早稲田大学文房具倶楽部の活動とは? 2時間熱トーク

 早稲田大学文房具倶楽部は、早稲田大学だけでなく、上智大学、明治大学、立教大学など、様々な大学の学生が参加するインカレサークルです。文房具へのこだわり、好きな文房具などについて語っていただきました。

趣味・娯楽 大学生
早稲田大学文房具倶楽部。お集まりいただいた皆さんの集合写真
  • 早稲田大学文房具倶楽部。お集まりいただいた皆さんの集合写真
  • 早稲田大学文房具倶楽部の皆さんにインタビュー
  • 持ち寄ってくださったコレクションの一部
  • 大きな鉛筆を持つ、清水覧磨さん
  • お気に入りのビニールブリーフケーを持つ、副幹事長の小山彩乃さん
  • 文具店「カキモリ」で作ったオリジナルノートを持つ、貴志紫さん
  • シャー芯へのこだわりを語る貴志紫さん
  • たくさんコレクションしたシャーペンを前に、シャーペンの魅力を語る平林和将さん
 文房具好きが集まって、文房具についての愛を語り合ったり、遠足と称して文房具店めぐりをしたり。そんなユニークなサークルが、早稲田大学内にあるという情報をキャッチ! その名も早稲田大学文房具倶楽部。設立は2015年7月。早稲田大学だけでなく、上智大学、明治大学、立教大学など、様々な大学の学生が参加するインカレサークルです。

 早稲田大学戸山キャンパス内の、学生会館に集まってくれたのは、次の13人。さっそく、文房具へのこだわり、好きな文房具などについて語っていただきました。

<参加メンバー>
幹事長
 松本 拓真(まつもと たくま)早稲田大学教育学部3年 
副幹事長
 小山 彩乃(こやま あやの)早稲田大学法学部3年

 貴志 紫(きし ゆかり)日本大学芸術学部文芸学科4年
 清水 覧磨(しみず らんま)早稲田大学文化構想学部3年
 嶋田 涼(しまだ りょう)明治大学政治経済学部2年
 平林 和将(ひらばやし かずまさ)早稲田大学社会科学部2年
 要 雄大(かなめ ゆうだい)駒澤大学法学部1年
 小林シュバリエ武尊(こばやし しゅばりえ たける)早稲田大学 社会科学部2年
 山本 航己(やまもと こうき)早稲田大学商学部1年 
 齋藤 美穂(さいとう みほ)立教理学部化学科2年
 浅田 園子(あさま そのこ)早稲田大学文学部1年
 宮田 紗英(みやた さえ)立教大学現代心理学部2年
 川口 陽生(かわぐち はるき)武蔵野美術大学造形学部2年


◆文房具について語れる場所がほしかった

――最初に、早稲田文房具倶楽部の設立のきっかけを教えてください。

松本:まず、僕が文房具好きってことが大前提なんですけど、文房具好きって、ある程度の数いると思うんですよ。でも、集まれる空間が少ない。社会人の団体はいくつかあるのですが、若い人が集まれるところがそんなに多くない。それならサークルを立ち上げてみようかと。ふたを開けてみたら、意外と集まってくれて、現在メンバーは31人です。

――どんな活動をしているんですか?

松本:定例会が月1回。文房具を持ち寄って評価をしたり情報交換をしています。もう一つは、遠足と称する文房具店めぐり。最近はこちらの活動の方が増えていますね。これまで銀座の伊東屋、五十音(いろね)、月光荘、日本橋の丸善、表参道の小さな輸入文具屋さんや、文房具カフェにも行きました。今年の早稲田祭では何か展示もしたいと考えています。


◆好きな文房具を持っているとテンションが上がる!

――今日はみなさん、いろいろお気に入りの文房具を持ってきていただいていますが、まず、文房具が好きになったきっかけを聞かせていただけますか?

清水:僕はこのメンバーの中でいちばんこだわりが薄いと思うんですが、小学校のときに、文房具好きのいとこから、主に消しゴムですが大量に文具をもらって、面白いなと思ったのがきっかけですね。

小山:私は子どものときから、親が伊東屋とかによく連れていってくれたのがきっかけかも。小学校のときに初めて買った文房具は今でも覚えていますが、「ケシピヨ(コクヨ)」っていうヒヨコの形の修正テープでした。700円くらいしたと思います。今も文房具店めぐりが好きで、ネットで調べて気になる文房具店があったら実際に行ってチェックしますね。

貴志:私の場合は書くことが好きで、どうせ書くなら自分が好きなもの、カワイイもののほうがテンション上がるな~と思って探すようになりました。授業も好きなペンでノートを取ったほうがテンションもあがります!

