料理レシピサイトのトレンドは「独自性」と「専門性」

 ここ最近、「料理レシピサイト」の多様化が進んでいる。大手レシピサイトがサービス強化を行う一方で、新しいコンセプトのサイトが多数登場しているのだ。

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タベラッテ
  • タベラッテ
  • タベルズ
  • わんこの「幸せな食卓」
  • あんこレシピ.com
  • ごま製品と練り製品に特化したレシピサイト
  • 本つゆ、よせ鍋つゆでつくる有名料理家のイチオシ鍋レシピ!
  • コレクル
  • ナデシコクッキング
 ここ最近、「料理レシピサイト」の多様化が進んでいる。大手レシピサイトがサービス強化を行う一方で、新しいコンセプトのサイトが多数登場しているのだ。

 たとえば業界トップの「COOKPAD(クックパッド)」は、11月から有機野菜のEC事業に参入。農事組合法人の和郷園と共同開発し、「クックパッドのやさい便」として都内23区内から定期宅配サービスを開始した。「楽天レシピ」では、レシピやレポートの投稿に対して「楽天スーパーポイント」を付与するなどのメリットを打ち出し、急激にユーザー数を伸ばすとともに、10月より女性総合情報誌「with」の編集部とABC Cooking Studioの協力のもと、女性向けクッキングコンテンツを創設している。検索最大手のグーグルは、2010年6月に開始した「レシピ検索」機能を2011年2月に大幅強化、料理に使われる材料で絞り込めるようになった。

 こうした大手サイトの動きに対し、新規料理レシピサイトは“独自のコンセプト”と“専門性”を武器に相次いで参入している。

 2011年5月オープンの「tabelatte(タベラッテ)」は、料理レシピの紹介だけでなく、作り手の顔やライフスタイルを紹介する“レシピのソーシャルブログ“というコンセプトを打ち出し、料理レシピを投稿する「ブロガー」に焦点を当てたサービス展開を行っている。投稿したレシピを無料で電子書籍化できるツールや、オリジナルのTV番組に人気ブロガーを出演させるなど、ブロガーに無償で活躍の機会を提供しているのも特徴だ。そのため参加メンバーには、料理が好きな一般ブロガーだけでなく、シェフ、料理研究家、フードコーディネーター、管理栄養士などのプロ、また海外在住のブロガーも多数含まれている。

 グルメピアが運営する「tabels(タベルズ)」(2011年6月オープン)は提供するレシピのすべてをシェフ、生産者、料理研究家や料理教室主宰者、ソムリエ、フードアナリスト、野菜ソムリエなど食のプロフェッショナル(ツクルズと呼ぶ)が提供している。レシピの投稿者は「タベルズ」が選んだプロに限定されるが、閲覧は誰でも可能だ。

 「わんこの幸せな食卓」(2011年8月オープン)は、人ではなく、愛犬のごはんを考えるためのサイト。「愛犬のための手づくりごはんレシピ」と「市販ドッグフードのクチコミ」が2大コンテンツとなっている。こちらは無料のメンバー登録をすれば誰でもレシピやクチコミが投稿でき、閲覧はメンバーでなくても自由にできる。

 この他、各食品メーカー自身が、自社で提供する商品や得意なジャンルに特化したレシピサイトをオープンしている。老舗製あんメーカーの茜丸は8月にあんこを使ったパン、洋菓子や和菓子のスイーツに特化したレシピサイト「あんこレシピ.com」をオープン。紀文は9月に「ごま製品と練り製品に特化したレシピサイト」をオープン。キッコーマンは11月に「本つゆ、よせ鍋つゆでつくる有名料理家のイチオシ鍋レシピ!」をそれぞれオープンした。

 このような「独自性」を持つサイトは2011年以前にも登場しており、2010年2月オープンの製菓材料、ラッピング通販企業が運営する「corecle(コレクル)」、女性応援サイト「Deatre(デアトレ)」が、食をベースに美を追求する女性を支援するサイトとしてリニューアルされた「ナデシコクッキング」なども、独自の展開を見せている。

 もともと料理レシピサイトといえば、主婦やOLといった女性利用者中心のサービスで、投稿されるレシピ数とジャンル数がサービスの勝敗を分けている印象が強かった。今回紹介したサイトはいずれも、レシピ数やジャンル数より、利用者層やニーズの多様化を反映していて、それに対応した動向の結果だと言えそうだ。

多様化する料理レシピサイト 新規参入相次ぐ……トレンドは「独自性」と「専門性」

《冨岡晶@RBB TODAY》

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