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乳児の睡眠支援アプリ「SciBaby」開発…東京科学大学

 東京科学大学らの研究グループが開発した乳児の睡眠支援アプリ「SciBaby(サイベビー)」が2025年2月27日、Google Playで配信開始された。乳児の生理的状態を可視化する腕時計型脈拍センサーと連携し、AIが最適な寝かしつけタイミングを予測する。

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乳児の泣き止み・寝かしつけを科学的根拠に基づき支援するアプリ「SciBaby」
  • 乳児の泣き止み・寝かしつけを科学的根拠に基づき支援するアプリ「SciBaby」

 東京科学大学らの研究グループが開発した乳児の睡眠支援アプリ「SciBaby(サイベビー)」が2025年2月27日、Google Playで配信開始された。科学的根拠に基づき、効果的な抱き歩きや寝かしつけのタイミングを音声でサポートするもので、乳児の生理的状態を可視化する腕時計型脈拍センサーと連携し、AIが最適な寝かしつけタイミングを予測する。

 この開発は、東京科学大学の生命理工学院と情報理工学院の共同研究グループによるもので、乳児の睡眠と泣きの問題を科学的に支援することを目的としている。黒田公美教授の研究室では、哺乳類の乳児が抱っこされて運ばれるとリラックスする「輸送反応」を2013年に発見しており、SciBabyはこの知見をもとに、保護者が5分間の抱き歩きとその後の抱き座りによって乳児の自然な眠りを誘導するのを助ける。

 これまでの実験では、泣いていた乳児の8割以上が5~10分間の抱き歩きによって泣きやみ、その後の8分間の座った状態での抱っこにより、半数以上が入眠することが確認された。ただし、寝た乳児を布団に寝かせると20%程度は起きてしまうため、最適な寝かしつけのタイミングを予測するさらなる研究が必要とされている。SciBabyでは、乳児に装着した腕時計型脈拍センサーからデータを取得し、AI開発に貢献する。

 このアプリは、家庭と研究者のWin-Winな関係を構築することを目指しており、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業CRESTの支援を受けて行われている。研究課題は「育児DX:ウェアラブルシステム開発による乳児夜泣き制御と入眠予測」で、研究代表者は黒田公美教授が務めている。

 SciBabyの詳細は、公式ホームページで確認できる。アプリの配信開始により、乳児の睡眠問題に悩む保護者にとって、新たな選択肢が提供されることとなる。

《吹野准》

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