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理系人材と企業・研究室をつなぎ、研究エンパワープラットフォームを形成する株式会社LabBase(東京都港区、代表取締役CEO:加茂倫明、以下「LabBase」)は、一橋大学イノベーション研究センター准教授 吉岡徹氏と、文部科学省 科学技術・学術政策局 人材政策課 人材政策推進室長 高見暁子氏を迎え、国家としても課題視されている博士人材の企業における活用促進および進学率向上に関するメディア向けラウンドテーブルを、2025年3月27日(金)に東京で開催しました。
当ラウンドテーブルでは、現在社会的に課題視されている博士人材の育成および産業界でのキャリアパス拡充を推進するため、現状の共有と、各関係者がどのように貢献すべきかについて、登壇者からの課題提起と対策提言、パネルディスカッション、ならびに記者の皆様からの質疑応答が行われました。
当日の講演の一部をご紹介します。
<登壇者>
文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課人材政策推進室長 高見 暁子氏
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2002(平成14)年に文部科学省に入省し、初等中等教育(海外子女教育、義務教育制度、教科書検定)・高等教育(留学生支援、奨学金)・生涯学習(障害者の生涯学習推進)のフィールドや文化庁(著作権)、内閣官房(世界遺産登録等に向けたタスクフォース)などを経て、現職。科学技術イノベーションを牽引する博士人材の育成と、産業界をはじめとした社会の幅広いフィールドでの活躍促進を推進し、2024年3月に文部科学省が公表した「博士人材活躍プラン」の取りまとめに尽力。博士人材が真に活躍する日本になれば研究力は回復する!と、日々業務に邁進。
一橋大学イノベーション研究センター准教授 一橋大学大学院経営管理研究科・准教授 吉岡 徹氏
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技術経営、科学技術政策を専門とし、知的財産マネジメント、知的財産政策に関する実証研究を行う。主たる関心は、デザインを中心とした知的財産のマネジメント、産学連携・大学の研究活動のマネジメント、博士人材政策。著書に『イノベーション&マーケティングの経済学』(中央経済社)。三菱総合研究所、東京大学大学院工学系研究科特任助教を経て2019年より一橋大学イノベーション研究センター勤務、2024年より現職。
株式会社LabBase 代表取締役CEO 加茂 倫明
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1994年京都生まれ。東京大学理科二類入学後、研究領域の課題を目の当たりにし、国内外のベンチャー数社での長期インターンを経験後、東京大学工学部在学中の2016年に株式会社LabBase(旧POL)を創業。「研究の力を、人類の力に。」をパーパスに掲げ、科学と社会の発展に世界で最も貢献する会社を目指している。「LabBase就職」「LabBase転職」など、理系学生/研究者/技術者に特化したジョブマッチング課題の解決に目下注力。
北陸先端科学技術大学院大学 産学官連携客員准教授。
<開催概要>
開催日時:2025年3月27日(木) 14時~16時 於 : WeWork 日比谷 FORT TOWER
博士は科学技術イノベーションに不可欠な存在です。しかし、日本の博士人材は国際的に見て対人口比率が低く、博士後期課程への進学率もわずか1%台だといわれます。背景には、博士課程に進み研究を続ける間の経済的な不安や、博士課程修了後のキャリアの不透明さから、多くの学生が博士進学をためらってしまうことがあります。しかし、産業や人類の生命維持など、様々な分野において発展をもたらす博士を増やし、研究や発明を推進してもらうことは国力に直結します。
文部科学省が2024年に発表した「博士人材活躍プラン」に基づいて、産学官が連携して博士人材の育成・活用のあり方を見直す動きが加速しています。
「国家の博士人材活躍プランの展望」 (文部科学省 高見氏)
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SPRING事業(*)もあって、博士課程への入学者数は改善傾向にあり、また、SPRING採択校では博士後期課程修了者の就職率が全国平均+10pt高まっているとの報告もなされました。
*SPRING事業:文部科学省が大学に助成し、博士課程の学生に年間180万~240万円の生活費支援やキャリアパス整備などを行うプログラム。経済的負担を軽減し、優秀な学生が研究に専念できる環境を整えることで、博士進学を促進することを目指します。
「「博士=アカデミアの研究者」の固定観念から脱却し、産業界・官公庁・国際機関など多様な進路で活躍できるルートを提示できる制度設計を重視しています。博士人材の活躍像を示すイベント『未来の博士フェス』も継続開催し、企業と学生のマッチング機会の創出にも注力しています。
ストレート進学してきた学生、社会人学生、留学生で、それぞれを増やしていくための対策を考えたいと思っています。ストレート学生には経済的支援を引き続き行っていくことが重要だと思いますし、社会人学生を増やすには博士課程で学び直しやすくするための社会の理解増進、博士後期課程の修了を早める早期履修制度の活用が有効だと思います。そのためには、大学において、社会人として経験してきたことを博士課程の一環として評価することも進めていくことが重要です。留学生の増加には、大学と修了後に就職する企業における、言語をはじめとした国際化の推進が有効なのではないでしょうか。
