【高校受験2018】都立高入試、インフルエンザによる不受検に対応

 東京都教育委員会は7月27日、「平成30年度(2018年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」を公表した。これまでの入試における成果と課題とともに、平成30年度入試以降の改善策をまとめている。

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  • 検討委員会による報告書の概要
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 東京都教育委員会は7月27日、「平成30年度(2018年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」を公表した。これまでの入試における成果と課題とともに、平成30年度入試以降の改善策をまとめている。

 都教育委員会は、平成29年5月に検討委員会を設置。平成29年度入学者選抜の検証を行う中で、これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、平成30年度入学者選抜以降の改善策などについて検討を行ってきた。報告書は、「推薦に基づく選抜の改善」「学力検査に基づく選抜の改善」「再発防止・改善策に基づく採点・点検の取組み」「その他の制度」の4項目について記している。

 平成28年度入学者選抜から制度変更が行われた学力検査に関しては、入試制度が生徒や保護者にとって理解しやすくなったと評価。また、面接などの検査は、各学校が求める生徒を選抜する方法の1つとして有効だとし、学校が面接を必要とする場合、その時間を可能な限り確保できるよう、入学者選抜業務の効率化を図る必要があるとしている。

 平成29年3月末の段階で、「学力検査等得点表」の開示の請求件数は約7,000件、「答案の本人への開示」については約5,000件あったという。この開示は、採点誤りによる不合格を防ぐ目的で導入した簡易開示だったが、新年度に入っても申請が数多くあるため、高校におけるさまざまな業務と重なり、十分な対応ができない状況にある。検討委員会では、開示請求を求める者の8割以上を合格者が占めていることから、開示時期を合格者と不合格者とで別に定める考えを示している。

 また、平成30年度入学者選抜からの実施に向けて、インフルエンザなどの罹患により、第1次募集で不受検であった学校の受検機会を確保する仕組みを構築する。具体的には、インフルエンザによる不受検者に対応した選抜を、分割後期募集・全日制第2次募集と同日程で実施。選抜方法は、分割後期募集・全日制第2次募集の共通問題を使用した、国語・数学・外国語(英語)の3教科の学力検査および面接などを基本とするとしているが、詳細については引き続き検討を行うという。

 そのほか、都外在住者で入学日までに都内に転入することが確実な者の応募資格に関して、保護者が父母の場合は両方と都内に同居することが要件となっていた点を、さまざまな家族の形態があることに配慮。やむを得ない事情でどちらか一方が都内に志願者と同居できない場合、その理由を出願時に明らかにし、審査をしたうえで応募資格の有無を判断するよう変更する。

 東京都教育委員会では、これらの報告を踏まえ、9月に平成30年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目で詳細を定める。中学校や高校、関係機関のほか、中学校や保護者に対しても、改善の趣旨や変更点について、十分な周知を行っていく。なお、報告書はWebサイトにて公開されており、誰でも閲覧できる。
《黄金崎綾乃》

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