advertisement

東京都、麻しん接触者に無料ワクチン接種…緊急事業開始

 東京都は、麻しん(はしか)の急激な感染拡大を受け、2026年5月18日より無料でワクチン接種を受けられる「ワクチン緊急接種事業」を開始した。緊急接種の必要性があると認められた接触者(接触から72時間以内など条件あり)のうち、希望する人を対象とする。

生活・健康 その他
緊急接種の流れ(イメージ)
  • 緊急接種の流れ(イメージ)
  • 都内における麻しん患者発生状況(2026年の数値は随時更新)など

 東京都は、麻しん(はしか)の急激な感染拡大を受け、2026年5月18日より無料でワクチン接種を受けられる「ワクチン緊急接種事業」を開始した。緊急接種の必要性があると認められた接触者(接触から72時間以内など条件あり)のうち、希望する人を対象とする。

 麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる、感染力が極めて強い感染症。おもな感染経路は「空気感染」で、免疫をもたない人が感染者に接すると、ほぼ100%感染し発症する。症状は、約10~12日間の潜伏期間後、38度程度の発熱や風邪のような症状が2~4日続き、その後、39度以上の高熱とともに全身に発疹が現れる。合併症として肺炎や中耳炎、まれに脳炎や失明などがあり、特に肺炎や脳炎は重症化すると命に関わることもある。先進国での死亡率は1,000人に1人とされる。

 特別な治療法はなく、もっとも有効な予防法はワクチン接種となる。接種すると95%程度が免疫を獲得でき、2回の接種を受けることでさらに多くの人が免疫を獲得できる。また麻しん患者と接触してから72時間以内であれば、緊急のワクチン接種によって発症を予防できる可能性があるという。

 東京都内の2026年の患者数は239人(5月14日までの速報値)で、過去10年で最多を更新。今後も流行拡大が懸念されることから、今回、麻しん患者の接触者を対象としたワクチン緊急接種事業を開始した。

 費用は無料。対象者は、保健所が緊急接種の必要性を認めた接触者のうち、接種を希望する人。接触から72時間以内で、麻しんの既往歴が確認されておらず、予防接種歴が0回、1回、または不明などの条件に該当する接触者に限る。

 この事業では、保健所が、麻しんと疑われる症状で医療機関を受診した患者のうち、PCR検査で陽性が判明した患者の行動歴を調査し、感染の可能性がある接触者を特定する。保健所が接触状況などを踏まえて緊急接種の必要性を認めた場合、接触者の同意を得たうえで、感染症指定医療機関などとワクチン接種の日程を調整する。その後、保健所が接触者に接種日程を通知し、接触者が感染症指定医療機関などでワクチン接種を受ける流れとなる。

 飛沫感染や接触感染にはマスクや手洗いが有効とされるが、麻しんは空気感染するため、それらだけでは十分に防ぐことができない。一方で、一度感染して発症すると、免疫はほぼ生涯にわたって持続するといわれる。日本では2015年に「麻疹排除状態」と認定されたが、近年は海外からの輸入症例を発端とした感染拡大が見られており、特に2026年は都内・全国ともに患者数が急増している。

《川端珠紀》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top