一部を外国で学ぶことや異文化でのコミュニケーションを体得することに主眼が置かれている。また、同大学では留学学生の経済的負担を軽減するため独自の奨学金制度を設けて、より多くの学生が積極的に留学できるよう支援している。留学だけでなく長期休暇中には、同大学教員によって企画される大学公認の海外短期研修も世界各国で実施されている。外国人留学生の受け入れでは、例年約50名の留学生(正規生[学部・大学院]、交換・短期留学生等)が在学しており、日本人学生や卒業生、附属校園の園児、児童および生徒とのさまざまな交流の機会を設けている。