【高校受験2020】京都府公立高校入試「計画を立てる力」が鍵…京進

 受験生と保護者が知っておくべき京都府公立高校受験の状況や学習法について、京都府の高校受験に詳しい学習塾、京進の京都エリア統括責任者 小林良氏に話を聞いた。2020年度入試合格に向けた夏休みの過ごし方や、人気校の出題傾向、学習法を紹介する。

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京進 京都エリア統括責任者 小林良氏
  • 京進 京都エリア統括責任者 小林良氏
  • 京進 京都エリア統括責任者 小林良氏
  • 京進 京都エリア統括責任者 小林良氏と滋賀エリア統括責任者 大北卓氏
  • 京進オリジナル「リーチング学習手帳」
 例年、前期選抜・中期選抜に分けて実施される、京都府の公立高等学校入学者選抜。中期選抜を実施したのち、相当の欠員が生じている場合には後期選抜が実施されることがある。選抜制度は2014年度(平成26年度)から大きく変更されているので、注意が必要だ。

 受験生自身はもちろん、保護者も知っておくべき京都府公立高校入試の状況や学習法について、京都府の高校受験に詳しい「京進」京都エリア統括責任者の小林良氏に話を聞いた。2019年度入試を振り返り、合格に向けた夏休みの過ごし方や、人気校の出題傾向を紹介する。

2019年度高校入試の振り返り



--2019年度入試を振り返って、変化や出題傾向から2020年度高校入試に向けて学習するべきポイントを教えてください。

 ここ数年の入試傾向に大きな変化はなく、来年もこの傾向は続くと思われます。合格に向けてまず必要なのは、幅広い知識です。さまざまな分野から出題されますので、どの分野においても基礎知識をしっかりと固めて、苦手分野を作らないことが大切です。

 次に、問題文、グラフや資料から必要な情報をすばやく読み取り、自分のもつ知識と融合させて解答を導き出す力を身に付けるということも重要です。

 最後に、記述問題対策です。問題を正確に読み取ることが重要なのは言うまでもありませんが、そこから解答に必要な内容を自分自身の言葉でまとめていく力も大切です。この力は一朝一夕には身につきませんので、さまざまな角度から問われる問題に数多くあたり、日頃からなぜその解き方や答えになるのかという理由を考えながら学習すると良いでしょう。

--人気校に変化はありましたか。

 公立高校では堀川高校探究学科群西京高校エンタープライジング科嵯峨野高校京都こすもす科といった専門学科が変わらず人気です。入試難度も年々高くなっています。東大寺学園高校、洛南高校といった難関私立高校と併願する生徒も多く、合格には高い学力が必要です。

--前期選抜専門学科への合格を目指す生徒に必要な力はどのようなものでしょうか。

 多くの受験生が志望する前期選抜専門学科の独自問題を見ると、大学入試を意識して作られているように思えます。思考力を問われる特徴的な独自問題への対策は不可欠です。しかしながら、学習指導要領、教科書内容を逸脱する出題はありません。高度で細かい知識の詰め込み学習をする必要はなく、基本的な教科書レベルの知識を「どう使うか」が重要です。

--中期選抜への対策について心がけたいポイントを教えてください。

 中期選抜では、学力検査200点、内申点195点と、ほぼ同じ比率であることから、内申点がかなり重要になります。中1・中2から定期テスト対策はもちろんのこと、提出物などについてもしっかりと取り組んでおきたいところです。入試問題は、前期選抜に比べると解きやすい問題が多いので、苦手分野をできるだけ作らないよう、まんべんなく学習しましょう。英語は長文を時間内に読む練習をしておくこと、数学は最初の計算問題を始めとした基本レベルの問題を落とさないよう基礎を固めることを心がけましょう。国語は入試対策としては過去問練習が効果的です。理科・社会は教科書の内容を中心に出題されるので、確実に得点源にすることが可能です。早めに基本的な知識を固めておきましょう。

京進 京都エリア統括責任者 小林良氏京進 京都エリア統括責任者 小林良氏

--専門学科独自問題の学習ポイントを教えてください。

英語


 最大の特徴は、読解問題が長いということです。注釈があるとはいえ、未習の単語も多く使われています。時間内に解き終わるための練習と対策に取り組む必要があります。また、リスニング問題の配点も低くありませんので、日頃から英語を「聞く」「話す」ということにも意識して学習しましょう。

数学


 数、図形、確率など、各分野からバランスよく出題されます。さまざまな問題に取り組み、初めて見るパターンの問題でも、自分で解法を考えて解き進める力を身に付けましょう。

国語


 大学入試で頻出の「言い換えなさい」や「説明しなさい」といった出題が多く見られます。似た傾向の入試問題などで練習しておきましょう。

理科・社会


 細かく難しい知識を詰め込む必要はありません。一見「習っていない」と思えるような問題でも、資料や実験結果をヒントに考えていくことができます。求められているのは丸暗記の知識ではなく、それぞれの史実や事象にたどり着くための過程を自分の言葉で説明できる力です。

教育改革・大学入試改革に向けて、京都府の新しい取組み



--2020年の教育改革、大学入試改革に向けて、京都府の高等学校では新しい取組みや、学習における変化はありますでしょうか。

 先日、京都府教育委員会が、公立高校入試の改革について2019年度から検討を始めるという報道がありました。2021年度から中学校で新たな学習指導要領が全面実施されるのを見据え、問題内容のあり方や新試験の導入時期などが議論されています。

