東京工業大は、入試中に通信している携帯電話を座席レベルの精度で検出できるシステムの開発に成功したと発表。同大学の研究グループと光電製作所が共同で開発し、すでに模擬試験会場での電波発信源特定に成功しているという。 昨年の京大入試における不正行為事件では、予備校生が携帯電話を使い、問題をインターネットの掲示板に投稿したことが社会問題になった。今年防止対策の強化が期待されたが、具体的かつ効果的な対策は見つかっておらず、試験監督の増員などにとどまっているのが現状だという。 その中で、同大学大学院理工学研究科の荒木純道教授と阪口啓准教授らの研究グループと、光電製作所が新たな不正防止システムを共同開発した。従来から電波を利用した位置推定方法はあったが、平均位置推定誤差が3メートル程度あったという。新システムは、平均誤差を0.42メートルまで大幅に改善し、そのうえリアルタイムでの検出を可能にした。 今後の実用化に向け、システムの利用に必要なハードウェアのコスト削減などが必要だというが、不正行為の抑止力につながると期待されている。