アワード全体を振り返って
最後に、今回のキャンパスアワード2018全体を通しての総評をいただきました。
「選ばれなかったからといって作品がよくないわけではない」林亮太さん
事前資料で、全作品の写真は見ていたのですが、実際に原画を見てみると、印象が全然違う。絵に強さがあります。どの作品も、「これを描きたい」という強い気持ちが伝わってきますね。
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「絵を描く者として審査される側の気持ちが痛いほどわかります」色鉛筆画家・林亮太さん
僕も、同じ絵を描く人間として、自分の作品が審査で落とされる気持ちはわかるので、作品を選ぶときには心が痛みました。でも、選ばれなかったからといって、作品がよくないわけではないんです。それを知ってもらうためにも、賞から外れてしまった作品も含めて展覧会を開催し、原画を見てもらえる機会ができるといいですよね。このアワードもそうですが、発表の機会は、中高生にとって、とても励みになると思います。
「大人をびっくりさせてやろう!という意気込みが伝わる」芦沢ムネトさん
第1回目から審査員として参加し、今回が4回目。年々作品のレベルが上がっているのを感じますね。ただ上手になっているだけでなく、「大人をびっくりさせてやろう!」という意気込みを感じさせる作品が増えている気がします。こっちも負けていられないですね!(笑)
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第1回から審査員として参加している芦沢ムネトさん
前回の受賞者の後輩が先輩の意志を継いで応募するなど、今回も数々のドラマがありました。絵を通して子どもたちの成長を見守っているような気持ちになります。審査に参加できて嬉しいです。
「作者の気持ちを知ると、どの作品も愛おしい」ベックさん
去年も選考にすごく悩みました。絵だけでなく、絵の裏に書かれた、作者のコメントを読むと「あ~、こんな思いで描いたんだなあ」と理解が深まって、また違った良さが見えてくる。どの作品も愛おしくなって、ますます決めかねてしまいます。
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作者のコメントにも熱心に目を通す姿が印象的だったベックさん
今回賞に選ばれなかった作品の中にも、好きな絵がたくさんあります。これから応募する方は、どうせ選ばれないかも、とネガティブに考えないで、勇気を出して応募してほしいです。これからもいろいろな作品が集まるのを楽しみにしています!
<取材を終えて>
第2回目から、この審査会を取材している筆者。私が見ても、作品のレベルが年々アップしているのが感じられ、その中から3点に絞るのは至難の業だと思います。
迷いつつ付箋を貼ったりはがしたりする審査員たち。最後は、選外になった作品たちに「ごめんね」の声をかける優しい審査会です。取材を通して、賞に選ばれなかったものもすべて心のこもった素晴らしい作品だということがよくわかります。
「忘れられつつある地元の伝統行事を守りたい」「自分の大好きな地元の名物を広く知ってほしい」など、作品に込められた想いに思わず胸が熱くなりました。来年も、皆さんの作品を楽しみにしています!