 特に英語では「読む」「書く」「聞く」に「話す」を加えた4技能を学ぶことになりますが、現行の入試制度では評価できない点も多いため、各市町の教育委員会や中学、高校とも連携して改革を具体化させるようです。英語の「話す」をどう測るかといったことなどが改革の焦点になるとみられています。

保護者、子ども、それぞれの悩み



--受験に向けて保護者は心配事が多いのではないかと思います。保護者からはどのような相談が多いのでしょうか。

 「子どもから勉強に対する真剣さが感じられなくて焦る」「なかなかやる気になってくれない」と仰る保護者の方は多くいらっしゃいます。まったく勉強しないわけではないけれど、受験するのは本人なのにどこか他人事のような…と感じられる場合は、やる気がないわけではなく「ゴールが明確に意識できていない」ことが原因であることも考えられます。

 「このままじゃ合格しない」というように焦りを煽るよりも、前向きにやる気を引き出すほうが効果的です。具体的には、なぜ今の志望校に決めたのかということをじっくり話す機会をもったり、学校見学に行ったりと、志望校への思いを確認することをお勧めします。また、漠然と勉強するのではなく「どこまで学力を伸ばせばいいのか」という勉強のゴールを偏差値や内申点で確認し、そこに到達するための具体的な計画を立てることも大切です。学校や塾の先生に積極的に相談すると良いと思います。

--実際に受験する生徒自身からはどのような相談が多いのでしょうか。

 「勉強しないといけないと頭ではわかっているのに勉強が計画どおりに進まない」「集中力が続かず、がんばって立てた計画も計画倒れ」という話をよく聞きます。集中力が続かない場合は、周りの環境を変えてみることが効果的です。勉強する場所や時間帯を変える、友達と競いながら学習する、短時間・短期間の目標を設定することなどを試してみましょう。計画倒れになってしまうのは、計画自体がそもそも現実的ではない場合もありますので、一度立ち止まって見直すことも必要です。京進ではオリジナルの「リーチング学習手帳」を使って、学習だけでなく生活面も含めて計画を立てる力、実行する力を養っています。

京進オリジナル「リーチング学習手帳」京進オリジナル「リーチング学習手帳」

夏だからこそ効果的な学習法



--夏休みだからこそ成績アップできた生徒の例や効果的な学習法などを教えてください。

 夏はまわりの受験生も本気になり始める時期です。焦って何も成果が上がらなかった…ということがないように、まずは「計画を立てる」ことが大切です。「1日〇時間」「この問題集を仕上げる」など、計画の立て方にはいろいろありますが、夏休みにしかできないことを中心に具体的な計画を立てて取り組むのが良いでしょう。

 高校入試では中1・中2の学習範囲から多く出題されます。新しい単元を学習しない夏休みは、中1・中2の復習をする最後のチャンスです。幅広い範囲を効率よく復習できる塾の復習講座などを利用しても良いでしょう。京進でも夏休みに総復習をする「重要単元別特訓」を開講します。苦手教科は、基本内容の復習に力を入れましょう。自己分析してみると苦手教科の単元すべてができないというわけではありません。特に苦手な分野を克服することを目標にしましょう。得意教科において夏休みは実際の入試問題に取り組む良い機会です。応用力を身に付けると共に、自分の弱点を把握し、今後の学習の課題を抽出することにもつながります。

志望校、どう決める?



--これから志望校を選ぶ上での注意点を教えてください。

 志望校選びのポイントは2点あります。自分が行きたいと思うかどうか、自分に合格する学力があるかどうかが大切です。

 まずは「行きたい!」と思う学校を見つけましょう。学校の特徴を知るために、学校見学はもちろんのこと、通学時間や進学実績など未来につながる情報も積極的に入手しましょう。

 次に「学力」ですが、夏以降も努力次第で大きく伸びますので、今現在の成績や模試の判定などで受験校を絞り込んでしまう必要はありません。判断の基準になるのは「内申点」「テストや模試の志望校判定」「過去問の得点」です。その中でも内申点は早い段階で予測でき、入試当日にどれくらい得点したら良いかの目安になるので、一度自分の内申点を計算してみると良いでしょう。

 受験校は、通う本人が納得できる学校を選ぶことが大切です。余裕がある夏の間に、第一志望校だけでなく、受験する可能性のあるすべての学校を見学することは、秋以降の受験校の決定の際に役に立つのでお勧めします

--ありがとうございました。

 京進では難関公立高校、難関私立高校をはじめとした多くの学校の入試傾向を綿密に分析し、効率よく対策を行える志望校別講座を多数用意している。また、実際の入試問題とそっくりな実戦形式の模試も数多く実施している。2019年7月7日(日)には「堀川探究学科群模試」を実施。専門学科を考えている生徒にとって現在の自分の実力を知る機会だ。模試終了後にWeb配信する、京進講師による模試の解説動画は「その日のうちに復習できる」と例年好評だという。

 「すべては君の第一志望校合格のために」が京進小中部のスローガン。最新の入試情報の提供や、丁寧な進路指導、ひとりひとりの志望校に合わせたきめ細やかな指導で、第一志望合格へ向けて全力でサポートしている。

堀川探究学科群模試


日程:2019年7月7日(日)

京都公立模試


日程:2019年7月13日(土)

御三家 理社記述特訓


日時:2019年7月15日(祝)
※理科と社会の記述問題に特化

夏期講習


日時:2019年7月27日(土)開始
※重要単元復習講座も実施
《編集部》

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