平林:ついこの間まではこだわりとかなくて、そのへんのコンビニで買ったシャーペンを使っていたんですが、受験勉強のときに手が痛いからシャーペンを変えてみようと思って、「ユニ アルファゲル(三菱鉛筆)」を買ってみたら意外によくて。100円のを600円のに変えたらこんなに違うんだと衝撃を受けてしまって(笑)、他にもないか探し始めたのがきっかけですね。

◆小3までは眺めるだけ、小5で手に触れ、中1で爆買いに!

山本:父が建築家で、家に製図用シャーペンがめちゃくちゃいっぱいあるんですよ。小3くらいからずっと見ていて、小5の頃には勝手に手にとっていじるようになり、中1から爆買いを始めたんです。その頃の小遣いが月3000円だったんですけど、2500円くらいは文房具に使っていました(笑)。

小林:翻訳会社で中高の時にアルバイトをしていたんですが、そこでボールペン、ゲルインクペンを経て、万年筆に出会うわけです。自分の志向を追求していくと万年筆に行きついたというか…筆記用具としては万年筆が最高峰ですね。

齋藤:中3のときに東急ハンズにはまって、ポイントを貯めたい一心で通いつめました。100円で1ポイントもらえるんですが、年間で1000ポイントだから、1年で10万円くらい文房具につぎ込みましたねー。

浅田:小学校のとき、進研ゼミをやっていたのですが、テストを提出するとポイントがもらえて、いくつか貯まると文房具などと交換してくれるんです。それで文房具っておもしろいなと。もう一つのきっかけは、小学校までシャーペン禁止だったのですが、中学校からOKになって、初めて買ったのが「ユニ アルファゲル」。グリップが柔らかくて使いやすく、「へえ~、シャーペンにもいろいろあるんだ」と興味を持って、まず、シャーペンにはまったのが始まりです。

川口:幼い頃から絵が好きで、いろいろな鉛筆で書き味を試したのがたぶん最初のきっかけですね。もう一つは、中高のときにペン習字が義務付けられていて、年間600枚くらい提出しなければならなかったんです。それが嫌で、なんとか楽にさらさら早く書けないかと、友だちと試行錯誤してペンを研究したのが次のきっかけかもしれません。結果的に、親に中学入学祝いでもらったパイロットの5000円くらいのボールペンが一番書きやすかったです。


◆使うから、というより作り手の工夫に感動して買ってしまう

宮田:小さい頃、親と出かけるときに、文房具店に行くのが好きでした。私にとって文房具店はテーマパークみたいなも。新しいもの、見たことのないものがいっぱいあるというのが楽しくて、気づいたら文房具の奥深さにすごくはまってしまいました。たとえば、ファイル一つとっても、各メーカーさんがそれぞれに知恵を絞っているじゃないですか。「なるほど、そうきたか」「よくそこに気づいたな」みたいな工夫がすっごくたくさんあって。文房具はもちろん自分が使うから買うんですが、作り手の工夫に感動して買ってしまうことも結構あります。

嶋田:叔母が趣味で絵を描いていて、小3か4の頃、いろいろな鉛筆を売っている文房具店に連れて行ってくれたことがあるんです。そのときに、メーカーによってかなり書き味が違うなって思ったのが文房具に興味をもったきっかけですね。各メーカーの鉛筆を1種類ずつ買って、書き味を試していました。そのとき一番好きだったのは「ファーバーカステル9000」です。

小6までは田舎に住んでいて文房具店が全然なかったんですが、中学生になって引っ越した先には文房具店があり、そこで初めていろいろなノートを見ました。ノートに試し書きをして、「ものの書き味は、ペンだけではなくて、紙でも決まるんだ」と気づき、今度はノートにはまりました。中高で一番使っていたのは、コクヨの「フィラーノート」。シャーペンってあまりつるつるの紙では書きづらい。「フィラーノート」の質感が、シャーペンには一番合うと思いますね。

◆シャーペン競争が高じて廃番シャーペン探しの旅へ!?

要:中1のころ、友だちからシャーペンを借りたんですよ。それが「シャープペン グラフ1000(ぺんてる)」というもので、すごく書きやすくて。普段、「ドクターグリップ(パイロット)」とか「クルトガ(三菱鉛筆)」とか使ってたんですけど、このシャーペンを使ったときに、なんか“きた”んですよ。マットブラックでスリムで、なにより書きやすい。すっごいはまって。このシャーペンよりももっといいのはないかな、と池袋の世界堂に行って、「ロットリング500」を見つけたんです。すると、友達も競い出して、さらにすごそうなシャーペンを持ってきたんですよ。それで僕もヒートアップして、廃番シャーペンを探す旅へと至るわけです。

――なんかすごいことになってきましたね! 詳しい話は後ほどお聞きするとして、最後に、松本幹事長の、文房具好きになったきっかけをお聞きしましょうか。

松本:小学校の頃に親にOHTOの万年筆を買ってもらったのですが、万年筆って書き味はよくないってイメージがあったんですけど、想像していたより全然書き味がよくて感動してしまって。それと、もともと古いもの、レトロなものが好きで、万年筆も僕の中では古いものというイメージがあって、そのふたつが合致して、万年筆に一気にはまっていきました。万年筆から派生して今に至っていますね。


◆シャー芯は0.5じゃないほうが“らしくて”カッコいい!

