「東大合格生のノートはかならず美しい」著者が伝授、親ができる2つのこと

教育・受験 小学生

ノートを書くときの6つの約束
  • ノートを書くときの6つの約束
  • 毎日、息子にやってもらいたいことをノートに書いています。学校や習い事の宿題などを忘れないように。私が不在でも一人でできるように。叱った日には落書きされることも(笑)
  • 太田あや著 『東大合格生が小学生だったときのノート』 講談社より発売中  Copyright (C) Kodansha Ltd. All Rights Reserved.
 9年前の2008年の8月、東大生のノートを取材しまとめた『東大合格生のノートはかならず美しい』の制作の佳境に入っていました。いろんな方に迷惑をかけながらも、なんとか出来上がった本を見たとき嬉しさとともに、「ノート」というテーマはこれで終わり。次はどんなテーマを追いかけたらいいのかな、なんて考えていました。それなのに今では「ノート」や「書く」というテーマは私の1つのライフワークのようになっています。

 時期ごとに興味のあるテーマをやりながらも、その一方で「ノート」というテーマは私から離れることはありませんでした。ノートの本を一冊出版する度に疲労困憊し、「これでノートの本は終わり!もう書けない」と勝手に終結宣言をし、そしてまた時間が経つと、掘り下げたいテーマがでてきたりして、またノートの本を書いているという。夫からは「宮崎駿方式!」と揶揄されながらも、何冊かノートの本を書いてきたのは、それだけノートを書くという行為は深く、とても大切なことだと感じてきたからだと思います。

 そして昨年、息子が小学生になり、自分の子どもにも「ノートの書き方」を伝えるということが始まりました。私にとっての実践編がスタートしたのです。毎日、学校で書いてくるノートを見ながら、とにかく書くことを楽しんで欲しい!という思いでいます。2年生の今はまだ書くだけで必死な息子ですが、いつか開いたノートに、出会ったばかりの新しい知識を書きとめ、興味ある世界がどんどん広がっていく、そんな喜びを体感して欲しいなと思っています。そしていつか、中学生以降からは、自分に合ったノートの書き方を見つけてくれたら…。

 そのために今、親としてできることは何か?一つはノートを書く基礎を身につけること、そして「書くことをいとわない子」にしてあげるということだと思っています。

◆小学生で身につけて欲しい基礎力は?

 小学生の間に身につけて欲しい力は、この連載の第3回から第8回で紹介した6つのテクニックです。(過去の連載記事はこちら)

 ノートは受け身ではなく、自分のための目的を持って書くことが大切です。それを前提としながら、丁寧に書く癖をつけていきます。3年生からは、黒板を写すだけではなく、心が動いたことも書くという習慣をつけてください。そして4年生以降は、よりテクニック的にノートを書いていきます。色を使う場合にはやみくもに何色も使うのではなく、ルールを決めて使う。ラインを引くことで編集しやすいノートを作る。さらには、プリントをノートに貼ることで必要な知識をノートに一元化するというテクニックを身につけていきます。これがこの先のノートの基礎力となります。

 中学生になると、定期テストが始まります。ここから、自分にとって勉強しやすいノートはどんなものかと模索が始まります。この時に、この小学生で身につけた6つの力が礎となってくれます。授業中を黒板以外に先生の解説や自分の疑問点を書くことができれば、定期テストの勉強に使える授業ノートを作り上げることができます。色ペンの使い方にルールがあれば、どこが重要かすぐに見直しができるノートが作れます。そして何より、自分のためにノートを書く気持ちがあれば、ノートはより進化してくはずです。

 授業で学んだ知識を起点として、ノートを書きながら目標に向けて知識を増やしたり、深めたりしていくことができるようになるのです。それができると勉強はますます楽しくなるはずです。

◆書くことをいとわない子にするために

 小学生の間は、ノートの基礎力をつけてあげると同時に、「書くことをいとわない子」にしてあげることも大切です。小さい頃に書くことが嫌いで仕方ないという子が、中学生以降「書くことが大好き!」となることはほとんどありません。(突然目覚める方もいるにはいるのですが…)。
 小学生の間にできるだけ書くことを楽しんでもらうためにどうしたらいいのか。親ができることを2つご紹介したいと思います。

