◆クリスマスおもちゃのトレンド
おもちゃ業界にとっては1年で最も大きな商戦となるクリスマス。日本玩具協会と東京玩具人形協同組合がサンタさん向けに、「今年のクリスマスおもちゃ」のトレンドを分析、紹介している。
★トレンド 1……2大キャラクター「鬼滅の刃」「すみっコぐらし」に話題商品も集中
今、最も人気のあるキャラクターと言えば「鬼滅の刃」と「すみっコぐらし」で、この2つのキャラクターに話題商品や新しいギミックを搭載したアイテムが目立つという。今年の傾向として際立つのが「カメラ機能を搭載して新しい遊びを提案」したり、「学習機能を充実」させた「デバイス型おもちゃ」が多いことだ。「鬼滅の刃」「すみっコぐらし」商品では、「メーキングトイ」と「ゲーム」も充実しているという。
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★トレンド 2……マスクはしながら「おしゃれしておでかけ」「イエチカ・アウトドア・体力強化」
緊急事態宣言も明けて、これからが「ニューノーマルの時代」。感染防止に気を付けながら、おしゃれしてのおでかけやアウトドアを楽しむ。そんな時代には、市販のマスクをアレンジしてオリジナルマスクが作れる『マスクにプリント! マスクック』(セガトイズ)が要注目だ。
★トレンド 3……NEWトレンドは「DIY」「インタラクティブペット」「新感触トイ」
コロナ禍の中でおうち時間を楽しむ過ごし方のひとつとしてDIYの人気が高まっている。“イエナカ”時間を楽しむおもちゃや、ウィズコロナの潮流に合ったおもちゃが相次いで発売された。トミカ『くみかえアクション! キャリアカー&カーゴジェットセット』(タカラトミー)は、電動ドライバーを使ってキャリアカーからカーゴジェットへの組み換える。
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★トレンド 4……最大ヒットを狙う「定番ブランドの最新玩具」
おもちゃ業界の発展を常に支えているのが定番ブランドだ。販売金額が最も大きく、最新のギミックやユニークかつ魅力あるプレイバリューを提案するのが、「変身ベルト」「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」「シルバニアファミリー」「アンパンマン」といった、ロングセラー&メガヒットブランドだ。両親や祖父母層もよく知っている2世代型、3世代型のロングセラーブランドの最新商品が、今年も玩具市場を牽引しているという。
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今年50周年を迎えた仮面ライダーの最新作『変身ベルトDXリバイスドライバー』(バンダイ)は、なりきりおもちゃの決定版。トミカ『ぐるっと変形! DXポリスステーション』(タカラトミー)はトミカを収納可能な警察署で、自動変形とともにトミカが一斉出動、サウンドボイスで警察ごっこが楽しめ。プラレール『人気のあそびがギュッ! プラレールベストセレクションセット』(タカラトミー)は、6種類以上のレイアウトが組め、オリジナル車両、情景、レールなど基本パーツが全部入ったセットだ。
★トレンド 5……年末年始はやっぱりみんなで「ゲーム」
クリスマスからお正月まで、家族や友だちなど、みんなで楽しめるおもちゃはゲームだ。ボードゲーム、アクションゲーム、カードゲームいずれも今期は充実しているという。先に紹介した「鬼滅の刃」や「すみっコぐらし」以外にも、ゲームはたくさんありそう。
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◆クリスマスプレゼントの予算は?
玩具メーカーであるバンダイの調査(バンダイこどもアンケートレポートVol.259)によると、親から子どもへのクリスマスプレゼントの予算の平均金額は9957円で、昨2020年(9244円)から713円増加した。2020年は2019年(9411円)比で減少しており、2021年を2019年と比べると500円以上増額している。予算額は2016年から、2020年を除いて対前年比プラス基調で、2021年を2015年と比べると3137円、46%のプラスとなっている。
同じ調査で、2021年の予算のボリュームは、5000~5999円が42.2%と最も多い結果となった。クリスマスプレゼントの予算を昨年から変更するかどうかを聞いたところ、19.5%が「増額する」と回答した。バンダイは増額の理由として「ゲーム関連の人気の高まりなどが影響し、プレゼントが高価になっている」と推察している。
同じくバンダイの調査によると、子どもが欲しがっているクリスマスプレゼントは2019年から引き続き1位「ゲームソフト」(16.3%)、2位「ゲーム機」(5.5%)となった。2018年と2019年にトップ3に入っていた「ぬいぐるみ・人形・フィギュア」は、今年はランク外となった。「キャラクターのなりきり・変身玩具」は2018年から継続してトップ5に入っており、根強い人気だ。親が子どもに買ってあげたいクリスマスプレゼントの1位と2位は、子どもが欲しがっているクリスマスプレゼントと同様の結果となり、子どもの欲しいものを買ってあげたいと思っている家庭が多い。
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◆2021年の玩具市場動向
日本玩具協会は毎年、日本国内の玩具市場規模を調査しており、2020年度もその調査結果を2021年6月下旬に発表している。2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の日本国内における玩具市場規模は、上代価格(希望小売価格)ベースで8268億円となり、前年度比101.5%だった。
市場規模が8000億円を超えたのは7年連続であると同時に、2020年度の玩具売り上げは過去20年間の調査で3番目に大きい。コロナ禍という非常事態と、少子化トレンドの中でも、玩具需要は底堅く、日本玩具協会では「今後さらに成長していく可能性がある」と考えている。日本玩具協会によると、市場が堅調である理由は、「ターゲット年齢の拡大と、現在のトレンドや消費者のニーズに合った商品開発が、従来の玩具の枠にとらわれずに行なわれているため」だという。
日本玩具協会では、「玩具業界にとって最も重要なクリスマス商戦において、こうした商品が見込み通りの売れ行きをすることによって、8年連続で8000億円市場を達成し、また前年度を上回る市場規模を記録することは充分に可能である」と考えている。