【高校野球2014夏】5日目の結果と6日目の見どころ、二松学舎大付が初出場初勝利

 第96回の甲子園は早くも5日目。第2試合の途中に一時雨が降ったかと思えば、第3試合の際には晴れ間が見えるなど天候が二転三転。その天候と呼応するように試合の流れが行き来する激しいゲームが続いた。今日行われた3試合と明日の試合の見どころをまとめた。

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 第96回の甲子園は早くも5日目。第2試合の途中に一時雨が降ったかと思えば、第3試合の際には晴れ間が見えるなど天候が二転三転。その天候と呼応するように試合の流れが行き来する激しいゲームが続いた。今日行われた3試合と明日の試合の見どころをまとめた。

【第1試合】明徳義塾(高知)10-4智弁学園(奈良)
 常連校同士の対決とあって、6回までは4-3と1点を争う緊迫した展開が続いた。7回裏に明徳義塾が7番水野選手の適時打で1点を加えると、ここが勝負とばかりに代打で田中選手を送り出す。田中選手が初球を振り抜くと、打球はレフトスタンドへ吸い込まれる3点本塁打。明徳は8回にも2点を加え10点を奪い圧勝した。注目の明徳、岸投手と智弁、岡本選手の対決は2安打2三振と互角の勝負。夏の甲子園の初戦無敗の明徳義塾は今回も初戦突破を決めた。

【第2試合】開星(島根)6-7大阪桐蔭(大阪)
 開星は初回自慢の強打で4点を先取。しかし、2回表、大阪桐蔭は四死球で出した走者を、相手のワイルドピッチなどにつけ込み2点を返す。開星は恩田、宮川の両投手の制球が定まらず毎回四死球を与える。そのチャンスを活かした大阪桐蔭はソツのなく2回から6回まで毎回得点。開星は大阪桐蔭を上回る10安打を放うなど1点差まで詰め寄ったが、最後は力及ばず初戦で姿を消した。強打が持ち味の両校だったが、勝負を分けたのは守備のミスだった。

【第3試合】二松学舎大付(東東京)7-5海星(長崎)
 二松学舎大が試合序盤の打撃で圧倒。3回裏には東東京大会では不調だった6番秦選手が左越へ本塁打を放つ。ほかの打撃陣も中堅から右方向への打撃を心がけ、5回まで毎回の加点。海星は5回表に4四死球などで得たチャンスを無駄にせず一気に4点を返し食らいついて7-5まで追い上げるも、5回途中から継投した二松学舎大付の1年生左腕、大江投手のスライダーにあと2点が遠かった。二松学舎大付は夏の甲子園初出場で初勝利を手にした。

【6日目(16日)の見どころ】

 大会6日目の第1試合には、3年連続9回目の甲子園となる鳴門(徳島)が登場。徳島県大会では35の四死球を獲得し、選手はみな選球眼がよい。13打点を挙げた4番北尾選手は勝負強い印象だ。対する近江(滋賀)は6年ぶり11度目。淡いブルーのユニフォームは甲子園ファンにおなじみ。チーム打率は.491、滋賀県大会6試合で67得点86安打など、県大会記録を軒並み塗り替えた打線は脅威の一言だ。

 6年ぶり4回目の城北(熊本)と初出場の東海大望洋(千葉)が第2試合で対戦。城北は、鋭い変化球を持つ安武投手、低めへのコントロールが抜群の左腕大西投手、192cmの長身から投げ下ろす諸富投手とタイプの異なる3投手の継投が勝ちパターン。東海大望洋も投手力が持ち味。サイドスローを活かした変化球で打ち取るエース宇津木投手と、本格派の原田投手をリードする峰尾選手は1年生ながら春の県大会から正捕手を務めており、経験も豊富だ。

 第3試合。4年ぶりの出場となる東海大相模(神奈川)は優勝候補の一角。140キロ超の直球をもつ4人の投手陣は長い高校野球史においても屈指の完成度。打線も神奈川県大会で6打者が計10本塁打を放つなど活発だ。対するは、今大会の注目選手の1人、松本を擁する盛岡大付(岩手)。松本選手は150キロの直球に加えスライダー、チェンジアップ、フォークなど変化球も多彩。さらに4番で2本塁打11打点と投打の柱だ。2年ぶり8度目の甲子園で勝利を目指す。

 第4試合は初出場の角館(かくのだて)(秋田)と、4年ぶり8度目の八頭(鳥取)が対戦。角館は140キロを超す直球を持つ相馬、伊藤の両右腕と、正捕手の千葉選手は息がピッタリ。直球主体の強気のリードで勝負する。そのバッテリーをバックの堅い守りがもり立てる。八頭は一気の攻撃でビッグイニングを作り出すチーム。鳥取県大会で15打数9安打7打点とラッキーボーイだった2年生捕手の西垣はマウンド登ることも。甲子園でも好調を維持できるかが注目される。

 甲子園5日目は常連校の対決に、打ち合い必死の試合、悲願の初出場校など、注目ポイントの多い1日となった。試合では、四死球が得点に絡むシーンが多く見られた。甲子園の緊張感からか本来の力を発揮できない投手が多い中、1年生のころから甲子園の舞台を経験している明徳義塾の岸投手の落ち着いた投球が出色だった。緊張に加え、各校とも予選からの疲れが出てくる今後、普段通りのプレーができるかがカギになるだろう。
《朝倉尚》

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