60歳の脳梗塞発症リスクは40歳の5倍、年末年始のリスク回避ポイントは?

 老化にともなう“年齢リスク”を調査・研究する年齢研究所(福岡県福岡市)は、「60歳の心筋梗塞の発症リスクは、40歳と比較すると約3倍に、脳梗塞のそれは約5倍に跳ね上がる」とし、特に危険な63歳を「新大厄」と呼ぶ。

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動脈硬化のメカニズムと食事対策
  • 動脈硬化のメカニズムと食事対策
  • 40歳の発祥リスクを「1」としたときの相対リスク
 老化にともなう“年齢リスク”を調査・研究する年齢研究所(福岡県福岡市)は、「60歳の心筋梗塞の発症リスクは、40歳と比較すると約3倍に、脳梗塞のそれは約5倍に跳ね上がる」とし、特に危険な63歳を「新大厄」と呼び、健康リスクを回避するポイントなどを1月発行のレポートにてまとめた。

 同所は、75万人のレセプトデータを分析し、「心筋梗塞・脳梗塞などの発症率は加齢にともなって上昇し続けるが、心臓と脳の血管がどちらも詰まりやすくなる最後のターニングポイントが62〜63歳前後にある」ことを明らかにした。

 同所の板倉弘重所長は「63歳男性は、血管の老化に注意。動脈硬化に起因する病気の発症率を40歳と60歳で比較すると、心筋梗塞は約3倍、脳梗塞は約5倍に跳ね上がる」と説明。健康リスクが特に高まるこの63歳を「新大厄」と位置づけた。

 さらに、「心筋梗塞・脳梗塞などの血管が詰まる病気は、冬から春先にかけて発症率が高くなり、年末年始の過食や運動不足がその引き金をひく可能性もある」と注意を促す。

 「忘年会・新年会で暴飲暴食を重ね、寝正月を過ごしがちなこの時期は、内臓脂肪がとりわけたまりやすい。たまった内臓脂肪からは悪玉物質が分泌される一方、善玉物質の分泌が減る。例えば血液を固まりやすくするPAI-1の分泌が増え、傷ついた血管を修復するアディポネクチンの分泌が減るなどした結果、動脈硬化が進み、血栓ができやすくなる」と警鐘を鳴らしている。

 この健康リスクを回避するポイントは、「ダイエットで内臓脂肪を減らすとともに、ポリフェノールなどの抗酸化物質やカルシウムを積極的に摂取し、酸化・糖化・石灰化を防ぐことが大切」と板倉所長。同所のアドバイザリーボードを努める足立香代子氏(せんぽ東京高輪病院栄養管理室長)は、砂糖を多量に使う正月のおせち料理の問題点を指摘し、「血管若返りおせち」を提案する。

 足立氏は、「重箱の1段目は生野菜だけにし、食べきってから2段目を開けることで、食後の高血糖を防ぐ効果がある。2段目は強力な抗酸化作用のある“黒豆”、カルシウムを豊富に含んだ“たづくり”などで、酸化・糖化・石灰化の対策を」と呼びかける。

年末年始の行動が脳梗塞などの引き金に!?……男性63歳は「新大厄」

《大野雅人@RBB TODAY》

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