【中学受験の塾選び】SAPIXの特徴と費用、塾活用ポイント(2021年度版)

 中学受験の成否の鍵を握る「塾選び」。塾選びの参考に、大手人気塾4塾の特徴や費用、カリキュラムなどを紹介する。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、プロ家庭教師集団・名門指導会に聞いた。今回はサピックス小学部(SAPIX)について見ていこう。

教育・受験 小学生
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 中学受験の成否の鍵を握る「塾選び」。塾選びの参考に、大手人気塾4塾の特徴や費用、カリキュラムなどを紹介する。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、プロ家庭教師集団・名門指導会に聞いた。今回はサピックス小学部(SAPIX)について見ていこう。

サピックス小学部の指導の特徴



 授業から教材まで「復習中心」の学習法に基づいて構成されている。予習は必要ない。講師の「なぜ?」に子どもたち自らが考えたことや疑問に感じたことを、自分なりのことばで発表し、全員で討論していく「討論式授業」によって、「思考力」や「記述表現力」を身に付けていく。また、授業で学んだことは、家庭で復習して定着度を高めるとともに、「らせん状」のカリキュラムで、繰り返しながらより深く学ぶことにより、少しずつ理解の幅を広げていく。クラスは、少人数制の学力別コース(クラス)編成。6年生では志望校別コース編成も取り入れて、ひとりひとりの志望校合格に向けて、きめ細かな指導を行っている。

入塾の時期



 本格的な受験カリキュラムが始まる新4年生(3年生の2月)から、入室するケースがもっとも多い。既出の単元も繰り返し学べるようにカリキュラムを構成しているため、それ以降の入室も可能。どの教科であっても基礎知識として覚えるべき事柄があり、理科や社会は学習する分野も多いことから、そのようなことも考慮したうえで、無理なく学習が進められる時期を、家庭で判断するとよいだろう。

 また、学習習慣や学習姿勢などは受験勉強を始めた(塾に通い始めた)途端に身に付くものではない。塾に慣れたり、学習に興味をもったり、学ぶことが楽しいと思ったり、というようなベースの部分を身に付けるために、低学年から塾に通うケースは一定数ある。低学年から塾に通う児童は、じっくりと育んだ知的好奇心や粘り強く取り組む姿勢が中学受験において強みを発揮するためか、中学受験において第一志望校に合格する比率が高いというデータがある。

入塾前のテストの有無



 月1回程度「入室テスト」(受験料3,300円・税込)を実施している。テストの結果は1週間程度で通知する。入室基準に達した児童は入室することができる。入室後の授業開始は、原則として翌月上旬からとなる。

 現在、多くの校舎や学年で定員に達している。校舎状況に変更がある場合(定員の増加など)には、募集を再開する可能性がある。再開時期などの詳細については、決まり次第Webサイトにてお知らせする。

塾のコロナ対応



 対面での授業を実施する場合、教職員は必ずマスクを着用し、こまめに手洗いや手指の消毒を行う。また、職員には検温などによる健康観察などを義務づけ、少しでも体調に問題がある場合には勤務を控える。教室内の机・椅子などについては消毒作業を実施し、多くの生徒・職員が触れる場所は特にこまめに消毒する。また、24時間の機械換気を実施するほか、授業中も含めて教室内の喚起については、積極的に行う。

 塾生には来校前の検温を必須とし、手洗いや手指の消毒、マスクの着用などのほか、密を回避するための行動など、感染予防対策への協力を依頼している(保護者も準じる)。

 対面授業の継続が困難となった場合には、オンラインでの授業に切り替えたり、ポイント解説動画および学習アドバイスの配信、オンラインを使ったコンテンツの提供を行ったりする。ただし、学年や教科の特性などにより対応は異なる。また、メールやZoomなどで質問対応(学習相談)やオンラインでの添削指導なども適宜行う。対面授業が継続できる状況であっても、ポイント解説動画および学習アドバイスの配信は実施している。

 このほか、保護者会や個別面談、説明会などのイベントに関しても、状況に応じてオンラインでの実施(開催)に切り替える、あるいはオンラインを併用するなど、社会情勢に応じて迅速に対応していく。

 なお、現段階での想定であり、状況によっては異なる対応となる場合もある。

年間にかかる費用とカリキュラム



 1年生は約22万円、2年生は約26万円、3年生は約34万円、4年生は約60万円、5年生は約75万円、6年生は約137万円(いずれも税込)。なお、費用には、授業の一環として実施するテスト費用、授業中に配付するテキスト・プリントなどの教材費、冷暖房費などがすべて含まれる。

 各学年のカリキュラムは、サピックス小学部Webサイトで確認できる。たとえば、4年生は授業も本格的なものとなり、子どもたちひとりひとりの発想を引き出しながら、思考力を高めていくことをポイントにする。さらに、学習を日常生活のサイクルの中に組みこむことができるように指導していく。

