【中学受験】悔いなき受験へのラスト3か月-3/6…志望校の最終決定

 2月1日、首都圏の中学受験本格スタートまで100日を切った。親子ともども悔いのない受験をするために、この3か月をどう過ごせばいいのか。志望校について紹介する。

教育・受験 受験
SS-1代表の小川大介先生
  • SS-1代表の小川大介先生
 2月1日、首都圏の中学受験本格スタートまで100日を切った。親子ともども悔いのない受験をするために、この3か月をどう過ごせばいいのか。子ども一人ひとりの特性に合わせた個別指導で中学受験にめざましい実績をあげているSS-1代表の小川大介先生に、家庭学習、模試の受け方、志望校の最終決定、出願パターン、本番で力を発揮するためのトレーニング、入試直前の過ごし方を聞いた。

 ここでは、志望校について紹介する。

――志望校はいつまでに決めればいいでしょうか。

 一般的には、最終決定を11月までとしています。もちろん、ここに行きたい! という第一目標はもっと早く決めてほしいのですが、それで最後までいくのか、それとも見直すのかを見極めるのがちょうど11月ごろなのです。

 志望校の決定は、偏差値だけで決めるのではなく、本人が納得することが大事です。

 子どもの学力と、志望校に合格するための学力との間にギャップがある場合、お子さんの行動パターンは3つあります。

 1つめが「無理とあきらめているが、今さらコース変更したいと言えず無理している」、2つめが「今は無理だとわかっているが、納得いくまでがんばろうという意欲がある」、3つめが「今のままでは無理ということを極力考えないようにしている」です。

 「無理とあきらめているが、今さらコース変更したいと言えず無理している」お子さんの場合、おそらく言動の端々に、辛そうな様子が表れると思います。そのようなときは、「お母さんは絶対この学校じゃないといけないとは思っていないのよ。あなたがいい学校を選んで、この先6年、10年を充実して成長してくれるのを応援したいのよ」という気持ちを伝えたうえで、「今の候補もいいと思うけど、こっちの学校もこういうところがいいよ。あなたは興味ない?」と聞いてあげる。

 さて、そこでお子さんが「何言ってるの、絶対こっちがいいよ」と言うようなら、「わかった、じゃあがんばって」と背中を押せばいい。「え、いいの?」と言うようであれば、志望校を見直すのもありだと思います。

 この時に、決して、「仕方がないからこっちにしたら?」と言わないことです。入学後まで引きずってしまうからです。

 「今は無理だとわかっているが、納得いくまでがんばろうという意欲がある」お子さんは、気合いだけでただ「がんばる!」と言っている場合があります。その場合、親はがんばり方を示してあげないといけません。お父さんも手伝って、いつまでに、何を、どこまで到達するのか、行程表を作りましょう。そして、たとえば11月末とか、途中にチェックポイントを設けて見直すことが重要です。

 チェックポイントで、目標まで到達していなかったら、「がんばりたい、という気持ちはわかる。でも現状を見て、このままでは難しいよね。それでもやるのか?」と、冷静に話し合い、判断する必要があります。

 一番難しいのが「今のままでは無理ということを極力考えないようにしている」お子さんです。この場合は、まず自分の現状を認識してもらわなければいけません。「このままズルズル受験して、やっぱりダメだったとなりたくないのなら、真剣にやろうよ」と諭し、反省させ、次につなげていくことが必要です。

 精神的に追い詰められている子の場合、たとえば模試の結果の封を開けたがらないような子、こういうお子さんは、家庭だけでなく、塾の先生と一緒になって対処する必要があります。家庭だけで向き合っていると、もっと落ち込んでしまう場合があるからです。

 塾の先生に、「これとこれはできているから大丈夫、これは勉強不足だからやらないといけないね、でもこれは時間がないからやめておきなさい」という見極めをしてもらう。それを受けて家族で話し合います。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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