入試本番まで残り数か月となった今、受験生は合格に向け、何をすべきだろうか。滋賀県内で30年以上の指導実績をもつ「京進」滋賀エリア統括責任者の大北卓氏に合格に向けた夏休みの過ごし方や、出題傾向を分析していただいた。
2019年度高校入試の振り返り
--2019年度入試を振り返って、変化や出題傾向から2020年度高校入試に向けて学習するべきポイントを教えてください。
これまでの出題傾向から大きな変化はありませんでした。滋賀県の公立入試の特徴といえば記述力が重視されていることです。2020年度の入試でも同様の傾向が継続されるでしょう。
--特色選抜の入試の特徴、合格判定基準を教えてください。
大半の高校で総合問題と小論文が出題されます。合格には高い内申点と学力検査での高得点の両方が必要となります。高校によって問題は異なり、教科を横断した出題もあり、事前の対策が必要です。
--一般選抜の入試の特徴、合格判定基準を教えてください。
学力検査の問題は全校共通ですが、学校により内申点と学力検査の配点は異なります。詳細は各校の入試要項を参照してください。学力検査は、どの教科も記述で解答する問題が増加していますが、出題形式に傾向はあります。過去問に取り組むことなどで事前に準備をし、出題形式に慣れることが重要です。
--滋賀県の人気校(上位3校)について教えてください。
まずは県立膳所高校があげられます。滋賀県内トップの進学校であり、近年では京都大学合格者数で全国上位の実績があります。理数科からは医歯薬系学部の合格者も多数輩出しています。
県立彦根東高校は県内有数の進学校で、特に湖東地域・湖北地域において根強く評価されています。旧帝大に毎年30~40名の合格者を出しながら、全国レベルの運動系部活動もあり、文武両道を実践している高校です。
県立守山高校は中高一貫化もあり、大学合格実績が伸びている高校です。教科横断的、総合的な学習である探求学も特徴的です。
ほかにも魅力的な教育を実践している高校が多くあります。学校情報に多く触れ、自分が本当に行きたいと思う学校を見つけましょう。
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--2019年の出題傾向から、2020年度の入試に向けて、教科ごとの学習ポイントを教えてください。
国語
記述の文字数が多く、問題数が少ないため、1問あたりの配点が大きく、差がつきやすい教科です。例年、作文が出題されており、試験時間内に書くためには準備が必要です。
数学
大問1の小問集合で確実に得点することが重要です。そのためには、確実な計算力と、基本的な解法パターンの習得が不可欠です。また、作図問題や証明問題も例年出題されるので、苦手分野を作らないように、幅広く学習しておくことが重要です。
理科
各分野からまんべんなく出題されています。ほぼすべての大問で記述問題か計算問題が出題されます。特に記述問題では差がつきやすいので対策が必要です。実験や考察の根拠を自分で説明できるように練習しておきましょう。
社会
記述問題が増加傾向にありましたが、近年は落ち着いてきた印象です。それでも資料を読み取り、知識をつなげて記述する問題が多く、単なる暗記だけで取れる得点には限界があります。知識を線でつなぎ、体系的に理解することが得点力アップにつながるでしょう。
英語
リスニング・筆記問題のどちらにおいても、英作文が得点力向上の大きなカギになります。基本の文法力を確実なものにし、減点されない英作文の書き方をマスターする必要があります。特に教科書で扱われている表現は非常に重要なので、教科書に出てくる単語・連語は確実にマスターしておきたいところです。
保護者、子ども、それぞれの悩み
--受験に向けて保護者は心配事が多いのではないかと思います。保護者からはどのような相談が多いのでしょうか。
「子どものやる気が上がらない、危機感がない」という相談が多いですね。目標なしに、やる気を出してがんばることは大人でも難しいことです。まず、目標(志望校)を明確にすることが何よりも大切です。
次に、それに向けて本気で取り組むこと。受験から逆算して、今何をすべきか、しなければいけないかをお子さんと一緒に考え、計画を立てることをお勧めします。京進では「リーチング学習手帳」を活用して、計画を立てるだけでなく、進捗管理の手法もアドバイスして、子どものやる気を上げる指導をしています。
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--実際に受験する生徒自身からはどのような相談が多いのでしょうか。
「苦手科目と得意科目のどちらを優先して勉強すべきか」といった勉強の優先順位に悩む生徒がいます。結論は両方ですが、まずは得意科目から取り組んでみたらどうでしょうか。「得意だから好き、好きだから自発的に取り組む、さらに成果が出る」という良いサイクルを回していくことで、学習習慣が身に付きます。そうすると、次は苦手な科目も同じようにやってみようと脳が勝手に考えます。ですから、自分が思っていたより自発的に、苦手科目も学習できるようになると思います。
苦手科目は「わかった」と感じた経験が少ないために苦手意識をもちがちです。本気になれば「わかった」と思える瞬間を数多く経験でき、気付けば「苦手」ではなく「面白い」と思えるようになります。
夏だからこそ効果的な学習法
--夏休みだからこそ成績アップできた生徒の例や効果的な学習法などを教えてください。
夏休みで大幅に成績アップをした生徒には、いくつかの共通点があります。その中でも「計画を立てる力」と「実行する力」の重要性は非常に高いです。さらに、「計画を実行できなかったときに次への改善点を行動に移すことができる力」も大事になります。これまで部活動に打ち込んできた生徒たちは、部活動の練習の中で、無意識にそれを理解できていることが多く、勉強に集中するとぐんぐん成績が伸びていくことが多いです。
志望校、どう決める?
--これから志望校を選ぶ上での注意点を教えてください。
第一志望校にこだわることは当たり前ですが、受験は戦略で結果が大きく変わってきます。そのために、私立併願校やチャレンジ校など、いろいろな学校に触れて自分の目で世界を広げたうえで、受験校を選択してほしいと思います。高校受験が終わったとしても、その3年後の大学受験では、全国の受験生との勝負になります。高校受験の機会に多くの学校のことを知り、チャレンジすることは、後の人生に大きな影響を与えると思います。
--ありがとうございました。
京進では部活動や学校行事で授業を欠席しても、Webでいつでも学習できる「欠席フォローアップWeb」があるので、安心して通うことが可能だ。9月以降には実践力を鍛える特訓講座も開講。特訓講座は毎年第一志望校に合格する生徒の大半が受講しており合格者からも大変好評だという。志望校合格に導くことに自信をもつ京進。大北氏は「京進で第一志望校合格を勝ち取りましょう」とエールを贈る。
滋賀県立高模試
日程:2019年7月7日(日)
夏期講習
日程:2019年7月27日(土)開始
※重要単元復習講座も実施