主婦が始めた「算数大会」キャンセル待ちの秘密<前編>

 1人の主婦が始めた計算大会に400人も集まる、しかもキャンセル待ちまで出ているという人気イベント「計算大会すぎなみkids杯」に行ってみました。

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最後に参加賞を頂いて帰ります。結果は来年の1月に通知されます。
  • 最後に参加賞を頂いて帰ります。結果は来年の1月に通知されます。
  • すぎなみkids代表の西端麻理子さん。
  • 「和差積商一本方式」考案者の山田幸子さん(向かって左)と、すぎなみkids代表の西端麻理子さん(同右)
  • 親子4人で受けに来ました。1週間毎日特訓もしたとか。
  • 家族5人で挑戦。参加のきっかけは長男くんの「参加しよう」の一言で決まったそうです。ノリのよいご家族でした。
  • はじまるまで緊張の様子。
  • 好評の「中学高校で役立つ算数力」(山田幸子著)も配布。山田先生は、ピンクの暗記ペン・チェックルがお気に入りだそうです。
  • 参加賞には文房具類が。
 近年、理系離れや日本の数学力の低下という言葉をよく耳にします。実際のところ、どれだけ興味関心を集めているのでしょうか。

 試しに筆者が「○○離れ」と純粋に想起するワードを、googleのキーワードプランナーで調べてみると、「理系離れ」は「ビール離れ」と同スコア、「TV離れ」の2倍のスコアという結果でした。このことからも、結構な関心事といえるのではないでしょうか。

 そんな世の中ではありますが、子どもたちに計算と慣れ親しんでほしいという思いで、1人の主婦が始めた計算大会に400人も集まる、しかもキャンセル待ちまで出ていると聞きました。その人気イベントが「計算大会すぎなみkids杯」。これは一目見てみたいと思い、12月4日(日)15時の最終回に、取材に伺って参りました。

 開催場所は東京都杉並区にある高井戸小学校。京王井の頭線の高井戸駅から徒歩2分の好立地。さすが都会の小学校です。家庭科室とランチルームを会場にしており、はじまる1時間前から教室の前に人が並び始めました。計算大会というだけで、筆者に妙な高学歴バイアスがかかってしまうのか、みなさん凛々しい賢そうなお顔をしていらっしゃるように見えます。

 開始前は、緊張でややそわそわしているものの、みんな待ち遠しそうです。お子さんだけ参加して、親御さんは会場の外で待つという方や、一家5人で参加というご家族もおられました。中には1週間毎日練習してきたという親子も。

 冒頭では、主催の「すぎなみkids」代表の西端麻理子さんから、丁寧に大会のルールが説明され、「勉強ではなく遊びなので、楽しんでください。」というイベントの主旨が伝えられました。

 この計算大会は「和差積商一本方式」という、ネーミングは難しいのですが、足し算さえできれば参加できる簡単な計算方式を採用しています。例えば「6□4」という算式があり、□のなかに「+(和)」「-(差)」「×(積)」「÷(商)」を入れた時の解答を書いていきます。それぞれ、「10」「2」「24」「3/2」が解になります。ここに参加ハードルが低い秘密がありました。ひたすら足し算のみを解くというのもアリなのです。問題は計1000問で、時間内にできるところまでひたすら解き続けます。

 解答時間は20分。いよいよ始まるとみなさん一斉にひたすら計算を始め、教室内には「カツカツ」と、ただ鉛筆の音だけが響き渡ります。

 終了後は、みなさん笑顔。計算で笑顔になるなんて、なんて素敵なイベントでしょう。感想を伺ってみると、

「もう1回やりたい!」(小学生・男の子)
「思ったより時間がなかった。」(小学生・女の子)
「隣で回答している息子の計算が早くてビビりました。(笑)」(一緒に参加したお母さん)
「親子でできたので楽しかった。」(家族で参加のお母さん)

など、みなさん笑みを浮かべながら話してくれました。勉強をしながら、親子のコミュニケーションにもつながる行事だということがわかります。

 代表の西端さんは、来年は区を飛び出して世田谷区へ、その先は東京を出て大阪に進出、最終的には全国に広めていきたいと計画を話してくださいました。子育てで忙しい2児の母親がなぜこのような計算大会を始めたのか、西端さんと、「和差積商一本方式」を考案した山田幸子さんにインタビューさせて頂きましたので、明日、ご紹介します!
(明日・次回に続く。)

1人の主婦がはじめた、キャンセル待ちが出るほど人気の「計算大会」の秘密・前編

《防災訓練生.S》

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