聖光学院と同志社中に聞く「ICT導入の目的と成果」

教育ICT 先生

聖光学院中学校・高等学校 校長の工藤誠一先生(左)と同志社中学校・高等学校の反田任先生(右)
  • 聖光学院中学校・高等学校 校長の工藤誠一先生(左)と同志社中学校・高等学校の反田任先生(右)
  • 聖光学院中学校・高等学校 校長の工藤誠一先生
  • 同志社中学校・高等学校の反田任先生
 NTT東日本は2月25日、品川にて「教育の情報化による学校の魅力創造セミナー」を無料開催する。対象は私立中学校・高等学校の経営幹部、校長、教頭、ICT担当教諭など100名で、Webサイトのフォームにて申込みを受け付けている。セミナーでICT導入活用事例を紹介する、聖光学院中学校・高等学校 校長の工藤誠一先生と、同志社中学校・高等学校の反田任先生に、ICT導入の目的や効果について聞いた。

◆聖光学院中学校・高等学校

 全国でも有数の進学校で、人気の高い中高一貫の男子校「聖光学院」は、横浜市の山手地区にありながら広い敷地をもち環境のよい立地も魅力的だ。聖光学院の建学の精神は、「カトリック的世界観にのっとり、人類普遍の価値を尊重する人格の形成、あわせて、高尚、かつ、有能なる社会の成員を育成する」にあるという。

 同校の工藤誠一校長に聞いた。

--ICT導入の主な目的を教えてください。

 アジアの他の国々と比べると、日本は教育におけるICTの活用が遅れています。これからはグローバルに国境を越えて活躍する時代で、そこにある程度水準を合わせていかなければなりません。国境を越えたコミュニケーションをできるようになるためにも、ICTを活用し、生徒たちにグローバルで活躍するための素養を持たせなければならないと考えています。

--主に、どのように活用をされていますか。

 協働するためのツールとして活用しています。ICTをコミュニケーションツールとして使うことに慣れるのが必要で、それがアクティブラーニングに繋がります。また、英語をマンツーマンで指導できることが大きなメリットです。マンツーマンであれば積極的でない生徒へも指導ができ、技量を上げることができます。海外でのホームステイからの帰国後のコミュニケーションツールとしても有効であり、反復学習に活用されています。

--導入において課題となった点は何でしょうか。

 ゲームに夢中になったり、不適切なサイトに行ってしまう、ネット依存になってしまうなど、中学生、高校生ゆえの問題があります。これまでは「いかに規制するか」を考えてきましたが、「規制から解放」することが必要です。触れさせないのではなく、自らコントロールする力を身につけさせることが大切だと考えています。

--生徒さんの反応はいかがですか。

 生徒たちは、今の時代「ICTを使いこなす」「英語を話す」ことがマストと理解しています。保護者も同様で、生徒たちが社会に出たときにこれらを使いこなさなければならない状況を理解されています。聖光学院では高校2年生全員が「英語でプレゼンテーション」をできるようにします。中学で英検1級、準1級をもつ子もいれば、中学から英語を始める子もいますので、ICTを活用しその差を埋め、英語力、国際理解力をつける指導をしています。

--ありがとうございました。

◆同志社中学校・高等学校

 創立者である新島襄の「キリスト教主義」「自由・自治・自立」の精神を受け継ぎ、生徒の知的好奇心・探究心を育むことを目的として「教科センター方式」の教室運営を採用する同志社中学校・高等学校。これと融合する形でICT機器の導入を進め、2014年度新入生から思考ツールとして生徒1人1台のiPad導入を進めている。

 同校の反田任先生に聞いた。

--ICT導入の主な目的を教えてください。

 知的好奇心・探究心を活性化する思考ツールとしてのiPad mini、学習に関するさまざまな情報や教材を提供する学習ポータルサイトの活用で生徒がより主体的に学べる学習環境を目指し、さらにアクティブラーニングやコラボレーションにより「学びのNEXT STAGE」を目指しています。

--主に、どのように活用をされていますか。

 英語の発音練習や各授業でのプレゼンテーションの発表などに活用しています。iBooksやiTunesなどで制作した教材やテストの練習問題などを学習ポータルサイトからダウンロードして個別学習にも活用。また英和・和英・国語の電子辞書としても活用できます。

--導入により特に成果が得られたことは何でしょうか。

 1人1台のiPadを所持することにより、教員と生徒、生徒間相互の双方向の学習のやりとりが簡単にできるようになり、英語の音読指導など個別指導の幅も広がりました。また、学校、家庭で時間と場所に制約を受けない学びが可能になりました。

--導入に苦労された点は何でしょうか。

 人にかかわる面では教員の合意を得ること、iPadを活用するための教員研修、生徒の活用の指導など。また設備の面では2016年度には約900台のiPadが校内で稼働するため、授業がストップしないWi-Fiネットワークの構築と、MDM(Mobile Device Management)を用いたアプリのアップデートの管理方法などがあげられます。

--生徒さんの反応はいかがですか。

 わからないことがあればすぐにiPadで検索して調べることができ便利になったと感じているようです。また授業動画、音声教材、練習問題などを学習ポータルサイトからダウンロードし活用することによって、主体的に学習する傾向が多く見られるようになりました。

--ありがとうございました。

 「教育の情報化による学校の魅力創造セミナー」では、事例紹介のほか、文部科学省 生涯学習政策局情報教育課 情報教育振興室長の新津勝二氏による「教育改革の方向性と『教育の情報化』」、国立教育政策研究所 初等中等研究部/教育研究情報センター 総括研究官の白水始氏による「学校経営の観点からみたアクティブ・ラーニングの必要性と最新動向」の講演、パネルディスカッションが行われる。

◆教育の情報化による学校の魅力創造セミナー
日時:2016年2月25日(木) 13:00~17:30(休憩含む)/開場12:30
場所:品川シーズンテラスカンファレンス
 JR品川駅港南口(東口)より徒歩6分
対象:私立中学校・高等学校の経営幹部、校長、教頭、ICT担当教諭など
受講料:無料
定員:100名
参加方法:Webサイトのフォームより申し込む
主催:NTT東日本
共催:エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ
《編集部》

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