「ぼくらの7日間戦争」大人VS子どもの対立構造は現代にそぐわない…監督×脚本インタビュー

中学生たちが廃工場に立てこもり、大人への爽快な逆襲劇を繰り広げるベストセラー小説『ぼくらの七日間戦争』が、初のアニメーション作品として生まれ変わった。

趣味・娯楽 高校生
『ぼくらの7日間戦争』(C)2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会
  • 『ぼくらの7日間戦争』(C)2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの7日間戦争製作委員会
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中学生たちが廃工場に立てこもり、大人への爽快な逆襲劇を繰り広げるベストセラー小説『ぼくらの七日間戦争』が、初のアニメーション作品として生まれ変わった。

原作小説の初版が発売されたのは、1985年。原作者の宗田理は、学生運動・全共闘事件をモチーフに、当時の社会情勢を反映した「大人の管理教育」VS「子ども」の対立構造を作り上げ、知恵と勇気を武器に大人たちを悪戯でやりこめる青春エンターテインメントを作り上げた。
1988年には、当時14歳だった宮沢りえの主演で実写映画化。以後、原作小説は現在に至るまで続編シリーズが次々と刊行され、累計発行部数2000万部を越えている。

2016年、KADOKAWAの児童書レーベル“角川つばさ文庫”10周年をきっかけに、『ぼくらの七日間戦争』アニメ映画化企画が浮上する。
しかし、昭和の子どもたちが主人公である原作小説をそのまま映像化するわけにはいかない。
「原作のスピリットを残しつつ、令和の“ぼくら”の物語をつくる」――そんな大胆な再構築に挑んだ、村野佑太監督と脚本家の大河内一楼氏に、制作にまつわるエピソードをうかがった。
[取材・構成=中村美奈子]

■原作者・宗田理から託された「ぼくらの」シリーズのスピリッツ


村野佑太監督、大河内一楼氏左から村野佑太監督、大河内一楼氏
物語の舞台は2020年の北海道。高校二年生の鈴原守は、秘かに想いを寄せていた幼なじみの綾が、親の都合で東京に転校することを知り、「一緒に逃げよう」と一世一代の告白をする。しかし「2人だけの逃避行」のつもりが、クラスメイトを巻き込んだ廃工場への家出計画になり、さらに、大人たちやネットを巻きこむ一大騒動に発展してしまう。
映画の制作にあたって、宗田先生はスタッフを通じて伝えてきたことがあった。


村野「『痛快で楽しい作品にしてください』と。細かい部分をそのままなぞってくださいとは一言もおっしゃらずに、『今の時代にあわせたものを作ってください』とおっしゃっていただいて。ただ、子どもがかわいそうな目にあうとか、悲しいことになるのではなく、最後はちゃんと笑って、爽快に大人をいたずらだけでやっつけるところが一番大事だと、繰り返し言葉をいただきました。我々はそれを肝に銘じ、シナリオ作業を進めていきました」

大まかな話の筋は、子どもたちがどこかに立てこもって脱出すること。脚本を依頼された大河内氏が設定の白土晴一氏と話した歴史ネタが元となり、舞台が北海道に決まったという。

大河内「その時、主人公の鈴原守が歴史好きという設定も、付随してできあがりましたね」

鈴原守
村野「話の流れがある程度決まり、北海道を舞台にするとなったときに、北海道の学生が持っている気質や、どんなところに対してコンプレックスを持っているのかという考察から、キャラクターに還元できる部分も生まれてきたんです。

その中で意識したことは、『今の子どもたち』が、なにを自分の問題としてとらえているのかという部分を見逃さないことでした。30年間で、社会環境も興味の対象もまったく違ってきていますし、逆に同じところもあります。原作と今の子どもたち、双方にリスペクトを持って接していかなければならないと思いました」

大河内「脚本で意識したことは、『ぼくらの7日間戦争』というタイトルを裏切らないものにするということでした。つまり、戦争は7日で終わるし、“ぼくらの”話であること。今回、主人公たちは高校生ですが、“ぼくらの”とまったく関係のない高校生になってはいけない。『こういうヤツいるよね』という共感が得られるキャラクターを作る必要があったのです」

そこで、中学生にアンケートを実施したり、監督自らが高校に出向いてインタビューを行ったりしたという。実際に今の“ぼくらの”に触れてみると、思わぬ事実が発覚した。その事実とは?


→次のページ:今の“ぼくらの”へのアプローチから生まれた新たな「敵」

「ぼくらの7日間戦争」大人VS子どもの対立構造は現代にそぐわない。“令和のぼくら”の敵とは? 監督×脚本【インタビュー】

《中村美奈子》

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