<数学>講評
(湘南ゼミナール 提供)
基礎力を問う設問が減り、思考力を問う設問が増えたことにより、昨年度から難化したといえる。難易度が高い設問の配点が6点となったことも特徴的である。また、記号選択形式に加え、数値をマークして解答する形式の設問が追加された。この傾向は今後も続くと予想されるので、解答形式に対する練習も必要である。
問1の計算では、難易度や設問数、配点は大きく変わらなかった。
問2の小問集合では、設問数が1問減少し、例年問3で出題されていた方程式が出題された。
問3は、出題内容が大きく変わった。(ア)の(i)では、合同の証明が出題されたが、合同条件の根拠を答える問題が出題されたのは新しい傾向である。(ii)では、平行四辺形となるときの角度が問われ、図を書き換えることで解きやすくなる問題であった。(イ)では、該当するヒストグラムを選択する問題が出題された。(ウ)では、円の求角の問題が出題された。平行線、角の二等分線などの条件を利用し、地道に調べる必要があった。(エ)は円と相似、三平方の定理の融合問題が出題された。補助線の引き方や相似な関係を見つけ出すのは難しかったであろう。
問4の関数は、例年通りの出題形式であった。(ウ)では、2つの三角形の面積の比を求める問題が出題された。三角形の面積を2等分するという条件から、点Eと点Fの中点である点Gの座標を求めることで、具体的に面積の比が導き出せる。
問5の確率では、2つの正方形の面積について、丁寧な検証が求められた。正しく条件を読み取り、可視化し、もれなく数えあげることが重要である。
問6の空間図形では、四角柱が出題された。(イ)は、空間内の三角形の面積を求める標準的な問題であった。(ウ)は、展開図を利用して最短距離を求める問題が出題された。補助線を引き、相似な図形や三平方の定理を複合的に利用する必要がある。
複雑な計算を丁寧に処理する力だけではなく、条件を正しく把握して活用する力が必要になってきている。今後は教科書の巻末問題や全国都道府県の入試問題など、様々な出題傾向の問題に触れておきたい。
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このレポートは令和4年2月15日(火)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 数学科責任者 藤森 正雄 氏)