国として、この3月に「博士人材の民間企業における活躍促進にむけたガイドブック」「企業で活躍する博士人材ロールモデル事例集」「博士人材ファクトブック」の3点セットを公表しました。今後、これらを活用して、企業や大学、学生の皆さんに対してアプローチしていきたいと考えています。
令和7年度も歩みを止めずに、博士人材の活躍促進に向けて次なる一手を講じていきたいと思っています。博士人材が民間でも活躍できる“輝く未来”を示すことが、博士課程への進学率・社会的認知を高める第一歩だと思っています。」(高見氏)
「博士人材に、いかにビジネスの場で活躍してもらうか」(一橋大学 吉岡氏)
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企業に就業した博士人材の職務満足度は現状も決して低くないそうです。博士人材の職務満足度を左右するのは、企業の待遇よりも“研究内容との関連性”で、自身の研究してきた分野が活きる職務に就くことが就業満足度につながると説明しました。また、その人材の「トランスファラブルスキル(対人力、課題発見力、狭い範囲に拘泥せず、応用を利かせて自身の研究を職務に活かすピボット力)」が、特に職務満足度を大きく左右するということです。
また、ジェネラリストが求められがちな大手企業において専門分野に突出している博士人材が、評価されづらい、周囲が“博士修了人材は扱いづらい”というバイアスを持ちがちであると指摘。しかも、日本企業のイノベーション投資が減少傾向にあるせいで、イノベーティブな発想ができる博士人材を活かせる環境が少ないことが博士に対するバイアスを強める傾向に陥っている可能性があると述べました。企業がイノベーションに積極投資することで博士の活躍の場も拡大、博士がイノベーションを牽引するという好循環に変革できる可能性も示唆しました。
「海外のイノベーティブ企業ではむしろ、ドクターホルダーでないと第一線のビジネスの交渉の場に立てないような状況も生まれている。常識を疑って現状を改善したり新規ビジネスを生む人材を企業が登用できないままでは、国際競争にも勝てないと思います。ビジネス界ではMBAホルダーが高く評価されていますが、博士も同様に、イノベーティブなビジネスが解る人材としての活躍の場が創られていくのが理想的です。
博士の研究という専門領域に、さらに起業、マネジメント、人事、異業種転職など、新たな役割やキャリアを掛け合わせることで、多くの活躍人材が生まれることが想定されます。
むしろ、昭和的な、“すごろくキャリア”(ジョブローテーションでジェネラリストに育成する)から、プロフェッショナリズムとビジネススキルを兼ね備えた得た人材を獲得していくよう、企業も脱却しないといけない。 ロールモデル事例を示すことで、博士課程を修了するとむしろ選べるキャリアが拡がることを提示していくべきです。」(吉岡氏)
博士人材の“デサイロ化(横断的な連携)”の重要性(LabBase代表 加茂)
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国内理系大学院生の2人に1人が登録、700社以上が採用に活用している理系人材のキャリア支援プラットフォームを運営するLabBase代表の加茂からは、2024年7月10日開催の『未来の博士フェス2024』の「博士を大事にする企業ピッチコンテスト」で文部科学大臣表彰を受賞した博士専用のキャリア支援プラットフォーム「LabBase博士・ポスドク」についても紹介。
「大学ごと、研究室ごとに横のつながりが持てずに“サイロ化(タコつぼ化)”してしまうことが博士のキャリアを狭めています。博士の横のつながりや企業とのつながりを活性化する=“デサイロ化”することで、日本のイノベーション人材が、より鮮明にロールモデルや理想のキャリアに出会えることを目指しています。」
「LabBase博士・ポスドク」では博士が孤立しないための類似研究に従事する他大も含めた先輩・後輩で接触ができるメンター制度や、理系キャリアに詳しいコンサルタントが学生の進路相談などを行う1on1面談支援を、大学と連携して提供。企業にニーズはありながらも、理想の研究歴のある博士と出会いにくいというミスマッチ構造をテクノロジーで解消しています。
「“博士積極採用”でなくても、実は企業の研究・開発現場には博士が必要とされるポジションがあります。また、博士は自ら課題を発見し、資金調達して解決するプロセスができる人材で、むしろ就業してすぐにでもマネジメントができる人材だと言えます。そういったことに、博士にも企業にも気づいてもらって、新しい機会を創出するのが私たちの役割だと思っています。」(加茂)
株式会社LabBaseについて:
株式会社LabBaseは、【研究の力を、人類の力に。】というパーパスを掲げ、研究エンパワープラットフォームの創造を目指しています。 研究者・技術者のキャリア支援を行うべく、研究を頑張る理系学生と企業をつなぐスカウトサービス「LabBase就職」をはじめ、「LabBase転職」「LabBase研究室サーチ」などを運営中。
会社名 :株式会社LabBase
代表者 :代表取締役CEO 加茂倫明
設 立 :2016年9月23日
資本金 :779,914 千円 (資本準備金含む)
所在地 :〒105-0003 東京都港区西新橋一丁目1番1号日比谷フォートタワー10F
コーポレートサイト:https://labbase.co.jp/
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株式会社LabBase 広報担当 笹山
mako@mktp.jp 090-2646-5273
プレスリリース提供:PR TIMES