インフルエンザ罹患者の3割が自宅待機を守らず外出

 レキットベンキーザー・ジャパンは、昨年冬にインフルエンザを発症した20~50代の男女400人を対象に、インフルエンザと自宅待機期間の過ごし方に関する意識調査を実施したところ、罹患者の3割が自宅待機を守らず外出していたことが明らかになった。

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自宅待機期間中に外出をしたことがあるか
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 レキットベンキーザー・ジャパンが展開する薬用せっけんの「ミューズ」は、2012年11月に、昨年冬インフルエンザを発症した20~50代の男女400人を対象に、インフルエンザと自宅待機期間の過ごし方に関する意識調査を実施したところ、罹患者の3割が自宅待機を守らず外出していたことが明らかになった。

 冬の本格到来を前に、11月21日には今季初のインフルエンザでの学級閉鎖が出るなど、今年もインフルエンザウイルスに注意すべき時期となった。インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症で、一般のかぜ症候群とは分けて考えるべき重症化しやすい疾患。特に、12月~3月は、冷たい空気によってのどや鼻の粘膜が弱まり、逆にウイルスにとっては気温の低さと乾燥で生きやすい環境となるため、爆発的に流行する傾向にある。

 通常インフルエンザの診断を受けた場合、症状が落ち着いてからもウイルスが体内に潜伏している可能性が高く、周りの方にうつしかねないため、熱が下がってから2日あるいは症状がはじまった日の翌日から7日目までは出来るだけ外出しないという厚生労働省の指針がある。しかし、その自宅待機期間中に「外出したことがある」と答えた人が全体の30.5%にも及ぶ。年代別で見てみると、20代が一番多く40%、30代が34%、40代が31%となっており、若い世代は特に待機期間に外出してしまうという。

 外出をした理由としては、「食べ物・飲み物の調達のため」というやむを得ない理由で外出が余儀なくされるケースがもっとも多かったものの、「熱が下がったから」「体のダルさが軽減したから」という理由で外出したとの回答数も高く、インフルエンザウイルスの体内潜伏や、他人にうつすことへの意識が低いことがわかる。また、「仕事が休めなかったから」との回答も24.6%と多く、社会全体としてインフルエンザに対する知識やケア体制が万全ではないことも原因だと考えられる。

 外出時の行き先を尋ねたところ、もっとも多かったのは「スーパー」55.7%、次に「コンビ二」43.4%となった。会計時の店員との接触はもちろん、居合わせた客にも、商品を手に取ったり、咳やくしゃみをしたりと、当然ながらウイルス感染の危険を与えることになる。また「会社などの仕事」も32%と多く、会社で同じ空間にいることになる同僚や、ミーティングを行った取引先などにウイルスが拡散されていると予想される。

 更に、それらの場所に行く交通手段として、「バス」が22.1%、「電車」が19.7%と、公共交通機関を利用している人が多いことが明らかになった。移動中は密室空間であることに加え、たくさんの人の流れがあるため、インフルエンザウイルスがばら撒かれてしまう危険性は避けらない。

 今回の調査で、インフルエンザ罹患者の多くが、ウイルスが体内に潜伏している状況で、公共機関を使った外出を行っていることがわかった。インフルエンザ罹患者は、医師の指示に従い、症状が落ち着いた後も自宅待機を全うすることがインフルエンザの流行を防ぐためには重要だ。

 社会全体としてまだ認識が低いことも影響しているようだ。「自分の体は自分で守る」。インフルエンザウイルスとの接触は避けられないということを認識し、予防接種や、体内に持ち持ち込まないためのマスクの着用や手洗いなど、正しい予防や対策を行うことが大切だ。
《田邊良恵》

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