――みなさんのハンパない探究心に脱帽です! では、いろいろある中で一番好きな文房具について熱く語っていただきましょうか。

清水:僕はこの文具が好き、というより、面白いものが好きなんです。消しゴムなんかは、色々な形のものがあるし、パロディっぽいものが多いので好きですね。観光地でよく売っている、大きな鉛筆とかペンも面白くて好きです。(写真4枚目)

小山:海外のものが好きですね。最近のお気に入りは、オーストリアで買った、SAXのハサミ。SAXって、オーストリア唯一の文具メーカーなんです。日本にはまだ輸入されていなくて、手に入りにくいので、そういうのには惹かれます。

デルフォニックスの「ビニールブリーフケース」も気に入ってますね。透明で中身がわかるし、大きさがいろいろあって、使いやすくて、しかも安い。たくさん買って使い分けています。(写真5枚目)

万年筆も好きですね。今使っているのはセーラー万年筆の「雪椿」。講義ノートは万年筆で取っています。万年筆は筆圧をかけなくてもさらさら書けて楽なんです。

貴志:蔵前にある「カキモリ」という文具屋さんで作ってくれるオリジナルノートを愛用しています。表紙や中の紙、リング、留め具を数種類の中から選べて自分だけのノートが作れるんです。(写真6枚目)

シャーペンは製図用のが好きです。シャー芯は、0.5ではなく、0.2、0.3、0.7のもの。そのほうがそれっぽくてカッコいいかなと思って。(写真7枚目)

平林:僕は文房具にはまり始めて日が浅いので、それほど持っていないのですが(と、軽く200本くらいありそうなシャーペンを取り出す)、なかなかこれというお気に入りが見つからなくて、週1回ずつくらい、筆箱の中身を変えていますね。高価なものよりも、中が透けてみえるような安っぽいものが好きです。芯は、0.3、0.4、0.5、0.9のを持っていて、気分で使い分けています。気に入ったもので書く方がテンションがあがるので、常に、5~6本を手元に並べて、ローテーションしながら使ってます。(写真8枚目)

◆万年筆の魅力は“尻に敷かれている感”

山本:製図用シャーペンから文具にはまって、受験勉強のときにマークシート用にいいかもと思い、芯フォルダーにはまり、その後万年筆にはまって今に至ります。万年筆のペン先はイリジウムという金属でできていて、先端がずれたりすると書き味が悪くなるんですが、先日、新宿のキングダムノートという万年筆屋で、「ペンクリニック」というイベントがあったので、そこで、万年筆の先端をペンドクターに調整してもらいました。(写真9枚目)

小林:私はペン先は川窪万年筆さんで調整して貰ってます。万年筆の魅力はなんといっても“尻に敷かれている感”です。「どうも~、使わせていただきます」「今日は天気が悪くて調子悪いですよね~」と、会話をするような気持ちで書かせていただいています。万年筆って、とくにセーラーのは、湿度が高かったりするとご機嫌斜めになるときがあるんです…。(写真10枚目と11枚目)

齋藤:今はまっているのはファイルですね。アルバイト先で、書類を整理するのにいろいろなファイルを使うんですが、たくさん使っていると、これ使いやすいな、とかだんだんわかってくるんです。何度もめくって紙が傷んでくるときに使う、ルーズリーフの補強シールは、コクヨの「ワンパッチスタンプ」というのがハンコを押すみたいに使えて便利です。こういうアイデア文房具は好きですね。(写真12枚目)

浅田:私はそのときどきではまるものが違うんですが、最初はシャーペン、次に筆箱とかいろいろ変わって、今は手帳にはまっていますね。今使っている手帳は、スケジュール表が1時間刻みのバーチカルになっていて、30分のところに点が打ってあるんです。30分刻みでスケジュールを入れられるので時間管理が上手にできるところが気に入っています。(写真13枚目)


