「褒めて伸ばす」を科学的に証明…生理学研究所

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運動トレーニングを行ったあとの「褒められ」実験の方法
  • 運動トレーニングを行ったあとの「褒められ」実験の方法
  • 自分が褒められると、運動技能の成績が上がる
 自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授らの研究グループは、運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、「上手」に運動技能を取得できることを科学的に証明し、11月7日、米国科学誌プロスワンに掲載された。

 今回の研究は東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授と共同で行われた。これまでの研究成果から、他人に褒められると金銭報酬を得たときと同じように脳の線条体が活発に働くことがわかっていたが、今回の研究成果では、さらにその脳の働きの結果として、運動技能の習得が、より「上手」に促されることを示したものと言える。

 実験では、48人の成人に決められた順序でキーボードを打つ指運動トレーニングをし、その後、「自分が評価者から褒められる」グループ、「他人が評価者から褒められるのを見る」グループ、「自分の成績だけをグラフで見る」グループの3つのグループに分けた。すると、自分が評価者から褒められたグループは、翌日の実験で他のグループに比べて、より「上手」に指運動が出来ることがわかった。これにより運動トレーニングの「直後」に褒められることが、その後の運動技能の習得を促したことがわかる。

 定藤教授は「『褒められる』ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であると言えます。運動トレーニングをした後、この社会的報酬を得ることによって、運動技能の取得をより『上手』に促すことを科学的に証明できました。『褒めて伸ばす』という標語に科学的妥当性を提示するもので、教育やリハビリテーションにおいて、より簡便で効果的な『褒め』の方略につながる可能性があります。」と語った。
《田邊良恵》

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