■ストーリー
フランスが誇る名門アンリ4世高校の教師フランソワはある日、パリ郊外の教育困難中学に送り込まれる。フランソワにとって、移民をはじめ様々なルーツを持つ生徒たちの名前を読み上げるのもひと苦労。カルチャーショックに打ちのめされながらも、ベテラン教師の意地で問題児たちと格闘していく。そんな中、お調子者のセドゥが遠足で訪れたベルサイユ宮殿でトラブルを起こし、退学処分に。フランソワはこれまで感じたことのなかった使命感から、彼の未来を守るための戦いに挑む…。
フランスで現在、大きな社会問題となっているのは、移民の子どもたちが直面する学力低下と教育の不平等。日本でもこうした教育問題は度々報道されている。監督のオリヴィエ・アヤシュ=ヴィダルは、よりリアルな教育現場を描くために中学校に2年間通い、500名の生徒と40名の教師と共に学校生活を送り、本作を完成させた。監督の入念な取材の結果、教育問題という難しいテーマを扱いながら、トラブルだらけの生徒たちと堅物なフランソワの交流と成長がリアルに描かれる感動作が誕生した。
この度解禁された予告編では、名門校で教えるエリート教師フランソワが、様々な問題を抱える生徒が集まる郊外の学校への異動で、あらゆる壁にぶつかる様子が描かれる。
少し威圧的すぎるのでは? と感じる名門校での授業風景から一転、赴任した学校では生徒の名前を覚えるにもひと苦労のフランソワ。赴任先の学校は、移民・貧困・学力低下など、フランス社会が抱える問題のまさに真っただ中にいる子どもたちばかりで、「生徒の半分は役立たずだ」と半ば諦めている教師さえ少なくない。そんな中、フランソワは決して諦めず、生徒一人一人と真剣に向き合う。
勉強を教える“教師”である前に“人”として生徒たちに接し、時にはぶつかるフランソワの姿にこそ焦点を当てたことで、生徒たちが次第に心を開いていき、笑顔をのぞかせるシーンは強く胸に迫る。
『12か月の未来図』は4月6日(土)より岩波ホールほか全国にて公開。