>>「書くことをいとわない子」にする2つの方法は、次のページで


【書くことをいとわない子にするために親ができること】

1.ミスは分析の仕方を教える

 一つめは、ミスは叱るのではなく分析をしてください。計算ミスや漢字のミス、ノートの中で何度も繰り返されるとついつい叱りたくなります。でも、ミスを叱ってもお子さまは自信をなくすだけ。叱る親の方も嫌な感情が残ると思います。また、それが続くと、正解こそが正義だと思い答えを丸写しする子も出てきます。それでは意味がありませんし、楽しくありません。

 ミスした内容=お子さまの弱点は、成績を上げるためのキーです。その弱点を克服すれば、かならず成績は上がるのです。ミスを見つけたら叱るのではなく、その弱点を分析し、それを克服するための方法を考えたほうがより有益です。

 お子さまのミスには傾向があるはずです。ケアレスミスが多い、文章問題の読み間違えいが多い、もしくは分数の計算が理解できていないなど。その傾向を踏まえ「ケアレスミスが多いから、単純な計算問題をたくさんやろう」など克服法を一緒に考えてみてください。弱点を見つけ、それをつぶすための勉強をし、そして克服し達成感を得る。この自信が自ら学ぶ意欲、学ぶ楽しさへとつながってくれます。

2.親子で交換日記がおススメ

 そしてもう一つ。親子での交換日記をお勧めします。交換日記は、ノートを書くという基本を身につけ、そして思いを綴る、伝えるというコミュニケーションの力も養います。そして何よりも親子で書くことを楽しむことができます!

 ノートを選ぶ際は、書く項目が細かく分けられている交換日記用のノートは避けてください。それぞれの目的に合わせてノートを選ぶと良いでしょう。文章を書く力をつけてもらいたければ、縦書きの作文帳、楽しむことを優先するなら絵日記用のノートを選び、絵を描いたり、写真やシールを貼ったりして親子の思い出を記録していくこともできます。

 親子で交換日記をする際に注意することは、親が添削しなということ。字の間違え、ノートの使い方など気にある部分はあると思いますが、そこは目をつぶり、ご自身が書くページできちんとお手本になるよう、文章の書き方、ノートの使い方を伝えてあげてください。最初は出来なくても、親御さんが書くページを見て、お子さんも書き方が変わっていくはずです。

 また、親子の交換日記は、親が強要しては続きません。一番の目的は親子のコミュニケーション。あくまでもお互いが楽しみながらやるということが大切です。親子でどんなノートにしていきたいかを話し合い長ら始めてみてください。コミュニケーションをより深く取りながら、ノートや文章を書く力をつけていける。さらには、思い出となるようなノートを作ることができますよ。
交換日記はまだ始めていませんが、毎日、息子にやってもらいたいことをノートに書いています。家庭学習の習慣がつくように、学校や習い事の宿題などを忘れないように。私が不在でも一人でできるように。叱った日には落書きされることも(笑)
◆親も書くことを楽しもう!

 最近お会いしたある小学校の先生の言葉が印象に残っています。
 「子どもたちにノートを書かせるときに“楽しむ”をどれだけ意識していたか。自分自身も楽しんで教えていたのかな。少し振り返ってみたいですね」

 ノートを書くことをいとわない子にするためには、伝える大人側も書く喜びや楽しみを共に感じることも大切なのかだなとその時に思いました。もし私が何かを書く時に「あー面倒臭い」と言いながら書いていたら、きっと息子も書くことって辛いんだなと思ってしまいますよね。ノートを書くことは面倒臭いこともあります。大変だったりもします。日々、息子のノートを見て、良いところを見つけてあげてほめたり、叱ったり。あ~、疲れた~と投げ出したくなることもあります。

 そんな時、私は、息子が生まれた時に小学校時代の恩師が送ってくれた手紙を開きます。
 「子どもを育てる中でいろいろと考えることも出てくるでしょう。でも、親がずっと子どもをいつくしんで育ててきたのだという証があれば、子は少々のことを耐えて自分の道を歩んでいけると思う。それが成長の記録であり、学習ノートであるでしょう。一生、書くことをいとわない子に育つかどうかは、小学生のときの育て方、家庭環境で決まると思います」

 この先生の言葉が、私をいつも原点に戻してくれます。親が子どもをいつくしみ育てた証を残す。これが親子でノートづくりをするモチベーションなんだと感じています。 

 ということで、今回でこの連載は最終回です。これまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました!これからもまた、本や記事、講演会を通して、ノートの書き方をお伝えしていきたいと思っております。「書くことをいとわない子」が一人でも増えることを祈りながら。

【小学生のノート力】子どものノート力を上げるために親ができること

《太田あや》

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