【高校受験2022】千葉県公立高校入試<国語>講評…記述・読解問題難度高く、難度は前年度同様

 令和4年2月24日(木)、令和4年度(2022年度)千葉県公立高等学校入学者選抜が実施された。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2022】千葉県公立高校入試<国語>講評
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 令和4年度(2022年度)2022年2月24日(木)、千葉県公立高等学校入学者選抜(国語、数学、英語)が実施された。2月25日(金)に理科と社会の2教科が実施となる。千葉県教育委員会が2022年2月21日(月)に発表した一般入学者選抜等の確定志願状況によると、全日制が募集人員3万1,320人に対し3万4,637人が志願し、志願倍率は1.11倍。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<国語>講評
(京葉学院 提供)



 前年度本検査と比較すると、『説明的な文章』、『文学的文章』における記述問題の配点の比率が、昨年度は、全体の16点配点でしたが、本年度は32点分と、2倍に増えました。
 記述問題は、全て字数制限があり、3字以内・5字以内・5字~10字以内・10字~15字以内・20字~25字以内と、文字数の幅は昨年と比較すると多彩な出題となりました。
 選択問題は、昨年の9題から本年は5題と4題減り、配点として昨年20点配点が、本年12点配点となり8点減りました。『古文』においては、例年通り、『作文』において、分量は例年通り2段落構成の200字以内でしたが、《作文条件》内容において、受験生の意見と理由を共に書くものとなりました。『聞き取り問題』は、例年通りと成りました。記述の問題が増え、書きにくい設問もあり、選択問題が減ったことにより、平均点は昨年より低くなると思われます。

1.放送聞き取り


 中学生の鈴木さんが、高橋さんに、テレビ番組で見た映像について感想を伝えている場面に関連した設問が4題出題されました。鈴木さんが映像に対して感想を述べた際の言葉の使い方が設問の中心になります。『放送を聞く、設問に答える』をくり返しながら解答をしていきます。選択肢は、全て問題用紙に印刷されおり、例年通りの出題形式です。設問内容は、直前の会話に関するものでしたので、比較的容易に解答できたものと思われます。配点は、昨年同様8点でした。

2.漢字の読み


 例年通り、中学校配当の漢字を含む読みが4問出題されました。配点も例年通り各2点、合計8点でした。

3.漢字の書き


 例年通り、小学校配当漢字の書きが5問出題されました。毎年三字または四字熟語が出題されますが、今回は「旧態依然」の「キュウタイ」が出題されました。書き取りの漢字は、小3配当漢字から小6配当漢字の組み合わせでした。特に、小5配当漢字の出題比率の半分以上を占めました。配点は各2点、合計10点と例年通りでした。

4.説明的文章の読解


 昨年度のように、2種の文章を読み解く形式ではなく、桝野俊明『人生は凸凹だからおもしろい』による文章からの出題となりました。「おもてなし」のアイテムとしての「花」の欧米と日本の考え方の差異と日本の「茶道」の考え方から、道元禅師「同事」の考え方の理解です。「おもてなし」とはどういうものか、その心はどのようなものかを考える内容です。文中に「国語の知識」問題が1題出題されます。出題内容は、全五題(国語の知識1題・選択問題2題・記述問題2題)です。記述問題は、「茶道」の考え方をまとめた表の空欄補充をする記述、「茶道」の考え方をふまえない「同事の視点」についての文章をもとにした空欄補充の記述問題です。昨年は、選択し問題配点は12点でしたが本年は8点でした。記述問題配点は、昨年7点でしたが、本年は14点と、倍の得点となりました。

5.文学的文章の読解


 小学1年生と3年生の兄弟と3年生の幼馴染みが、弟の1年生とドッジボールの練習をしている所に、兄弟の6年生の兄が加わり、1年生の弟への練習の仕方について方法がことなり、3年生の兄が6年生の兄に指導を半ば腹を立てて譲り渡してしまう。6年生の兄の指導により1年生の弟はみるみる上達をしていくという現代のお話しです。この中での、3年生と6年生の二人の気持ちや幼馴染みの気持ちについて問われます。記述問題では、2人の兄についてまとめられた文章内の空欄補充とこの文章に対する意見分内の空欄補充問題が記述問題です。設問は2題ですが、記述は、5問分あります。
 昨年は、選択肢が10点配点、記述が9点配点でしたが、本年は、選択肢が4点配点、記述が18点配点と記述の配点が倍増しました。記述問題は、本文内容を精密に読む力が求められますので、答えを探す時間がかかる受験生も多いことと思われます。 

6.古典の読解


 「ものくさ太郎」の手から持っていた餅がこぼれ落ち、近くの大通りまで転がってしまった。「取りに行くのも面倒、誰かが通ったら取ってもらおう」とおもい、三日待ち、ようやく守護の左衛門尉のぶよりが通りかかった。太郎は、守護に「餅を取ってくださらんかのう」と云うが、守護は、無視をして通りすぎてしまったので、太郎は「あの餅を馬から下りて拾うくらいわけないだろうにと、とんだものぐさ者だ。あれで、地頭がつとまるのか、世の中にものくさは多くいるが、情けない」
 本文が大意把握できていれば問題はありませんでした。設問は、現代仮名づかいが1題、動作主問題が1題、漢文の一・二点挿入問題1題、内容真偽2題。ここでも、古文の感想文の短文内の空欄補充選択問題が主題されました。

7.条件作文


 中学生の森さんと沢木くんの会話で、「大人」とはどういう人のことをさすのかの話題に対して設問です。森さんは、行動や考え方から大人と判断をする、沢木くんは、法律的な面から大人と判断すると解答しました。これについて、受験生に質問です。1段落目に、2人の考え方を整理しながら書きます。つまり、2人の会話は具体的な内容です。抽象化して書きます。2段落目では、2人の考え方から受験生の意見と理由を書きます。配点は昨年通りです。採点基準の細部は、各学校で定められています。

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 このレポートは2022年2月24日(木)に速報として京葉学院により作成されたもの。

協力:京葉学院
《編集部》

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