2月1日、首都圏の中学受験本格スタートまで100日を切った。親子ともども悔いのない受験をするために、この3か月をどう過ごせばいいのか。子ども一人ひとりの特性に合わせた個別指導で中学受験にめざましい実績をあげているSS-1代表の小川大介先生に、家庭学習、模試の受け方、志望校の最終決定、出願パターン、本番で力を発揮するためのトレーニング、入試直前の過ごし方を聞いた。 ここでは、本番で力を発揮するためのトレーニングについて紹介する。――模試では合格可能性50%しかないけれど、過去問はよくできるという場合、どう判断したらいいでしょうか。 過去問は、家で、マイペースで取り組めるので、持っている力をそのまま発揮できます。過去問の点数はいいのに合格できない子は、テストの現場では緊張していつもの力が発揮できない子です。 その場合、学力だけでなく、本番でも心を安定させる力をつけることが必要です。 これは直前にあれこれやっても急には伸びません。私がやるのは、テストの後に、問題を振り返るだけでなく、テストの最中にどんな気持ちになったかを振り返らせることです。 たとえば、「30分くらいで頭がぼーっとしてきてわからなくなった」「40分くらいでもう無理かなという気がしてどうでもよくなった」などと答えるとします。 そのときに、「どういう状態のときはうまくできた?」「どういうテンポで解いたときはよかった?」と聞いてあげる。こうやって、自分の望ましい状態を言葉にし、共有します。今度は、そのような状態になっている自分を思い浮かべ、実際に目に浮かぶくらいになったら、次のテストのときはその状態を保つようにする。実践することで、いい状態を身体で覚えるのです。 一種のメンタルトレーニングですが、これを繰り返すことで、本番でも心の安定が保てるようになっていきます。 過去問に取り組むときも、開始時間や休憩時間を、本番とまったく同じ条件でやってイメージトレーニングをするといいでしょう。