学校図書館の百科事典・図鑑、半数以上は刊行後10年経過

 文部科学省による平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果、百科事典や図鑑などを配備している学校は全国92.2%。そのうち、小学校・中学校・高校のいずれも10年以上経過した書籍を配備していることがわかった。

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写真はイメージです
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  • 百科事典や図鑑などの共通教材の配備状況
  • 司書教諭の発令状況 平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について
  • 学校図書館における物的整備の状況 平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について
 文部科学省による平成28年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果、百科事典や図鑑などを配備している学校は全国の92.2%。そのうち、小学校・中学校・高校のいずれも、半数以上が10年以上経過した辞典、図鑑を配備していることがわかった。

 文部科学省は、学校図書館に関する行政上の参考とするため、都道府県教育委員会などを通じて学校図書館の現状に関する調査を行っている。10月に発表された概要報告によると、平成28年の4月1日現在の司書教諭の発令状況は小学校・中学校・高校全体で68.0%と、平成27年度66.2%より1.8ポイント増加した。12学級以上の学校における発令状況を見ると、本来は12学級以上の学校は必ず司書教諭を置かなければならないが、産休に入った職員が出たなどの理由により、全体としては98%程度の配置状況となっている。

 蔵書の整備状況を平成27年度末時点における学校図書館図書標準の達成学校数の割合で見ると、小学校は前年度60.3%から66.4%へ、中学校は20.5%から55.3%へ上昇。図書標準の達成学校割合は年々増加傾向にあるが、依然として小学校6割強、中学校5割強にとどまっていることがわかる。

 百科事典・図鑑など、共通教材の配置状況はそれぞれ、小学校95.0%、中学校94.1%、高校96.3%と、ほぼすべての学校に蔵書されていることがわかる。しかし、刊行後の年数は小学校55.3%、中学校62.6%、高校86.6%が「10年以上」と答えており、蔵書されている百科事典や図鑑に掲載されているデータが古い可能性が高い。

 文部科学省は今後、作成した「学校図書館ガイドライン」のほか、平成26年に学校図書館法の一部改正により法制化された学校司書に関するモデルカリキュラムを策定し、普及と浸透に努めるとしている。
《佐藤亜希》

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