クラス分け



 1コース(=クラス)15~20人程度で、学力別のコース編成になっている。コース分けやコースの昇降にかかわるテストは、1~3年生で約2か月に1回、4~6年生では約1か月に1回実施する。また、6年生で実施する志望校別のコースについては、通塾している児童(家庭)へ事前に志望校調査を行ったうえで、コースを編成していく。希望する学校のコースがない場合でも、出題傾向が類似する学校のコースで学習を進めながら、十分なフォローアップをするため、心配いらない。

通塾の頻度と時間帯



 1~3年生は週1回、4年生は週2回、5年生は週3回、6年生前期は週3回、6年生後期は週4回。なお、1~3年生の土曜日の授業は、校舎によって設置状況が異なる。関西校舎では、一部授業時間帯などが異なる。

・1年生:平日午後4時~5時30分、土曜日午後1時30分~3時、午後4時~5時30分のいずれか
・2年生:平日午後4時20分~6時、土曜日午後1時~2時40分、午後4時20分~6時のいずれか
・3年生:平日午後4時30分~6時30分、土曜日午後0時30分~2時30分、午後4時30分~6時30分のいずれか
・4年生:午後5時~8時
・5年生:午後5時~8時
・6年生:平日午後5時~9時および土曜日午後2時~7時

授業以外のサポート



 すべての教科の基本となり、難関中学入試で必要とされる「読解力」「記述表現力」を磨くため、専門指導員による記述添削指導「てんさく教室」を月に1回程度、全学年で実施している。ひとりひとりの考え方や個性を尊重しながら、他者に伝わる文章を書く力を育成していく。保護者に対しては、年に3~4回開催する保護者会で現在の学習状況や学習目標を、6年生の個別面談(2回)では学習相談や志望校決定に向けたアドバイスを、担当講師から伝えている。なお、学習相談や面談は、これ以外でも希望によって随時行っている。

塾選びと活用のポイント


(名門指導会 伊東大輔先生)

 首都圏で最上位校、上位校において圧倒的な実績を誇っているのがサピックス。その実績を支えているのが、「デイリーサピックス」と呼ばれる通常授業のテキストと授業、繰り返し学習のシステム、テストなどで、その設計は他塾の追随を許さない。クラス分けに直結する毎月のテストとハイレベルな授業、進度の速いカリキュラムに、学習サイクルがうまく回らない子どもにとっては、ついていくのが難しい面もある。

 現実的には5年生から通わせる家庭が多いが、本格的な受験カリキュラムが始まる新4年生の2月から通わせるのがお勧め。ただ、4年生になると3年生までに比べて入塾へのハードルが上がる(定員がいっぱいになっている、入塾テストの結果、入塾許可が出ないことが増える)ため、低学年から通わせるという家庭も一定数あるようだ。

 年間のシラバスは年度の始めに配布。毎回の授業で使用するテキストは小冊子形式で、授業のたびに配布される。子どもたちにとっては「予習ができない」わけだが、これは塾からの「毎回授業で初めて見た問題に対して、先入観なく新鮮な気持ちで取り組んでほしい」というメッセージでもある。

 また、テキストがプリント形式ということは、年度ごとに一部改定を実施しやすいということを意味しており、年々その内容やカリキュラム構成の変更、入れ替えなどが行われている。ただ保護者にとっては、このプリント教材の整理、ファイリング、復習への活用が難題であり、否応なしに関与が求められる塾でもある。

 担当講師とのコミュニケーションという面では、教室や講師によってややばらつきがあるようで、宿題チェックなども(サピックスでは宿題ではなく「家庭学習」と呼んでいる)原則的には親の関与を前提としているところがある。

 速い進度の中にも徹底して「繰り返し学習」の仕組みが用意されているので、その仕組みを最大限に活用すれば無駄を最小にした学習ができる。その前提としての学習サイクルの構築、モチベーションの維持が成績アップの最大の要因となる。

 難関と呼ばれる中学校が志望校でなければ、サピックスを選ぶ理由はあまりないだろう。ハイスピードな授業とカリキュラムをこなす学習サイクルを構築し、それをしっかり回していくことを前提に、そのペースメーカーとして塾を活用するのが効率的なサピックスの活用法だ。そのためには家庭の関与がかなり要求され、保護者の負担も大きい塾といえる。

 コロナ対応について、2020年5月まで映像授業の配信があったが、現在はオンライン授業、映像授業などの配信はなく、検温や手洗い、マスク着用などの一般的な感染拡大対策のみ。塾のWebサイトでは「授業形態を変更するなどの措置をとる可能性」があると告知している。
《工藤めぐみ》

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