シリコンバレーの教育法をモチーフにした中高生対象のIT教育プログラム「Life is Tech!」本格始動に先立ち、発起会「日本のIT教育についてちょっと考えてみよう」が開催。
教育ICTその他
シリコンバレーの教育法をモチーフにした中高生対象のIT教育プログラム「Life is Tech!(ライフイズテック!)」が今夏、本格始動する。これに先立ち、同プログラムを主催するピスチャーは5月20日、発起会「日本のIT教育についてちょっと考えてみよう」を開催。デジタルゲーム学会理事の東京大学 馬場章教授による基調講演、高校生プログラマー 渡辺祥太君の講演、「これから必要なIT人材」に関するパネルディスカッションが開催された。
中高生の視点として登壇した渡辺祥太郎君は、高校生プログラマーだ。千葉県にある渋谷教育学園幕張の高校2年生で、iPhoneアプリの開発を独学で学び、昨年はシリコンバレーのテクノロジーキャンプ「iD Tech Camps」に参加。無料iPhoneアプリ「日本の借金時計」などを開発し、「Life is Tech!」では講師デビューを果たすという。
「iD Tech Camps」は、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに位置するスタンフォード大学のキャンパスで毎年行われているサマーテクノロジーキャンプで、プログラミングやゲームデザインなどのクラスが開催される。渡辺君によると、「異文化交流が盛んで小中学生の参加者も多く、ITスキルの向上だけでなくモノづくりの楽しさを学べる」のだという。こうしたキャンプは日本にはなかったが、2011年夏にスタートする「Life is Tech!」がこの日本版であるとして、プログラムの紹介も行った。
◆「子どもたちが幸せになるために頑張っていきたい」水野代表
「Life is Tech!」を主催するピスチャーの水野雄介代表は、開成高校で教師を務めてきた経験から「大人が作った(今の)教育システムでは、よい大学に行っても就職できない」、また「教育のシステムが育っていないことで、子どもたちにしわ寄せが来ている」などの問題への解決策として「中高生ためのICT教育プラットフォーム」を企画。先の渡辺君や、灘中3年の昨年、iPhoneの大ヒットアプリ「健康計算機」の開発で注目されたTehu君のような中高生を育てたいという。また、「IT好きな子を増やし、新しい友だちと知り合い、学べる環境を作り、子どもたちが幸せになるために頑張っていきたい!」と締めくくった。