日本からは唯一筑波大学がランクイン、設立から50年未満の世界大学ランキング

 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション誌(THE)が設立から50年未満の大学を評価する大学ランキングを発表した。通常の大学ランキングで常に上位を独占する英米の伝統校が評価対象外となり、アジアの大学の評価の高さが際立った。

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THE、設立50年未満の世界大学ランキング(英語)
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 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション誌(THE)が設立から50年未満の大学を評価するランキングを発表した。通常の大学ランキングで常に上位を独占する英米の伝統校が評価対象外となり、アジアの大学の高い評価が際立った。

 1位になったのは韓国の浦項工科大学校。1986年に設置された同大学は、約3,100人の学生と約350名の教員を抱え、研究面における産業界への貢献と在籍教員・研究者が発表した論文の被引用数が評価された。

 スイスのスイス連邦工科大学ローザンヌ校が2位に入ったが、3位にも韓国のKAISTがランクイン。4位には香港科技大学、8位にシンガポールの南洋理工大学がランクインし、アジアの若い大学の評価が高かったことが印象的だ。

 日本の大学で海外の評価が高い東京大学や京都大学は、設立からの年数上今回のランキングの対象外となった。唯一トップ100校の中に入ったのは、1973年に設立された筑波大学で49位にランクイン。

 その筑波大学も東京教育大学を前身としており、創立は日本で最初の師範学校として設立された1872年まで遡ることができる。新構想大学として茨城県の研究学園都市に移転し、名称を変更したことが今回のランキングに加わった理由だろう。

 設立から50年未満の大学をTHEが評価する理由は、今後の成長への期待感だ。若い大学ならではの学習と研究に対する柔軟性を評価することで、同ランキングは未来を見据える世界中の高校生たちに可能性を持った大学を提案している。

 歴史・伝統・実績が大学における教育や研究の質に大きく影響することは、通常の世界大学ランキングの上位常連校を見れば明らかだ。その一方で、若い大学だからこそ可能な先進的取り組みや研究手法に引かれる高校生も多く、大学とともに成長したいと考える生徒にとっては有意義な指標となるランキングではないだろうか。若いアジアの大学が、世界の伝統校と肩を並べられる日もそう遠くはないのかもしれない。
《湯浅大資》

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