◆お気に入りの文具をながめ、ひとり、ふふっとほくそ笑む…

川口:美大生なので、受験のときに鉛筆デッサンをたくさん描いていました。デッサンって、鉛筆によって仕上がりがかなり違うんですよ。ステッドラーは堅くて色が上品なのですが仕上がりが薄っぺらくなる気がしてあまり使っていませんでした。「ハイユニ(三菱鉛筆)」だと元気がよすぎるというか、かなり濃い。結局、一番安い「ユニ(三菱鉛筆)」が一番のお気に入りでしたね。ファーバーカステルは「ユニ」と似た感じでした。(写真14枚目)

宮田:最近見つけたもので気に入っているのは、オルファの「ミシン目カッター」。切り取り線を簡単に入れることができるんです。今年の手帳は自分で手作りしたのですが、市販の手帳にもよくある、使ったページの端をちぎっていくミシン目も、この「ミシン目カッター」でつけました。(写真15枚目と16枚目)

もう一つ気に入っているのが、ヴィレッジヴァンガードかどこかで小さいときに買ったヒヨコの電卓。ときどき眺めては一人「ふふっ」て幸せな気持ちになります。

◆一筆箋を添えると提出物が遅れても逆にほめられた!?

嶋田:ペンと紙によって書き味が変わることを発見してから、いろいろな紙を買って試し書きをするようになったのですが、小さい紙のほうが便利だと思って、一筆箋にはまるようになりました。親に、「○月○日は夕食はいらないよ」とか、「教科書代○円をよろしく」とか、伝言をするときも全部一筆箋に書いています。高校のとき、先生に提出物を出すのが遅れたときに一筆箋で「遅れて申し訳ありません」とか書いて出すと、先生は逆にほめてくれましたね。(写真17枚目と18枚目)

もう一つのお気に入りはキャップ付きシャーペン。手の届く値段でのキャップ付きシャーペンって、「シャープペン ZOOM 505(トンボ鉛筆)」と、「ケリー(ぺんてる)」しかないんですよ。シャーペンって尖っているので胸ポケットに刺しておくと、穴が空いたりするんですけど、キャップ付きなら大丈夫なので。(写真19枚目)


◆文房具を極めると廃番、復刻版に行きつく?

要:友人との競争がヒートアップしたことから廃番シャーペンに目覚め、自転車で個人商店をめぐったり、電車でめぐったりするようになりました。これがなかなかのギャンブルで、電車代で3000円くらい出したのに、一本も見つからなかったり。逆に、嬉しかったのが、自転車で、所沢まで行って、そこで自分が一番目標としていた、廃番シャーペンを集めている人なら誰でも知っている、ぺんてるの昔の最高筆記具の「メカニカル」を見つけたんです。それが2本もあって。本当に嬉しくて思わず店員さんと握手してしまいました。そしたら半額にしてくれて。(写真20枚目)

文具店めぐりは、シャーペンを見つける楽しさもあるんですけど、しっくりくる街並みとか哀愁の漂う個人商店にめぐりあったりとか、いろいろなよさがあると思います。(写真21枚目)

松本:とにかく古いものが好きで、骨董市で文房具を買ったりもしますね。この万年筆は、静岡の骨董市で見つけたもので、戦前の万年筆。もう書けないんですが。これは一見万年筆に見えますが、実は千枚通しなんですよ。昔、紙に穴をあけてこよりで綴じていたときに使われていたものです。反対側はマイナスドライバーになっていて。これも骨董市で見つけました。

クリップ入れにしているのは60年前のマッチ箱、定規セットは70年前のものですね(写真22枚目) それと、基本、鉛筆は「肥後守(ひごのかみ)」で削りますね。(写真23枚目)

授業のノートは万年筆で取ります。万年筆がレトロなんで、ノートもそれに合わせて、コクヨの「装丁ノート」を使っています。(写真24枚目) これは100年前の、コクヨ創業当時の洋式帳簿を彷彿とさせるデザインで、歴史ある企業だからこそのブランド力を感じさせますよね。1冊1260円(税込)と、ノートにしては高価なので最初のひと書きに勇気がいりますが(笑)。

――みなさん、まだまだお話が尽きないようですが、続きはまた次回の定例会で! 今日は遅くまでありがとうございました!
(取材日:2016年6月8日)


なんとなく集まって文具愛を語る、ゆるーいサークルかと思っていたらとんでもない。2時間ぶっ通しの熱いトーク。「私のなんて大したことないですから」と言いつつ、ひとたびしゃべり出すと止まらない、一人ひとりの文房具への愛がハンパない! 小3にして、メーカーごとの鉛筆の書き味の違いに気づいてしまう繊細さ、廃番シャーペンを探して放浪する男のロマン、万年筆の尻に敷かれてしまうアブナイ耽溺……。恐れ入りました! 早稲田祭でのご活躍、期待しています!

文房具への情熱をひたすら語る! 早稲田大学文房具倶楽部を潜入ルポ

《石井栄子》

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