麻しん(はしか)患者急増、国内感染が増加

 感染力の極めて強い麻しん(はしか)患者の報告が2025年3月以降、相次いでいる。国立感染症研究所によると3月16日時点で、2025年の累計報告数は32人。このうち、少なくとも22人が3月以降に感染していることがわかった。

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麻しん累積報告数の推移
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  • 都道府県別人口100万人あたり報告数
  • 都道府県別、発生動向調査

 感染力の極めて強い麻しん(はしか)患者の報告が2025年3月以降、相次いでいる。国立感染症研究所によると3月16日時点で、2025年の累計報告数は32人。このうち、少なくとも22人が3月以降に感染していることがわかった。

 国立感染症研究所は3月25日、麻しん(はしか)発生動向調査(3月19日現在)の速報を公開した。2025年の累計報告数は32人。このうち、第10週(3月3日~9日)の報告数が10人、第11週(3月10日~16日)の報告数が12人で、少なくとも22人は3月以降に感染していた。

 第11週の麻しん報告数を都道府県別でみると、「埼玉県」3人、「東京都」2人、「千葉県」「神奈川県」「滋賀県」「京都府」「大阪府」「兵庫県」「山口県」が各1人。

 2025年第1週~11週の患者を年齢別にみると、「20~29歳」44%、「30~39歳」25%、「40~49歳」16%、「0歳」13%、「5~9歳」3%の順に多い。

 推定感染地域は第5週~第10週まで海外がもっとも多かったが、第11週は海外感染が4人に対し、国内感染が8人となり、感染経路が身近になっていることがうかがえた。海外の推定感染地域は、ベトナム、タイ、イタリア、フランス、パキスタンなどの報告が寄せられている。

 麻しん(はしか)は麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現する。感染力が強く、空気感染もするので、手洗いやマスクのみで予防はできず、予防接種がもっとも有効な予防法となっている。免疫を持っていない人は、ほぼ100%発症。先進国であっても1,000人に1人は死亡することがあるという。

《川端珠紀》

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